作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

クイケンのパリ交響曲集

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今日はクイケンのパリ交響曲集を。

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HMV ONLINEicon

これは現在入手可能なヴァージンでの録音集。26番、52盤、53番と82番から92番までの録音のセットもの。なぜか82番から87番の6曲のみオケがエイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団で、のこりはクイケンお抱えのラ・プティット・バンド。
このオケの違いが今回のポイント。

ちなみに、パリセットの方の旧盤のジャケット写真がネットでみつかりましたので、のせておきましょう。

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こちらが、82、83、84番。

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こちらが84、85、86番の方。

同じヴァージンでの録音の他の曲とよく聴き比べてみると、このパリセットの2枚の出来が目立っていいんです。本来クイケンが組織したラ・プティット・バンドの方がいいのではとの憶測も働くんですが、そうではない。

両者とも古楽器での演奏とうたわれていますが、オケの奏でる音響の自然さが明らかに違います。ラ・プティット・バンドの方が明らかに弦が金属っぽい響きの癖が強い。それにつられてフレージングや響きの自然さ、ニュアンスの豊かさが違います。
パリセットはクイケンのハイドンの最上の録音なんじゃないかと思います。

もともとクイケンの指揮は、癖のない淡々とした枯淡の境地のような特徴があり、ある意味もう一歩の没入というか、踏み込みを求めてしまうところがありますが、このパリセットは、響きの自然な美しさすばらしく、またフレージンングも端正さの極みというレベルまで達しており、古楽器によるパリ交響曲集の代表的名盤といえるでしょう。

オケの違いと、もう一つは録音サイト。パリセットの方はアビーロードスタジオ。
アビーロードスタジオと言えばビートルズなんでしょうが、ウェブサイトに行ってみると巨大なオーケストラ用のスタジオもあります。スタジオ1というのがそれです。このウェブサイトの写真には音楽の生まれるプロの現場が見えてわくわくします。

http://www.abbeyroad.com/studios/studio1/

パリセットの録音はオケの美しい響きが聴かれますが、このスタジオでの録音と音響処理によるものなんでしょう。ホールの空間そのもの音響のように巧く録られていますが、うちのオーディオセットでは、アムステルダムコンセルトヘボウのような極上の響きに聴こえます。
逆にその他はオランダ、アムステルダムそばのハールレムのDoopsgezinde Gemeentekerkというところの録音。ドイツハルモニアムンディのザロモンセットの録音場所もここであることからラ・プティット・バンドのいつもの録音場所ということでしょう。ヴァージンによるこちらの録音の方は、アビーロードスタジオと比べる響きが足りず、また堅さも感じられ、逆に少々響きに不自然さを感じてしまいます。
聴いている装置にもよるとおもいますが、こうした音質の違いも演奏の評価と切り離せませんね。

ザロモンセットの方はレーベルが異なりドイツハルモニアムンディでもあり、録音もパリセットよりも新しいものですので、だいぶ改善されていますから、要は録り方ということなんだと思います。こちらの方はまた別の機会に取り上げましょう。
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