トスカニーニのホルン信号1938年ライヴ
今日はトスカニーニを取り上げましょう。手に入れたのはおそらく20年近く前の古いアルバム。

アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini)指揮のNBC交響楽団の演奏で、モーツァルトのファゴット協奏曲、ハイドンのセレナーデで知られるホフシュテッターのセレナーデ、ハイドンの交響曲31番「ホルン信号」、そしてハイドンの協奏交響曲の4曲を収めたアルバム。手元のアルバムはMEMORIESというイタリアミラノ北のコモという街(コモ湖で有名)のレーベル。このレーベル昔は店頭でよく見たんですが、最近見かけないところをみるとなくなってしまったんでしょうか。
今日はこの中から時間の関係で交響曲31番「ホルン信号」を取り上げます。ホルン信号の録音は1938年10月29日、ニューヨークでのコンサートの模様を収めたライヴ録音。別のアルバム(NAXOS盤)にはこの日のコンサートそのものを収めたものがあり、当日は1曲目がバッハのブランデンブルク協奏曲2番、そしてホルン信号、チャイコフスキーの悲愴というプログラムだったようです。
すでに70年以上経過した録音ですが、そう思わせないすばらしい音。またトスカニーニ71歳の録音でもあります。この演奏はいろいろなレーベルからリリースされてきたようですが、現在は著作権の関係でネット上でも演奏が聴けるようですね。手元の3種のアルバムの中ではこのMEMORIES盤がもっとも音が聴きやすいため愛聴しています。
トスカニーニは知らない人はいないでしょう。1867年イタリアのミラノとボローニャの間のパルマに生まれた指揮者。最初はチェロを学んでいたようですが、南米への演奏旅行中に指揮者の代役を務める機会があり、それを機に指揮者に転向。その後ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、ニューヨークフィルなどの音楽監督を歴任し、この演奏の前年の1937年に、ムッソリーニの独裁政権に反対してアメリカへ亡命。その後NBC交響楽団が創立され復帰。まさにこの演奏の前年のことのようです。その演奏は皆さんご存知のとおり、新即物主義と呼ばれ、速めのテンポでぐいぐい引っ張る演奏が特徴。
NBC交響楽団とはまとまった録音がリリースされていますので、多くの方が聴かれているでしょう。ただしRCAからリリースされている録音はデッドで痩せた音のものが多く、トスカニーニの演奏の特徴をよく表していると同時に聴き疲れするというかちょっときつい音のものが多く、演奏自体を楽しめないような印象もつきまとっていたのが正直なところ。この辺が、SPやLPで同時代的にトスカニーニを聴かれた世代の方と最近CDでトスカニーニを聴かれている方の大きな印象の差を生んでいるような気がしてます。
さてさて、曲のレビューに移りましょう。
1楽章の冒頭からエネルギー感あふれる演奏。トスカニーニ特有の鋼のような響きのオケが畳み掛けるように超インテンポでもの凄い推進力。もちろんヒストリカルなアルバム故、音が良い訳ではありませんが1938年のライヴということが信じられないような厚みも柔らかさもある自然な音響。速いテンポでまくしたてるような感じもありますが、嫌みなほどではなく、推進力の大きな要因になっているところがトスカニーニの凄いところ。
2楽章は冒頭からホルンが裏返る部分もありますが、オケの各楽器の出来もよく、厚みもある自然なオケの音色の魅力で十分うっとり出来ます。この楽章はインテンポながらだいぶその度合いをおさえているように思えます。瑞々しいヴァイオリンの音色、非常に自然な音場などによって非常に完成度の高い演奏。
3楽章のメヌエットは多少レガートを効かせているようですが、テンポに推進力があるため、筋が一本通った演奏。オケの強奏と独奏の対比も申し分ないです。
終楽章は冒頭の弦の有名なメロディーラインを厳かに弾き始め、それを保ちながら各楽器が重なっていきます。全体の統制と各楽器のコンビネーションは素晴らしいものがあります。テンポは遅めというよりはあえてゆったり感を十分に意識した展開。最後は万来の拍手で終了。
評価は[+++++]。この曲は同曲の別の収録のCDが出まわっていますが、非常に聴きやすい録音のせいか、いろいろ聴く限りこのアルバムが最も生き生きとした音に聴こえます。演奏を聴く限り、他の演奏とはかなり異なるトスカニーニの色濃い特徴があり、私自身トスカニーニの演奏が最も良く感じられる演奏の一つだと思ってます。トスカニーニの他の演奏をいろいろ聴き込んでいるわけではありませんので、マニアの方からはまた違った角度の意見があるかもしれませんね。
短いレビューで恐縮ですが、、、明日取り上げるアルバムも探しておかなくては。

アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini)指揮のNBC交響楽団の演奏で、モーツァルトのファゴット協奏曲、ハイドンのセレナーデで知られるホフシュテッターのセレナーデ、ハイドンの交響曲31番「ホルン信号」、そしてハイドンの協奏交響曲の4曲を収めたアルバム。手元のアルバムはMEMORIESというイタリアミラノ北のコモという街(コモ湖で有名)のレーベル。このレーベル昔は店頭でよく見たんですが、最近見かけないところをみるとなくなってしまったんでしょうか。
今日はこの中から時間の関係で交響曲31番「ホルン信号」を取り上げます。ホルン信号の録音は1938年10月29日、ニューヨークでのコンサートの模様を収めたライヴ録音。別のアルバム(NAXOS盤)にはこの日のコンサートそのものを収めたものがあり、当日は1曲目がバッハのブランデンブルク協奏曲2番、そしてホルン信号、チャイコフスキーの悲愴というプログラムだったようです。
すでに70年以上経過した録音ですが、そう思わせないすばらしい音。またトスカニーニ71歳の録音でもあります。この演奏はいろいろなレーベルからリリースされてきたようですが、現在は著作権の関係でネット上でも演奏が聴けるようですね。手元の3種のアルバムの中ではこのMEMORIES盤がもっとも音が聴きやすいため愛聴しています。
トスカニーニは知らない人はいないでしょう。1867年イタリアのミラノとボローニャの間のパルマに生まれた指揮者。最初はチェロを学んでいたようですが、南米への演奏旅行中に指揮者の代役を務める機会があり、それを機に指揮者に転向。その後ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、ニューヨークフィルなどの音楽監督を歴任し、この演奏の前年の1937年に、ムッソリーニの独裁政権に反対してアメリカへ亡命。その後NBC交響楽団が創立され復帰。まさにこの演奏の前年のことのようです。その演奏は皆さんご存知のとおり、新即物主義と呼ばれ、速めのテンポでぐいぐい引っ張る演奏が特徴。
NBC交響楽団とはまとまった録音がリリースされていますので、多くの方が聴かれているでしょう。ただしRCAからリリースされている録音はデッドで痩せた音のものが多く、トスカニーニの演奏の特徴をよく表していると同時に聴き疲れするというかちょっときつい音のものが多く、演奏自体を楽しめないような印象もつきまとっていたのが正直なところ。この辺が、SPやLPで同時代的にトスカニーニを聴かれた世代の方と最近CDでトスカニーニを聴かれている方の大きな印象の差を生んでいるような気がしてます。
さてさて、曲のレビューに移りましょう。
1楽章の冒頭からエネルギー感あふれる演奏。トスカニーニ特有の鋼のような響きのオケが畳み掛けるように超インテンポでもの凄い推進力。もちろんヒストリカルなアルバム故、音が良い訳ではありませんが1938年のライヴということが信じられないような厚みも柔らかさもある自然な音響。速いテンポでまくしたてるような感じもありますが、嫌みなほどではなく、推進力の大きな要因になっているところがトスカニーニの凄いところ。
2楽章は冒頭からホルンが裏返る部分もありますが、オケの各楽器の出来もよく、厚みもある自然なオケの音色の魅力で十分うっとり出来ます。この楽章はインテンポながらだいぶその度合いをおさえているように思えます。瑞々しいヴァイオリンの音色、非常に自然な音場などによって非常に完成度の高い演奏。
3楽章のメヌエットは多少レガートを効かせているようですが、テンポに推進力があるため、筋が一本通った演奏。オケの強奏と独奏の対比も申し分ないです。
終楽章は冒頭の弦の有名なメロディーラインを厳かに弾き始め、それを保ちながら各楽器が重なっていきます。全体の統制と各楽器のコンビネーションは素晴らしいものがあります。テンポは遅めというよりはあえてゆったり感を十分に意識した展開。最後は万来の拍手で終了。
評価は[+++++]。この曲は同曲の別の収録のCDが出まわっていますが、非常に聴きやすい録音のせいか、いろいろ聴く限りこのアルバムが最も生き生きとした音に聴こえます。演奏を聴く限り、他の演奏とはかなり異なるトスカニーニの色濃い特徴があり、私自身トスカニーニの演奏が最も良く感じられる演奏の一つだと思ってます。トスカニーニの他の演奏をいろいろ聴き込んでいるわけではありませんので、マニアの方からはまた違った角度の意見があるかもしれませんね。
短いレビューで恐縮ですが、、、明日取り上げるアルバムも探しておかなくては。
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