作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

コロリオフのピアノソナタ集

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今日は少し早く帰れましたが、それでも10時過ぎ、年明け早々忙しいです(涙)
週中で既に疲れ気味な私を癒してくれる音楽をさがしました。

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HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

エフゲニー・コロリオフ(Evgeni Koroliov)のピアノによるハイドンのピアノソナタ集。収録曲目はアンダンテと変奏曲(XVII:6)、ピアノソナタ(XVI:11)、ピアノソナタ(XVI:23)、ピアノソナタ(XVI:50)、ピアノソナタ(XVI:20)の5曲。2004年7月12日~14日、10月6日~7日の録音。録音サイトは記載されていません。レーベルはProfil。

コロリオフはHMV ONLINEだけでも25枚のアルバムがヒットするので、ピアニストとしては有名な人だと想像できますが、私は初めて聴く人。最近欲しいアルバムがマルチバイ割引になるようセットして、このアルバムともう一枚Profilからリリースされているアルバムが「在庫あり」だったためついでに入手したもの(スミマセン)。ところが、これがまた良い演奏なんですね。

1949年モスクワ生まれということで今年で61歳。この演奏の時は55歳ということで、ピアニストとしては円熟期でしょう。ロシアのチャイコフスキー音楽院などで学んだ後、1976年ユーゴスラビアに移住し、現在は世界的なピアニストとして活躍しているよう。特にバッハを得意としているようですね。この演奏の雰囲気からもバッハが得意なことは頷けます。

演奏は私の好きなつぶやき系の演奏。力みは一切なく、ピアノの鍵盤を七分の力でゆったりと弾くような演奏。しかも響きの変化を聴かせようとか、曲の構造を明確にしようなどといった意図もまったくないように、ただただ、淡々と楽譜を音にしていくような感じ。ちょっと聴いただけでも悟りきったような永久の諦観を感じるような演奏です。ハイドンがまるでバッハのように響きます。

1曲目は名曲アンダンテと変奏曲(XVII:6)。

ゆったりと誰もいない砂浜を散歩するような入り。徐々にダイナミックレンジが大きくなりますが、それでも7~8分に抑えて弾いていきます。音質はスタインウェイらしいキラメキ感のある非常に解像度の高い良い録音。少しヴォリュームを上げると部屋の中に最新のスタインウェイのコンサートグランドが出現するようなリアリティの高い音で、残響も適度で美しいもの。中盤をこえても散歩の足取りは一貫していて、ゆったりと、しかし確実な歩み。最後はようやく歩みを緩めて静寂に消え入ります。

これはなかなか通好みの演奏。派手さは全くないんですが、燻し銀というか、ピアノを聴く楽しみの神髄をえぐるというか、そういった種類の演奏。もちろんファースとチョイスに推す演奏ではありませんが、ピアノを聴く楽しみをよく知った人にこそ聴いてほしい佳演といったところでしょう。評価は[++++]とします。

続けたいのですが、今週はまだまだ忙しそうなので、早めに休ませていただき、残りは明日に譲ります。

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2 Comments

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yoshimi

地味ですが味わいのあるハイドンですね

こんにちは。
コロリオフのバッハはわりと好きなのでCDはいくつか持ってますが、このハイドンもクリアで硬質な打鍵で、旋律線がくっきり明瞭に浮かびあがるところは同じですね。
音質がとても良いので、コロリオフの音の美しさと、かもし出す雰囲気が良く伝わってくるようです。
バッハを弾く時ほどに、縦と横の線がクロスしたような構築性は強くはないですが、線はしっかりしたピアノなので、基本的な奏法はあまり変わらないようです。
コロリオフのバッハも、一般的にはあまり人気がないですが、バッハをかなり聴きこんだ人や専門家には評価が高いものです。

コロリオフのハイドンは、特に強いクセがなくて面白みがあるという感じではないので、一聴しただけでは見過ごされてしまうような演奏ですが、表現・情感に過剰さがないところは、ピアノのレッスンのお手本にぴったり。
”淡々と楽譜を音にしていく”と、まさにこういうハイドンになるに違いないと思います。(コロリオフのような透明感は、学習者レベルでは全然出せないでしょうけど)

表情豊かなハイドンばかり聴いた後にコロリオフを聴くと、澄んだ湖のような透明感と、不思議な静けさを感じます。これは”悟りきったような永久の諦観”なのかもしれません。
聴けば聴くほどじわ~っとした味わいがひろがってくるところが、おっしゃるように燻し銀的なハイドンですね。

Daisy

Re: 地味ですが味わいのあるハイドンですね

yoshimiさん、毎度コメントありがとうございます。

たしかに地味といえば地味ですね。記事を書くときに、yoshimiさんの好みかと思って書いていますが、やはり予想は的中しました(笑)。「クリアで硬質な打鍵」で、「澄んだ湖のような透明感と、不思議な静けさ」を感じますね。クリアなのに枯れているところが、常人には真似の出来ないところなんでしょうね。
コロリオフのハイドンを聴いていたら、やはりバッハが聴きたくなります。ハイドンよりも構築感があるとなるとこれは結構期待できますね。
鍵盤を叩くだけのピアノですが、奏者によって千変万化の響きが生み出される不思議な楽器ですね。私自身はネコ踏んじゃったもまともに弾けないレベルですが、弾く立場がわかるといっそう楽しめるじゃないかと想像してます。
ありきたりですが、ハイドンの録音はおそらくほとんどないものの、クララ・ハスキルは好きなピアニストの一人。モーツァルトのソナタや協奏曲はいろいろ集めて聴きました。yoshimiさんのブログで取り上げられたピアニストの録音もいろいろ聴いてみたいと思っています。

  • 2011/01/20 (Thu) 21:46
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