作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ハーデンベルガー、マリナー/ASMFのトランペット協奏曲

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今日は久々のトランペット協奏曲。

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先日マリナー/ASMFの天地創造のオケがあまりに良かったので、マリナー盤を見繕っていたところ、未整理盤の中にトランペット協奏曲が。マリナーの四季も取り上げたいアルバムなんですが、平日に取り上げるには大作すぎということで、こちらとしました。

トランペットは、ホーカン・ハーデンベルガー(Håkan Hardenberger)、サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner)指揮のアカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin in the Fields)の演奏で、収録順にフンメル、ハーテル、シュターミッツ、ハイドンのトランペット協奏曲を収めたアルバム。録音は1986年10月で、ロンドンとだけ記載されています。

ハーデンベルガーは1961年、スウェーデンの最南端の街、マルメ(Malmö)生まれのトランぺッター。パリ国立音楽院でトランペットをピエール・ティボーに学んだとのこと。ジャケットの写真は若いですが、私と同世代。本人のサイトがありましたので張っておきましょう。

Håkan Hardenbergerのサイト(英文)

マリナーはもう紹介の必要はないでしょう。いちおう前記事へのリンクを張っておきましょう。

2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造-2
2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造

このアルバムのトランペット協奏曲、ハーデンベルガーの安定したトランペット、PHILIPSの心地よい録音、そしてマリナー/ASMFのキレの良いサポート。期待通りの素晴らしいアルバム。このアルバムに手を伸ばした人は、おそらく期待通りの演奏にほくそ笑みながら音楽を聴いたことでしょう。このようなこともプロダクツの重要な要件でしょう。

レビューはハイドンのトランペット協奏曲を。

1楽章は聴き慣れた柔らかいASMFの音色。フレーズをクッキリ浮かび上がらせ、愉悦感溢れるコントロールはマリナーならでは。ハーデンベルガーのトランペットは最初音が荒削りに聴こえますが、良く聴くと存在感のある厚い音。伴奏のマリナーのヴァイオリンの音階のクッキリとしたキレが最高。トランペットとオケのリズムはピタリと寄り添って一体感溢れる演奏。ハーデンベルガー、良いリズム感ですね。特に高音域の伸びと力強さが特徴でしょうか。カデンツァはハーデンベルガーオリジナル。良く伸びた高音のアクセントを効かせた意欲的なカデンツァ。トランペットの音の魅力をたっぷり味わえます。

2楽章のアンダンテ、ビロードのような極上の柔らかいオケの伴奏、マリナーならではの万全なサポート。オケにのってトランペットも音量を抑えながら息の長いフレーズをゆったり吹いていきます。トランペットとオケの溶け合う響きはやはり極上。この楽章はとろけそうな響きにノックアウト。

3楽章はふたたびマリナーのコントロールによるクッキリ浮かび上がるヴァイオリンを中心としたオケによる伴奏がいきなり印象的。トランペットの影でオケの各楽器が速いパッセージを抑えて弾くところなど、良く聴くとなかなかのテクニック。オケの響きが豊かなのはこうした控えにまわる楽器のコントロールの緻密さもあってでしょう。最後はトランペットの音量も上がり、抜群の存在感で曲を閉じます。最後まで期待に違わぬ素晴らしい演奏。

ハーデンベルガーのトランペットも見事、オケもマリナーのコントロールも見事と言うことなしの演奏。スリリングだったり恐いもの見たさだったり、聴いてみなければわからない演奏もいいものですが、このアルバムのように期待通りの演奏も捨て難いもの。ブログの読者の皆さんもマリナーといえばモーツァルトやハイドンの演奏を聴いたことがあるかと思いますが、想像通りの素晴らしい演奏といえばわかっていただけるでしょうか。

もちろん評価は[+++++]とします。

アルバム冒頭におかれたフンメルのトランペット協奏曲も同様の素晴らしさ。ハイドンの後任者としてエステルハージ家の楽長をつとめたフンメルの素晴らしい響きも極上の演奏で味わえます。
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