パトリシア・プティボンのアリア集
今日は久々のオペラアリア集です。

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パトリシア・プティボン(Patricia Petibon)の歌う、モーツァルト、ハイドン、グルックのオペラアリア集。指揮はダニエル・ハーディング(Daniel Harding)、オケは古楽器でコンチェルト・ケルンという組み合わせ。HMV ONLINEの情報によれば収録は2008年1月、ベルリンのEmil Berliner Studioで。
このアルバムはプティボンのDeutsche Grammophonへのデビュー盤とのこと。パトリシア・プティボンは1970年、パリの南の街モルタンジの生まれのソプラノ歌手。パリ国立高等音楽・舞踊学校を95年に首席で卒業。その後クリスティ、ガーディナー、ミンコフスキなど古楽器のオケ、指揮者などと共演してきたとのこと。40近くなってDeutsche Grammophonへデビューということで歌手としては遅咲きなのかもしれませんが、アルバムの力の入りようは流石一流レーベル。伴奏にハーディングをつけ、プティボンのアーティスティックな写真を多くあしらったセンスのよいプロダクツとして仕上がっています。
アルバムタイトルは”Amoureuses”(恋人たち)とのことで、恋の歌を(どうして私の「ことえり」は最初「鯉の歌」と変換するのでしょう!)集めたアルバム。
こうくると思い起こすのが、以前取り上げたヌリア・リアルのアリア集。素晴らしい企画力とヌリア・リアルの美しい声に圧倒されたアリア集でしたが、録音は同じく2008年。ハイドン没後200年を狙って録音されたものでしょうが、今日取り上げるプティボンはハイドンのみならずモーツァルトやグルックのアリアもまとめたものですのでハイドンのアニヴァーサリーという訳ではないでしょう。同じような企画が独墺系の大規模レーベルからリリースされているのは興味深いこと。あちらはクラシックのリリースが多いでしょうから沢山リリースされているアルアルバムのたまたま2枚かもしれませんが、ここは強引に関連ありとの前提で話をまとめたいと思います(笑) ノックアウトされた、ヌリア・リアルの記事もリンクを張っておきましょう。
2010/11/06 : ハイドン–オペラ : ヌリア・リアルのオペラ挿入アリア集
さてさて、名門Deutsche Grammophon期待の歌手、パトリシア・プティボンのアリア集はヌリア・リアルのアルバムを超えられるでしょうか?
このアルバムの収録曲目はHMV ONLINEのリンクをご覧ください。HMVのハイドン曲情報はちょっと間違ってます。トラック番号と曲名は次のとおり。曲ごとにレビューを書いておきます。
01 - 歌劇「月の世界」 Hob. XXVIII:7 - "Ragion nell'alma siede"(Flaminia)
アルバムの冒頭におかれた「月の世界」からのアリア。プティボンのソプラノは線は細いものの、コケティッシュな魅力もあり古楽器オケに合った声。ハーディングの伴奏は古楽器の爽やかなキレを感じさせるものですが、古楽器系の指揮者のリズム感とはちがい普段は現代オケを振っているハーディングならではの閃きを感じる伴奏。オケだけでも十分聴き応えのある演奏。途中のアクセントをかなり大胆につけるあたりは古楽器系の指揮者ではあまりやらないこと。
このあと、モーツァルトのコンサートアリア、魔笛から夜の女王のアリア、フィガロの結婚からのアリア、ルーチョ・シッラからのアリアがはさまり、ふたたびハイドンへ。夜の女王のアリアを聴くと素晴らしいテクニックと高音の伸びの持ち主であることがわかります。ハーディングも快心の伴奏。最高域はかなり線が細いですが音程の正確さは素晴らしいものがあります。流石DG、いい人に目を付けますね。
08 - 歌劇「薬剤師」 Hob.XX?:3 - "Salamelica, Semeprugna cara"(Volpino)
ビックリする曲調。トルコ趣味の曲。別の意味でハイドンの天才を感じる曲。2分弱の小曲。
10 - 歌劇「アルミーダ」 Hob.XX?:12 - "Odio, furor, dispetto"(Armida)
激しい曲調の絶叫系のアリア。テンポよく複雑な歌詞と音符を見事にコントロール。
11 - 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ,または哲学者の魂」Hob.XXVIII:13 "Del mio core il voto estremo"(Euridice)
一転してゆったりした艶やかなアリア。弱音のコントロールと間の表現が秀逸で3分少しの曲から深い情感が伝わる名唱です。ハーディングも非常にデリケートにコントロールしたオケで支えます。
12 - 歌劇「無人島」 Hob.XX?:9 - "Fra un dolce deliro"(Silvia)
ハイドン最後の曲は、ふたたび晴朗、素朴なハイドン特有の超絶的に美しい曲調。冒頭の曲とともにハイドンならではの心温まる歌が沁みます。
プティボンの歌は心に響く何かをもった素晴らしい歌。テクニックも十分、声の張り、艶も素晴らしく、容姿も端麗ときていますので、人気が出るのもわかります。ハイドン、モーツァルト、グルックの曲を集めたアリア集ということで、聴き進むとわかりますがやはりハイドンの晴朗な曲調とアリアの美しさは、モールァルトの閃きに満ちたメロディーと比較しても十分に美しく、人の声の魅力を伝えるという意味では素晴らしいもの。このアルバムのハイドンのアリアの評価は全曲[+++++]とします。
DGのプロデューサーに届くかどうかわかりませんが、プティボンのソプラノと古楽器系のオケで「アプラウス」とか「トビアの帰還」なんかが次の企画に良いと思うんですが、、、指揮は今回のハーディングとか、レーベルは違いますがルネ・ヤーコプスやクリスティなんかが合うと思います。戯言はこの辺で。

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パトリシア・プティボン(Patricia Petibon)の歌う、モーツァルト、ハイドン、グルックのオペラアリア集。指揮はダニエル・ハーディング(Daniel Harding)、オケは古楽器でコンチェルト・ケルンという組み合わせ。HMV ONLINEの情報によれば収録は2008年1月、ベルリンのEmil Berliner Studioで。
このアルバムはプティボンのDeutsche Grammophonへのデビュー盤とのこと。パトリシア・プティボンは1970年、パリの南の街モルタンジの生まれのソプラノ歌手。パリ国立高等音楽・舞踊学校を95年に首席で卒業。その後クリスティ、ガーディナー、ミンコフスキなど古楽器のオケ、指揮者などと共演してきたとのこと。40近くなってDeutsche Grammophonへデビューということで歌手としては遅咲きなのかもしれませんが、アルバムの力の入りようは流石一流レーベル。伴奏にハーディングをつけ、プティボンのアーティスティックな写真を多くあしらったセンスのよいプロダクツとして仕上がっています。
アルバムタイトルは”Amoureuses”(恋人たち)とのことで、恋の歌を(どうして私の「ことえり」は最初「鯉の歌」と変換するのでしょう!)集めたアルバム。
こうくると思い起こすのが、以前取り上げたヌリア・リアルのアリア集。素晴らしい企画力とヌリア・リアルの美しい声に圧倒されたアリア集でしたが、録音は同じく2008年。ハイドン没後200年を狙って録音されたものでしょうが、今日取り上げるプティボンはハイドンのみならずモーツァルトやグルックのアリアもまとめたものですのでハイドンのアニヴァーサリーという訳ではないでしょう。同じような企画が独墺系の大規模レーベルからリリースされているのは興味深いこと。あちらはクラシックのリリースが多いでしょうから沢山リリースされているアルアルバムのたまたま2枚かもしれませんが、ここは強引に関連ありとの前提で話をまとめたいと思います(笑) ノックアウトされた、ヌリア・リアルの記事もリンクを張っておきましょう。
2010/11/06 : ハイドン–オペラ : ヌリア・リアルのオペラ挿入アリア集
さてさて、名門Deutsche Grammophon期待の歌手、パトリシア・プティボンのアリア集はヌリア・リアルのアルバムを超えられるでしょうか?
このアルバムの収録曲目はHMV ONLINEのリンクをご覧ください。HMVのハイドン曲情報はちょっと間違ってます。トラック番号と曲名は次のとおり。曲ごとにレビューを書いておきます。
01 - 歌劇「月の世界」 Hob. XXVIII:7 - "Ragion nell'alma siede"(Flaminia)
アルバムの冒頭におかれた「月の世界」からのアリア。プティボンのソプラノは線は細いものの、コケティッシュな魅力もあり古楽器オケに合った声。ハーディングの伴奏は古楽器の爽やかなキレを感じさせるものですが、古楽器系の指揮者のリズム感とはちがい普段は現代オケを振っているハーディングならではの閃きを感じる伴奏。オケだけでも十分聴き応えのある演奏。途中のアクセントをかなり大胆につけるあたりは古楽器系の指揮者ではあまりやらないこと。
このあと、モーツァルトのコンサートアリア、魔笛から夜の女王のアリア、フィガロの結婚からのアリア、ルーチョ・シッラからのアリアがはさまり、ふたたびハイドンへ。夜の女王のアリアを聴くと素晴らしいテクニックと高音の伸びの持ち主であることがわかります。ハーディングも快心の伴奏。最高域はかなり線が細いですが音程の正確さは素晴らしいものがあります。流石DG、いい人に目を付けますね。
08 - 歌劇「薬剤師」 Hob.XX?:3 - "Salamelica, Semeprugna cara"(Volpino)
ビックリする曲調。トルコ趣味の曲。別の意味でハイドンの天才を感じる曲。2分弱の小曲。
10 - 歌劇「アルミーダ」 Hob.XX?:12 - "Odio, furor, dispetto"(Armida)
激しい曲調の絶叫系のアリア。テンポよく複雑な歌詞と音符を見事にコントロール。
11 - 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ,または哲学者の魂」Hob.XXVIII:13 "Del mio core il voto estremo"(Euridice)
一転してゆったりした艶やかなアリア。弱音のコントロールと間の表現が秀逸で3分少しの曲から深い情感が伝わる名唱です。ハーディングも非常にデリケートにコントロールしたオケで支えます。
12 - 歌劇「無人島」 Hob.XX?:9 - "Fra un dolce deliro"(Silvia)
ハイドン最後の曲は、ふたたび晴朗、素朴なハイドン特有の超絶的に美しい曲調。冒頭の曲とともにハイドンならではの心温まる歌が沁みます。
プティボンの歌は心に響く何かをもった素晴らしい歌。テクニックも十分、声の張り、艶も素晴らしく、容姿も端麗ときていますので、人気が出るのもわかります。ハイドン、モーツァルト、グルックの曲を集めたアリア集ということで、聴き進むとわかりますがやはりハイドンの晴朗な曲調とアリアの美しさは、モールァルトの閃きに満ちたメロディーと比較しても十分に美しく、人の声の魅力を伝えるという意味では素晴らしいもの。このアルバムのハイドンのアリアの評価は全曲[+++++]とします。
DGのプロデューサーに届くかどうかわかりませんが、プティボンのソプラノと古楽器系のオケで「アプラウス」とか「トビアの帰還」なんかが次の企画に良いと思うんですが、、、指揮は今回のハーディングとか、レーベルは違いますがルネ・ヤーコプスやクリスティなんかが合うと思います。戯言はこの辺で。
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