作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

アルテュール・グリュミオーのヴァイオリン協奏曲

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さきほど実家から戻ってきました。程よく酔っぱらっていましたが、覚めてきてもいます(笑)
今日最後の更新はこのアルバム。未整理盤ボックスに入っていたCDです。

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amazon / HMV ONLINEicon(ほぼ同内容の輸入盤)

いくつか前の記事で、フリードリヒ・グルダの息子であるパウル・グルダとグリュミオーの弟子であるモンドロシキェビィツのヴァイオリンソナタの演奏を取り上げましたが、久々にグリュミオーの図太いヴァイオリンの音色を聴いてみたいと思い、探していたところちょうど未整理のものがあったので取り上げたという訳。

アルテュール・グリュミュオー(Arthur Grumiaux)のヴァイオリン、レイモン・レッパード指揮のイギリス室内管弦楽団の演奏でハイドンのヴァイオリン協奏曲1番(Hob.VIIa:1)、同じくオケのみニュー・フィルハーモニア管弦楽団の演奏でハイドンのヴァイオリン協奏曲4番(Hob.VIIa:4)、他にミヒャエル・ハイドンのヴァイオリン協奏曲の3曲を収めたアルバム。ミヒャエル・ハイドンの方はエド・デ・ワールト指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。録音は1番が1964年6月、4番が1967年4月5日~11日、何れもロンドンでとだけ表記されています。手元のアルバムは1998年発売のPHILIPSの国内盤CDになります。

グリュミオーはご存知の方が多いと思いますが、1921年ベルギーに生まれたヴァイオリニスト。幼い頃からヴァイオリンとピアノを学び、11歳でヴァイオリンを志すように。その後パリに留学しジョルジュ・エネスコに教えを乞いヴァイオリンの腕を磨いたようです。戦後名声を博するようになり、クララ・ハスキルと組んでリサイタルを開くなどして活躍した人。亡くなったのは1986年。

グリュミオーと言えばハスキルとのモーツァルトのヴァイオリンソナタ。この演奏を超える演奏はぜったいにあり得ないような奇跡的な演奏といえばいいでしょうか。PHILIPSの名録音もあって、手元の2枚のアルバムは宝物のような存在です。ハスキルの詩情溢れるピアノとグリュミオーの図太い美音。典雅とはこの演奏のためにあるような言葉でしょう。

さて今日取り上げるハイドンのヴァイオリン協奏曲2曲もグリュミオーの美しいヴァイオリンの音の魅力に溢れたものでした。

まずは1番の方から。冒頭からグリュミオーにしか出せない伸びも厚みもある美音のヴァイオリンに釘付けです。特に糸を引くような高音域の伸びは素晴らしいですね。テンポは中庸、あわてずゆったり過ぎず、レッパードもグリュミオーの演奏に合わせることを主眼におくような落ち着いた伴奏。残響が比較的多めでゆったりしながらもヴァイオリンの存在感はカチッと決まった録音。主役は完全にグリュミオー。テンポや勢いではなく美音の存在感で際立つ感じですね。フレージングは少しあっさりしているように感じなくはないですが、この美音に小細工は不要だと思います。カデンツァはグリュミュオー自身のもので転調を巧く使ったなかなかのもの。1楽章は落ち着いて終了。
2楽章のアダージョはグリュミオーの美音の魅力が最大限に発揮されたもの。冒頭から弦のピチカートにのって流麗なヴァイオリンによるメロディーが続きます。ヴィブラートかかったヴァイオリンのメロディーの美しさは異次元のもの。この楽章はトゥオネラの白鳥のような宇宙すら感じさせる究極の美音を堪能。最後は静寂の中にヴァイオリンが消え入ります。
3楽章はレッパードの率いるオケが少し前に出て、ヴァイオリンをキレの良いオケで支えます。次第にヴァイオリンの美音の存在が前に出ていき、主導権を握るようになります。オケとの掛け合いも落ち着いた中での掛け合いといった範疇ゆえ、スリリングという感じではありません。テンポもまくることなくヴァイオリンのひたすら美しい音に打たれながらフィニッシュです。

もう一曲の4番の方も続けてレビューしようと思ったのですが、日をまたいでしまいそうなので、今日は1曲のみにしておきましょう。評価は2曲とも[+++++]としておきます。よく聴くと協奏曲の伴奏を担当するオケの方は最高評価というレベルではないんですが、この演奏はやはりグリュミオーの美音を堪能すべき演奏ですので、先の評価としておきます。

明日からまた忙しそうですので更新は毎日とは行かないと思いますが、なるべく良い演奏を取り上げていきたいと思いますので、皆様よろしくお願いいたします。
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