作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

シューリヒトの「ロンドン」(MEMORIES REVERENCE)

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今日は昨日につづきシューリヒトの「ロンドン」。

SchurichtMemories.jpg
HMV ONLINEicon

昨日書いたように手元にはシューリヒトのロンドンは3組のアルバムがあります。

・Schuricht, Suttgart Radio Symphony Orchestra (10 September 1952) [7'23/6'45/4'52/5'06] DISQUES REFRAIN DR 920027
・Schuricht, Orchestre National de L'ORTF (September 1955/Live) [11'02/11'27/8'04/7'14] MEMORIES REVERTENCE MR 2020/21
・Schuricht, Orchestre National de France (September 1955) [8'04/7'14/4'50/4'49] VIRTUOSO 94012

今日はその2番目の演奏。フランス国立放送管弦楽団との演奏で1955年9月のパリでのライヴを収めたもの。ちなみに3番目の演奏は同じオケですがオケ自体の名称が1975年に変わり、現在はフランス国立管弦楽団となっていますので両者は同じオケの当時の名称と現在の名称のちがい。同年同月の演奏ですが、ジャケットに表記されたタイミングがだいぶ前者の方が遅い演奏です。これだけタイミングが違うとさぞかし異なる演奏だろうと両方を比べてみると、、、 ほとんどと言うか、全く同じ演奏に聴こえます。もしやと思い実際の演奏時間をCDプレーヤーの時間表示とにらめっこで確認してみると、2番目のアルバムの演奏時間は間違っており、ほぼ3番目のアルバムと同じタイミングと判明。よって両者は同じ演奏ということとみなして良さそうです。所有盤リストのタイミング表記を直さなくてはなりませんね。よって上のリストのタイミングを直した表記を並べると下記のようになります。

・Schuricht, Suttgart Radio Symphony Orchestra (10 September 1952) [7'23/6'45/4'52/5'06] DISQUES REFRAIN DR 920027
・Schuricht, Orchestre National de L'ORTF (September 1955/Live) [8'04/7'14/4'50/4'49] MEMORIES REVERTENCE MR 2020/21
・Schuricht, Orchestre National de France (September 1955/Live) [8'04/7'14/4'50/4'49] VIRTUOSO 94012

2番目と3番目の演奏は録音状況がかなり似ているので、レビューは入手しやすい現役盤である2番目の演奏を取り上げましょう。

最も気になるのは昨日取り上げたシュトゥットガルト放送響との演奏、録音の違いですね。録音から言うと、昨日の演奏の方が鮮明度は上ながらちょっと音が固く、厚みにかける印象があります。今日取り上げるフランス国立放送管の方が、少しこもり気味ながら、厚みとスケール感、やわらさかを感じる録音。どちらもモノラルながら聴きやすい音なので鑑賞に問題ありません。どちらかというと今日取り上げたフランス国立放送管盤の方が曲調に合っているという印象が残ります。
演奏自体もタイミングを見てわかるとおり、若干フランス国立放送管盤のほうが前半2楽章がゆったり目で、終楽章は逆に早めとなるなど、テンポのメリハリをつけた演奏になります。厚めの音響のせいか、余裕ある音響でロンドンの風格も表現しているようですね。

1楽章はフレージングはシュトゥットガルト放送響盤と非常に似ていますが、厚みと余裕はフランス国立放送管盤が上回る感じです。厳かな雰囲気の序奏が進み、主題に入るところは昨日の微風とは異なり非常にテンポを落としてゆったり感満点の入り。主題の提示以後は徐々にテンポを戻して、少し溜を効かせながらクライマックスまで持っていきます。
2楽章のアンダンテは、何もしていないようで微妙なニュアンスが千変万化する素晴らしいアンダンテ。シューリヒトの自然な魅力と天才がもっともよく現れた楽章だと思います。オケも粗いことは粗いですが、その粗さがマイナスに働かないのが凄いところ。全員でごしごし弾いている感じとソロがひっそり弾く部分との対比がとってもいいです。これ以上自然な演奏は無理なのではと思わせる無為さ。
3楽章のメヌエット。2楽章の集中を持続したままオケがテンションを上げています。自然さが基調をなす演奏。この演奏の聴き所はメリハリではなく、アクセントをつけないメロディーの部分の素朴な美しさにあると言えるでしょう。
フィナーレは遠くから聴こえてくるメロディーがこだまするように始まりますが、作為のない素朴で自然な演奏。テンポも程よく上がり勢いもまずまず。

昨日取り上げたシュトゥットガルト放送響との演奏とはまた聴き所が異なる演奏。シューリヒトの特徴である無為ともいえる究極の自然さ、ゆったりしたオケの奏でる盛り上がり、一貫した表情、そして終楽章の盛り上がりなどは今日のアルバムの方の演奏の美点。昨日は泣く泣く[++++]としましたが、この演奏は[+++++]とします。人によってはタイトなシュトゥットガルト盤を推す人もあるかもしれませんが、私はパリ国立放送管盤を推したいと思います。
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