クララ・ハスキルのピアノソナタXVI:37
今日はクララ・ハスキルの数少ないハイドンの演奏を。

クララ・ハスキル(Clara Haskil)のピアノによる、1952年2月14日、オランダのアムステルダム近郊の街、ヒルフェルスムのカジノ・ヒルフェルスムでのコンサートの模様をライヴ収録したTAHRAのアルバム。曲目はバッハのトッカータとフーガ、シューマンの色とりどりの小品、ハイドンのピアノソナタ(XVI:37)、そしてシューベルトのピアノソナタD960の4曲。
ハスキルはモーツァルトのコンチェルトやソナタの演奏をかなり集めて聴きましたが、ハイドンの演奏はおそらくこのアルバムに収められた演奏と、アンダンテと変奏曲くらいしかないのではないかと思います。
ハスキルについてちょっとおさらいをしておきましょう。クララ・ハスキルは1895年、ルーマニアのブカレスト生まれのピアニスト。亡くなったのが1960年、65歳のこと。ブリュッセルの駅のホームから落下した時の怪我がもとで急死したとのこと。生まれつき虚弱体質だったようで、若い時はかなり苦労した模様。コンサートで人気を博するようになったのは戦後1950年以降ということで、亡くなるまでの10年間。このアルバムは57歳の時のもの。
ハスキルと言えばグリュミオーとのモーツァルトのヴァイオリンソナタの超絶的演奏が深く記憶に残っています。PHILIPSの素晴らしい録音で1950年代の録音というのが信じられないような鮮明かつ厚みのある素晴らしい音響。今でも時々取り出して聴く愛聴盤です。他にもモーツァルトのピアノ協奏曲の素晴らしい演奏がいろいろな指揮者とのライヴでリリースされています。ジュノーム、19番、23番など宝石のような素晴らしいピアノに心を奪われたものです。いまでもライヴ盤がいろいろリリースされていますので、ハスキルの人気は衰えていないんでしょう。
モーツァルトでは他の誰の演奏にも似ていない、孤高の詩情を聴かせたハスキルですが、ハイドンの演奏はどうでしょう。選曲はXVI:37ということで、ハイドンのソナタの中でも楽章間の対比の見事さと2楽章の深い情感で知られる名曲。これをハスキルがどう弾くかが興味の中心です。
1楽章は、ふと吹いてきた微風のように、速めのテンポでさらっと入ります。音質は解像力はほどほどでテープのものかヒスノイズがやや大きめですが、演奏を楽しむのに問題はありません。ハスキルらしく速めの打鍵でかちっとしたテンポ感よりもフレーズ単位のデュナーミクの変化の波で聴かせる演奏。ハイドンを弾いているというよりはやはりモーツァルトを弾いているような印象。かなり速めのテンポですが指が絡まるような雰囲気は皆無。あっという間に通り過ぎていきます。
2楽章のラルゴは1楽章の駆け抜けるような演奏を受けてぐっと沈み込むような曲想が魅力的なもの。ハスキルの醸し出す詩情はさっぱりしながらも深い情感をたたえた彼女独特のもの。練らないテンポ感、音符の指定するよりも一瞬早く鍵盤にふれるような常人には出来ないような演奏。過ぎ去っていく貴重な時間を未来から回想するような不思議な感覚。
3楽章は一音一音のメリハリをはっきりしながらも曲の柔らかい波に打たれるような演奏。普通の人には全く演奏できない不思議なピアノの演奏。この楽章も速めのテンポで一瞬のうちに終了。最後は拍手に包まれます。
やはり、ハスキルの詩情は素晴らしかったですね。このハイドンも誰にも真似の出来ないハスキルならではの演奏。評価は[+++++]としました。以前より評価アップです。ハイドンのソナタでこの曲を選んでくること自体、ハスキルの素晴らしい感性を感じます。
今日も仕事で帰宅がおそかったんですが、風呂に入ってゆったりしてからハスキルの音楽に身を任せていい気分。ようやく一週間が終了ですね。

クララ・ハスキル(Clara Haskil)のピアノによる、1952年2月14日、オランダのアムステルダム近郊の街、ヒルフェルスムのカジノ・ヒルフェルスムでのコンサートの模様をライヴ収録したTAHRAのアルバム。曲目はバッハのトッカータとフーガ、シューマンの色とりどりの小品、ハイドンのピアノソナタ(XVI:37)、そしてシューベルトのピアノソナタD960の4曲。
ハスキルはモーツァルトのコンチェルトやソナタの演奏をかなり集めて聴きましたが、ハイドンの演奏はおそらくこのアルバムに収められた演奏と、アンダンテと変奏曲くらいしかないのではないかと思います。
ハスキルについてちょっとおさらいをしておきましょう。クララ・ハスキルは1895年、ルーマニアのブカレスト生まれのピアニスト。亡くなったのが1960年、65歳のこと。ブリュッセルの駅のホームから落下した時の怪我がもとで急死したとのこと。生まれつき虚弱体質だったようで、若い時はかなり苦労した模様。コンサートで人気を博するようになったのは戦後1950年以降ということで、亡くなるまでの10年間。このアルバムは57歳の時のもの。
ハスキルと言えばグリュミオーとのモーツァルトのヴァイオリンソナタの超絶的演奏が深く記憶に残っています。PHILIPSの素晴らしい録音で1950年代の録音というのが信じられないような鮮明かつ厚みのある素晴らしい音響。今でも時々取り出して聴く愛聴盤です。他にもモーツァルトのピアノ協奏曲の素晴らしい演奏がいろいろな指揮者とのライヴでリリースされています。ジュノーム、19番、23番など宝石のような素晴らしいピアノに心を奪われたものです。いまでもライヴ盤がいろいろリリースされていますので、ハスキルの人気は衰えていないんでしょう。
モーツァルトでは他の誰の演奏にも似ていない、孤高の詩情を聴かせたハスキルですが、ハイドンの演奏はどうでしょう。選曲はXVI:37ということで、ハイドンのソナタの中でも楽章間の対比の見事さと2楽章の深い情感で知られる名曲。これをハスキルがどう弾くかが興味の中心です。
1楽章は、ふと吹いてきた微風のように、速めのテンポでさらっと入ります。音質は解像力はほどほどでテープのものかヒスノイズがやや大きめですが、演奏を楽しむのに問題はありません。ハスキルらしく速めの打鍵でかちっとしたテンポ感よりもフレーズ単位のデュナーミクの変化の波で聴かせる演奏。ハイドンを弾いているというよりはやはりモーツァルトを弾いているような印象。かなり速めのテンポですが指が絡まるような雰囲気は皆無。あっという間に通り過ぎていきます。
2楽章のラルゴは1楽章の駆け抜けるような演奏を受けてぐっと沈み込むような曲想が魅力的なもの。ハスキルの醸し出す詩情はさっぱりしながらも深い情感をたたえた彼女独特のもの。練らないテンポ感、音符の指定するよりも一瞬早く鍵盤にふれるような常人には出来ないような演奏。過ぎ去っていく貴重な時間を未来から回想するような不思議な感覚。
3楽章は一音一音のメリハリをはっきりしながらも曲の柔らかい波に打たれるような演奏。普通の人には全く演奏できない不思議なピアノの演奏。この楽章も速めのテンポで一瞬のうちに終了。最後は拍手に包まれます。
やはり、ハスキルの詩情は素晴らしかったですね。このハイドンも誰にも真似の出来ないハスキルならではの演奏。評価は[+++++]としました。以前より評価アップです。ハイドンのソナタでこの曲を選んでくること自体、ハスキルの素晴らしい感性を感じます。
今日も仕事で帰宅がおそかったんですが、風呂に入ってゆったりしてからハスキルの音楽に身を任せていい気分。ようやく一週間が終了ですね。
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