作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ウィーン・フィルハーモニア三重奏団の弦楽三重奏曲集 Vol.1

0
0
ご無沙汰しております。相変わらず仕事が忙しく平日は帰りが10時過ぎ。ブログの記事を書くにはちょっと遅いですね。今日は久々のお休みでゆっくりさせていただきました。

今日は最近手に入れてたんですが、聴いていなかった大物を取り上げます。

WienerTroSet.jpg
HMV ONLINEicon / amazon

カメラータ・トウキョウからリリースされていたハイドンの弦楽三重奏曲集。以前よりVol.1~Vol.6のバラと6枚をセットしたものがリリースされていましたが、しばらく6枚組の方が流通していなかったようです。これが最近再販されネットショップや店頭でも見かけるようになりました。未入手で気になっていたアルバムなので、早速HMV ONLINEで注文して届いたもの。6枚組はバラをそのままボックスにパッケージした、所謂なんちゃってボックス。今日はその中らからVol.1を取り上げます。

演奏はウィーン・フィルハーモニア弦楽三重奏団。1994年にウィーンフィルのメンバーによって設立された三重奏団。ウィーンフィルの名ヴァイオリニストのペーター・ヴェヒター(Peter Wächter)、ヴィオラはトビアス・リー(Tobias Lea)、チェロのタマーシュ・ヴァルガ(Tamás Varga)の3名によるトリオですが、曲自体がヴァイオリンとヴィオラ、チェロの組み合わせによるものは1曲のみゆえ、ほとんどの曲をヴィオラに代わって第2ヴァイオリンをトーマス・ヴィンクラット(Tomás Vinklát)が弾いています。

ハイドンの室内楽といえば弦楽四重奏曲かピアノトリオ、もしくはバリトントリオが有名ですが、弦楽三重奏曲というのはあまりなじみがありません。このアルバムの他に数枚の弦楽三重奏曲のアルバムを持っていますが、あまりちゃんと聴き込んでいなかったため、このアルバムは新たな名曲が含まれているのではないかという期待も合って楽しみにしてたものです。

ライナーノーツによれば弦楽三重奏曲の作曲年代はほぼすべての曲が1762年から67年の間。この頃はハイドンが1766年にエステルハージ家の楽長に就任する頃、その前の副楽長時代。今回のアルバムセット6枚に含まれるのは31曲。今日紹介するアルバムに含まれているHob.V:8のみヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの組み合わせですが、その他の曲はヴァイオリン×2、チェロの組み合わせ。聴き比べるとヴァイオリンとヴィオラの違いだけで響きも少し違うのが面白いところ。

今日取り上げるアルバムには5曲の弦楽三重奏曲が収められています。弦楽三重奏曲はホーボーケン番号と作曲順に明解な関係はない模様で、このアルバムに収められたものが初期のものというわけではありません。

演奏は最近の録音らしく鮮明かつクリアな音響で、繊細な弦楽器のトリオの精妙なアンサンブルが録られているため音質的にはすばらしい録音。クッキリ浮かび上がるヴァイオリンの美音。少し細身の響きがクッキリ感を強調しています。演奏的にも第1ヴァイオリンのクッキリしたメロディーラインを強調したもの。第2ヴァイオリンは逆に第1ヴァイオリンを支える伴奏役に徹するような展開が多く、チェロはさらに淡々と伴奏に徹するような感じです。アンサンブルはオケの団員の演奏らしく、個性を強調したアンサンブルではなく、音符に忠実な演奏で、流石ウィーフィルのトップ奏者の組み合わせ故、クォリティは抜群です。

収録曲目は弦楽三重奏曲V:1、V:2、V:3、V:4、V:8の5曲。基本的に弦楽四重奏曲ほどの構成感の芽生えはまだで、それぞれの楽器の掛け合いもほどほど。練習曲とはいいませんが、技巧的にはそれほど難しい曲ではないと思います。ヴァイオリンの透明感溢れる美音と弦楽器の織りなすメロディーの妙を楽しむというのがこのアルバムの聴き所だと思います。V:1、V:2、V:3の3曲はアダージョではじまり、2楽章はアレグロ、3楽章がメヌエットという構成。中でもV:3が短調ということで、メロディーの暗さをともなった美しさが印象的な曲。V:4はアレグロ、アダージョ・カンタービレ、プレストというある意味普通な構成に。そしてV:8はヴィオラが登場して、アダージョ、メヌエット、プレストという流れ。

演奏はウィーンフィルの団員のアンサンブルらしく、弦楽器の美しさとアンサンブルの面白さが凝縮された名演奏ということが出来ると思います。特段個性的な部分はほとんどなく、楽譜のままにしっかり弾いていくところはまさにオケの団員ならでは安心感。3つの弦楽器の織りなす突き詰めた美しさとともに、安心して聴ける安定感もあります。おそらく弦楽器を弾く人には伸びのある美音が素晴らしく魅力的な演奏に写るのではないでしょうか。逆にアンサンブルとして火花散る緊迫感というか、掛け合いの妙を表すようなスリリングな要素はほとんどなく、サロンでゆったり楽しむような音楽という風情です。これも室内楽の悦びを伝える演奏としては素晴らしいものです。

私も気に入りました。もうじき爆発期に入るハイドンの最も創造性に溢れる時期の少し前にハイドンが何を書いていたかという意味で、それぞれの曲に、この後の創造の萌芽がみられるような気がします。今日は曲ごとのレビューには入らずにおきましょう。全体を聴き通したらおすすめの曲とか演奏について取り上げたいと思います。今日のアルバムに収録された曲の評価はすべて[++++]とします。

このシリーズの演奏は今日すべて所有盤リストのChamber Music - 1に登録しました。こうゆう作業はお休みの日にしか出来ませんので。
関連記事

0 Comments

There are no comments yet.