オーマンディ/フィラデルフィア管の88番1958年モスクワライヴ
今日は珍しいオーマンディ。

TOWER RECORDS
オーマンディのハイドンは他に録音があるようですが、私ははじめて。このアルバムも土曜日にディスクユニオンの店頭で珍しいものと思って手に取ったもの。
ユージン・オーマンディ(Eugene Ormandy)指揮のフィラデルフィア管弦楽団の1958年5月のモスクワ音楽院でのコンサートライヴを集めたアルバム。収録曲目と収録日は次のとおり。ハイドンの交響曲88番(1958年5月28日)、ベートーヴェンのレオノーレ序曲第3番とブラームスの悲劇的序曲(1958年5月30日)、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」(1958年5月27日)の4曲。レーベルはMoscow State Coservatoire(モスクワ音楽院)
ユージン・オーマンディは1899年ハンガリーのブダペスト生まれの指揮者。前記事のショルティと同様ハンガリー生まれの人です。オーマンディといえば全盛期のフィラデルフィア管弦楽団との磨き抜かれたサウンドが「フィラデルフィア・サウンド」と呼ばれるなど、日本でもよく知られ4度の来日公演があったとのこと。私も昔ホルストの惑星などの録音を聴いた他はあまり聴いていない人の一人。
オーマンディの略歴をウィキペディアから紹介しておきましょう。幼少期からヴァイオリンが巧く、ブダペスト王立音楽院を卒業後、ヴァイオリニストとして活躍。その後1921年アメリカ演奏旅行の際、マネージャーに騙されたとのことで、無一文で見知らぬ土地に放り出される苦難に見舞われ、それを機にニューヨーク・キャピトル劇場オーケストラのヴァイオリン奏者となる。腕を買われて同年中にコンサートマスターに就任。1924年9月、指揮者が急病で倒れ代役としてキャピトル劇場オーケストラで指揮者デビュー。以後、指揮者に転向し、26年にキャピトル劇場準指揮者。27年にはアメリカ国籍を取得。また同年からキャピトル劇場を離れてCBSラジオの放送コンサート指揮者になるなど、トラブルをきっかけとしながらも恵まれた才能により頭角を現しメジャーな存在に。
その後1931年病気のトスカニーニに代わってフィラデルフィア管弦楽団の定期公演を指揮し評判となり、1936年にはストコフスキーとともにフィラデルフィア管弦楽団の共同指揮者に就任。ストコフスキーの辞任により1938年から勇退する1980年までフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えました。オーマンディが後任に指名したのが若かったムーティということで、これも話題になりましたね。亡くなったのが1985年の3月とのことで、もう26年前のことになります。
オーマンディの印象というと絢爛豪華ながら型にはまった演奏との印象がありましたが、59歳と脂ののった時期のオーマンディの、しかもライヴによる88番とのことで、ちょっと期待してしまいます。演奏の出来は如何に。
交響曲88番(1787年頃作曲)
1楽章の冒頭は意外と分厚い音色のオケの響きに圧倒されます。ライヴとは思えないオケの線のそろい方。この頃のオケの充実度はすばらしいですね。序奏はフレーズをきっちり表現。録音はモノラルですが58年のモスクワライヴというのが信じられないほど鮮明なもの。主題に移り速めのテンポで進めますが、前記事のショルティとの違いはリズムが安定している、というかぴしっと型にはまった感じがあるところ。弦楽器のキレは流石フィラデルフィア管ですが、オーマンディは箍をはめたままテンションをかけるといったらいいでしょうか。ショルティの爆演を聴いたばかりなので、キレたオケにもかかわらず行儀の良さを感じてしまいます。
2楽章は計画的なゆったりさとでも言ったら良いでしょうか。ゆったりとしているのはもちろんですが、ちょっと古風なゆったりさ。ウラッハのモーツァルトのクラリネットコンチェルトの雰囲気に似た感じです。ゆっくりと奏でる弦楽器のえも言われぬ燻した感じが歴史を感じます。変化や機転とは無縁のアダージョ。
3楽章のメヌエットもかっちりオーマンディの形になっている演奏。迫力も弦の厚みも見事ながら次の音がどうなるか予想通りの演奏といったらいいでしょうか。オケの迫力は見事です。
そして、この曲の一番面白い楽章、終楽章。オーマンディらしく形はきっちり決めてきますが、曲自体の面白さも手伝って、この楽章はかえって興味深い演奏に。オーマンディ正確な描写が曲の構造を浮き彫りにするような効果をあげています。最後は素晴らしい迫力のフィニッシュ。モスクワの聴衆の拍手に包まれます。
珍しいオーマンディのハイドンの交響曲88番のモスクワライヴ、素晴らしいサウンドを聴かせた一方、オーマンディの職人らしい、かっちりと型にはまった演奏とも聴こえます。評価は[++++]としました。もしかしたら[+++]という評価もあると思いますが、オケの素晴らしい分厚いサウンドに1点献上ですね。
オーマンディには他にもハイドンの交響曲の録音があるようですから、残りの録音も是非手に入れて確認してみたいと思います。

オーマンディのハイドンは他に録音があるようですが、私ははじめて。このアルバムも土曜日にディスクユニオンの店頭で珍しいものと思って手に取ったもの。
ユージン・オーマンディ(Eugene Ormandy)指揮のフィラデルフィア管弦楽団の1958年5月のモスクワ音楽院でのコンサートライヴを集めたアルバム。収録曲目と収録日は次のとおり。ハイドンの交響曲88番(1958年5月28日)、ベートーヴェンのレオノーレ序曲第3番とブラームスの悲劇的序曲(1958年5月30日)、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」(1958年5月27日)の4曲。レーベルはMoscow State Coservatoire(モスクワ音楽院)
ユージン・オーマンディは1899年ハンガリーのブダペスト生まれの指揮者。前記事のショルティと同様ハンガリー生まれの人です。オーマンディといえば全盛期のフィラデルフィア管弦楽団との磨き抜かれたサウンドが「フィラデルフィア・サウンド」と呼ばれるなど、日本でもよく知られ4度の来日公演があったとのこと。私も昔ホルストの惑星などの録音を聴いた他はあまり聴いていない人の一人。
オーマンディの略歴をウィキペディアから紹介しておきましょう。幼少期からヴァイオリンが巧く、ブダペスト王立音楽院を卒業後、ヴァイオリニストとして活躍。その後1921年アメリカ演奏旅行の際、マネージャーに騙されたとのことで、無一文で見知らぬ土地に放り出される苦難に見舞われ、それを機にニューヨーク・キャピトル劇場オーケストラのヴァイオリン奏者となる。腕を買われて同年中にコンサートマスターに就任。1924年9月、指揮者が急病で倒れ代役としてキャピトル劇場オーケストラで指揮者デビュー。以後、指揮者に転向し、26年にキャピトル劇場準指揮者。27年にはアメリカ国籍を取得。また同年からキャピトル劇場を離れてCBSラジオの放送コンサート指揮者になるなど、トラブルをきっかけとしながらも恵まれた才能により頭角を現しメジャーな存在に。
その後1931年病気のトスカニーニに代わってフィラデルフィア管弦楽団の定期公演を指揮し評判となり、1936年にはストコフスキーとともにフィラデルフィア管弦楽団の共同指揮者に就任。ストコフスキーの辞任により1938年から勇退する1980年までフィラデルフィア管弦楽団の黄金期を支えました。オーマンディが後任に指名したのが若かったムーティということで、これも話題になりましたね。亡くなったのが1985年の3月とのことで、もう26年前のことになります。
オーマンディの印象というと絢爛豪華ながら型にはまった演奏との印象がありましたが、59歳と脂ののった時期のオーマンディの、しかもライヴによる88番とのことで、ちょっと期待してしまいます。演奏の出来は如何に。
交響曲88番(1787年頃作曲)
1楽章の冒頭は意外と分厚い音色のオケの響きに圧倒されます。ライヴとは思えないオケの線のそろい方。この頃のオケの充実度はすばらしいですね。序奏はフレーズをきっちり表現。録音はモノラルですが58年のモスクワライヴというのが信じられないほど鮮明なもの。主題に移り速めのテンポで進めますが、前記事のショルティとの違いはリズムが安定している、というかぴしっと型にはまった感じがあるところ。弦楽器のキレは流石フィラデルフィア管ですが、オーマンディは箍をはめたままテンションをかけるといったらいいでしょうか。ショルティの爆演を聴いたばかりなので、キレたオケにもかかわらず行儀の良さを感じてしまいます。
2楽章は計画的なゆったりさとでも言ったら良いでしょうか。ゆったりとしているのはもちろんですが、ちょっと古風なゆったりさ。ウラッハのモーツァルトのクラリネットコンチェルトの雰囲気に似た感じです。ゆっくりと奏でる弦楽器のえも言われぬ燻した感じが歴史を感じます。変化や機転とは無縁のアダージョ。
3楽章のメヌエットもかっちりオーマンディの形になっている演奏。迫力も弦の厚みも見事ながら次の音がどうなるか予想通りの演奏といったらいいでしょうか。オケの迫力は見事です。
そして、この曲の一番面白い楽章、終楽章。オーマンディらしく形はきっちり決めてきますが、曲自体の面白さも手伝って、この楽章はかえって興味深い演奏に。オーマンディ正確な描写が曲の構造を浮き彫りにするような効果をあげています。最後は素晴らしい迫力のフィニッシュ。モスクワの聴衆の拍手に包まれます。
珍しいオーマンディのハイドンの交響曲88番のモスクワライヴ、素晴らしいサウンドを聴かせた一方、オーマンディの職人らしい、かっちりと型にはまった演奏とも聴こえます。評価は[++++]としました。もしかしたら[+++]という評価もあると思いますが、オケの素晴らしい分厚いサウンドに1点献上ですね。
オーマンディには他にもハイドンの交響曲の録音があるようですから、残りの録音も是非手に入れて確認してみたいと思います。
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