作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

デリアン四重奏団の「日の出」

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今日はもう一枚行きます。これまで同様金曜日に渋谷タワーレコードで入手したもの。

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デリアン四重奏団(delian::quartett)の演奏によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76 No.4「日の出」(Hob.III:78)、ピアノ協奏曲(Hob.XVIII:4)、ヴァイオリンとピアノのための協奏曲(Hob.XVIII:6)、弦楽四重奏曲Op.33 No.1(Hob.III:37)の4曲を収めたアルバム。ピアノ協奏曲のピアノはアンドレアス・フレーリヒ(Andreas Frölich)、ヴァイオリンはジル・アパップ(Giles Apap)。収録は2008年9月4日、5日、10月6日、7日、フランクフルトのヘッセン放送ホールでのセッション録音。レーベルはスクロヴァチェフスキのブルックナーなどで知られるOHEMS CLASSICS。

弦楽四重奏曲だけではなくピアノ協奏曲などをクアルテットメンバーで演奏しようという意欲的な試み。前記事で取り上げたヴェリコヴィッチのピアノ協奏曲集でもHob.XVIII:4は取り上げていますので、演奏の違いも聴き所のひとつですね。

デリアン四重奏団はギリシャの芸術の神であるデリアン(デロス生まれ)から命名された四重奏団。設立は2007年とごく最近ですが、その音楽はすばらしい熟成を感じるもの。ジャケット写真を見る限り若いメンバー中心です。彼らのウェブサイトがありますので、いつものようにリンクを張っておきましょう。

delian::quartettのオフィシャルウェブサイト(独・仏・英文)

弦楽四重奏曲Op.76 No.4「日の出」(1797年作曲)
出だしから素晴らしい音楽性を感じる緻密なアンサンブル。それぞれの楽器の演奏のベクトルが完全に一致している素晴らしいアンサンブル。久々に聴く隙のない完璧なアンサンブル。これはただ者ではありません。現代楽器による演奏ですが、現代楽器であるとか古楽器であるとかの区別を超えた素晴らしい音楽性。ただただ緊密な響きに身を任せたくなる安定感抜群の響き。全奏者が余裕たっぷりに軽々と、しかしアンサンブルの精度に神経を尖らせて弾いている様子がつたわるようですね。力が入る部分の力感も弓を引く筋肉の動きが見えるような精緻なもの。ヴァイオリンが巧いのはよくありますがチェロの音程とフレージングが素晴らしいですね。
2楽章アダージョはヴァイオリンの美しい高音の伸びやかな音、緻密な音量コントロールが素晴らしいですね。息をひそめて聴く絶妙の緊張感。
3楽章のメヌエットはさりげないメロディーラインですが、ゆったりしたテンポで表情たっぷりに弾き進んでいき、楽器がひとつひとつ重なっていく様、メロディーの絡み合う様を堪能できる素晴らしい演奏。非常にしなやかな演奏。個性的に過ぎもせず、単調さもない普通の演奏なんですが、千変万化する表情の変化と素晴らしい安定感によって、曲自身の美しさに没入できる演奏といえば良いでしょうか。
4楽章は予想に反して落ち着き払った入り。各奏者がアンサンブルを楽しんでいるような絡み合い。終盤音量を落とすところからのテンポアップと表情の変化の幅を大きく取ったフィニッシュはこれまでの素晴らしい演奏の締めくくりに相応しい終結。

いやいや、素晴らしいクァルテット。絶品です。パーフェクトの出来。このデリアン四重奏団、素晴らしい才能の持ち主たちと見ました。全集とはいわずとも、ハイドンの続編を期待したいところ。次のピアノ協奏曲のレビューに移りたいんですが、記事を分けて、明日続きを。今日の「日の出」はもちろん[+++++]。この素晴らしい出来はハイドンの室内楽の入門盤としてもいうことなし。こうした素晴らしい演奏でハイドンの音楽の魅力を理解する人が一人でも多く生まれることを願うばかり。ハイドン入門者向けタグも進呈です。
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