作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

アダム・フィッシャーのマーキュリー、悲しみ、告別

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今日は久しぶりに原点にもどって、アダム・フィッシャーの交響曲全集BOXから。

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交響曲全集としては、入手しやすさと価格の安さも手伝って多くの人が手に入れるアルバムであることは間違いありません。みなさんがよく聴かれているこの全集ですが、実は当ブログではちゃんと取り上げてきておりません。もちろん全集としておすすめ盤ではありますが、最近いろいろなアルバムをレビューして、耳の方も肥えて参りましたゆえ、全集の中から興味のある曲を取り出して、掘り下げてレビューしてみようとの意図です。

今日はボックスを開けて、43番、44番、45番と有名曲を集めた1枚を取り出してみました。CD12になります。

さて、この演奏の情報をおさらいしておきましょう。アダム・フィッシャー(Adam Fischer)指揮のオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団(Austro-Hungarian Haydn Orchestra)の演奏でハイドンのシュトルム・ウント・ドラング期の傑作交響曲、43番「マーキュリー」、44番「悲しみ」、45番「告別」の3曲。録音は43番、44番が1994年、告別が1988年とちょっと古く、サイトはオーストリアのアイゼンシュタットにあるエステルハージ宮のハイドンホール。ご存知のようにこのアルバムはつぶれてしまった英Nimbusレーベルが録音したものを、廉価盤の雄、Brilliant Classicsがボックスにしてリリースしたもの。

アダム・フィッシャーについては以前、全集後に再録音スタートしたザロモンセットのアルバムを取り上げていますので、そちらの情報はリンクをご覧ください。

ハイドン音盤倉庫:アダム・フィッシャー全集その後

久しぶりに取り出して聴いたこのアルバム。全般的に言えることは、生気に富んだ非常に素朴で自然な演奏ということ。オケの技術的な面は、よりすぐれたオケは沢山ありますし、よく触れられる録音面も、決して良い録音ではないんですが、ハイドンの演奏に全精力を傾けていたこの時期の演奏のエネルギーによって、あまり気にならないのが正直なところ。やはり全集をリリースする気迫が宿っているのということでしょう。

1曲目の43番「マーキュリー」。

冒頭の穏やかなメロディーの序奏から快速テンポな主題に入り、活き活きととしたオーケストラのエネルギー迸ります。オケの響きはちょっと混濁感はあるものの木質系の素朴な響き。残響は少なめの収録ながらデッドな録音という印象はない不思議な録音。素朴ながらフレーズのメリハリがはっきりしていて曲の構造が解りやすいのが特徴でしょう。2楽章は、自然なフレージングによってハイドンの美しいメロディーラインが引き立ちます。3楽章のメヌエットは曲のスケールに合った自然な演奏。これがなかなか出来ないんですね。フィナーレに至るまで、非常に自然なテンポとフレージングが際立ちます。この曲はこう演奏するのが標準だと言わんばかりの自然さ。ある意味これ以上の演奏は必要ないと思わせる説得力もあります。

続いて44番「悲しみ」。

こちらも基本的に前曲同様の演奏なんですが、最近悲しみの名演奏をいくつも聴いている耳からすると、すこし演奏の粗さや、オケの粗さが気になってしまうのも正直なところ。あと悲しみにしては力感に主点をおいた演奏で、深い情感の表現よりも曲自体の音響としての迫力を出そうとの意図を感じます。1、2楽章はそのような印象が支配的。3楽章のアダージョに入りフィッシャーの良さがでた自然なフレージングの魅力が蘇ります。フィナーレは前楽章の濃い時間が効いて、畳み掛ける迫力が効果的。最後で締まりました。

最後は45番「告別」。

この曲のみ録音が前2曲よりも6年さかのぼり、演奏スタイルも少々異なります。速めのテンポで流麗なフレージング。音響的にも残響が多く、ホールの響きを生かした録音のため、解像感はすこし後退。演奏のエネルギーは変わらず、素晴らしい推進力で1楽章を進めます。この推進力は凄まじい! ライヴで聴いたら凄い迫力の演奏に違いありません。2楽章のアダージョは一転してつぶやくように遅めかつ表情も抑え気味に進め、音符の語る自然なメロディーを生かした演奏。3楽章のメヌエットも引き続き抑え気味。そして終楽章。前半は1楽章同様速めのテンポでエネルギーを十分に感じさせる演奏。そして楽器がだんだん少なくなっていく有名な後半は、ハイドンの時代にタイムスリップしてしまったような気になる演奏。当時の演奏がこのホールだったかどうかは知りませんが、ハイドンが長年忠誠を誓って仕えたエステルハージ家ゆかりのホールでの演奏ということを意識せざるを得ませんね。

評価は、マーキュリーが[+++++](アップ)、悲しみが[++++]、告別が[+++++]ということにしました。マーキュリーの評価を一段上げました。ハイドンの交響曲を14年かけて録音した全集ゆえ、録音年代によって演奏スタイルも変わっていくのはこのアルバムの聴き所でもあります。ハイドンの交響曲を、自然な演奏で聴かせるこの全集は、ドラティの燦然と輝く全集とともにおすすめの全集であることは間違いありません。



最後にアダム・フィッシャーとハイドンフィルの情報を付記しておきましょう。ご存知の方も多いと思いますが、ハイドンフィルにはファンクラブもあり、日本人の方がサイトを運営してらっしゃいます。

アダム・フィッシャー&ハイドンフィルハーモニーファンクラブ
ファンクラブサイト管理人haydnfilさんのブログ:クラシック追っかけ日記

ブログの方は、アダム・フィッシャーの情報のみならず、ヨーロッパの音楽事情などがよくわかるので、以前より当ブログのリンクに掲載させていただいていました。勝手リンクでスミマセンでした。


今日は、昨日につづきのんびりとした一日。マンションの屋内配管清掃工事などがあり出かける予定もいれられなかったため、午前中は配管工事に立ち会いながら、のんびりとレーゼルのピアノ協奏曲を楽しみながらブログの前記事を書いて過ごし、午後はいつも通りスポーツクラブでひと泳ぎ。夜は府中の伊勢丹に北海道物産展が来てましたので、海鮮弁当と串揚げ(こちらは北海道物産展とは関係ありません!)と日本酒を買って家でのんびり。

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まずはビールと串揚げで腹ごなし。ちょっと赤いのが東京では珍しい紅ショウガの串揚げ。他にタケノコ、鶉、アサリ、豚、牛など。ビールのつまみに良いですね。

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北海道物産展で美味しそうだった海鮮弁当。海鮮もおいしかったんですが、ご飯の味付けが絶妙で非常にいい味。お酒は宮城塩竈の浦霞の「寒(かん)おろし」を冷やで。簡単ですが非常に美味しかったので、海鮮弁当のお店のリンクを張っておきます。

札幌新琴似:雑魚亭(ざこてい)

百貨店の物産展まわりがメインの商売のようですが、これだけ美味しければ物産展では人気でしょう。結構おすすめです。

さて、今週も仕事が忙しそうですし、木曜、金曜と飲み会が入っていますので、ブログの更新がどれだけできますでしょうか。取り上げるアルバムを選ぶところが一番時間がかかります故、取り上げるアルバムを見繕って寝ることにします。
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