パブロ・カザルス指揮の驚愕、95番、告別-2
今日は昨日のつづきです。

TOWER RECORDS
昨日の記事はこちらをご覧ください。
ハイドン音盤倉庫:パブロ・カザルス指揮の驚愕、95番、告別
1曲目にもどって、交響曲94番「驚愕」。
こちらはマールボロ音楽祭でのが1967年7月9日の録音。告別の8年後の録音です。1楽章は響きの本質は告別と変わらないものの、オケの精度と録音の鮮明さが段違いにアップ。冒頭からオケにエネルギーが満ちあふれてます。以前取り上げたシャーンドル・ヴェーグの演奏も素晴らしいエネルギー感でしたが、ベクトルがだいぶ違って、タイトさよりも筋骨隆々系。セピア調の写真でみる昔のボディービルダーのよう。返す返すこれが91歳の指揮者のコントロールする音楽というのが信じ難いもの。
2楽章のビックリメロディー。テンポは中庸で、落ち着いた入りですが、ビックリ部分のオケの響きの分厚いこと。その後の変奏は力感たっぷりに進めます。特に力強いのが低音弦。弦楽器のコントロールは基本的ににじみのないすべての奏者のボウイングが合っているような統率のとれたもの。流石カザルスと言う部分でしょう。
3楽章のメヌエット。こちらは告別とは異なり一般的な範囲のテンポで推進力抜群の展開。というかまたもエネルギーが飛び散ってます。力感一方ではなく中間部の抑えた部分の抑え具合も秀逸故、繰り返し部分の力感がまた引き立ちます。
フィナーレは期待通り、主題に入り再度オケの力感が大爆発。序奏のメロディーの浮き立たせ方が巧いのでオケの強奏に入った時の対比効果が抜群。力まかせではないんですね。最後はエネルギーの坩堝。万来の拍手に迎えられます。驚愕はまさに驚愕の演奏。
2曲目は交響曲95番。1曲目の驚愕の前日の1967年7月8日の録音ゆえ似た傾向の演奏かと思いきや、1楽章の入りはかなりの溜めのきついフレージング。ちょっとくどいかなと思う寸前の溜め。力感も前曲ゆずりゆえかなり濃い口の演出に聴こえます。
2楽章のアダージョは一転、穏やかな表情の演奏。前半はソフトタッチの演奏で、展開部に入ると若干オケのテンションが上がりますが、ふたたび穏やかな表情に戻ります。
3楽章のメヌエットはタイトなオケの魅力が少しずつ顔をのぞかせます。カザルス独特の素晴らしいエネルギー感が徐々に現れ、オケも牙をむき始めます。
95番最大の聴き所のフィナーレ。沸き上がるエネルギーが突き抜けるでしょうか。演奏自体は素晴らしいエネルギー感ですが、テープの老朽化からか、この楽章のみ音が少々歪みっぽく、音程もほんのちょっと不安定な印象がのこってしまうのが惜しいところ。中盤以降の吹き上がる部分の演奏は最高なんですが、音響上の傷が惜しいところ。最後は前曲同様万来の拍手に迎えられます。LP時代にはこの曲がリリースされていたのにCDでは今回初リリースとのことですが、その理由がなんとなく解るような気がします。
カザルスによる素晴らしいハイドンの演奏ですが、評価は驚愕は文句なしに[+++++]、95番は1楽章のくどさと終楽章の歪みを考慮すると[+++]というところでしょうか。
やはり驚愕と告別をセットにして売り出したくなる気持ちはよくわかります。ちょっとした欠点はあるものの、このアルバムの聴き所は人間が91歳にもなって奏でる音楽の信じられないほどのエネルギーにあると思います。バッハの無伴奏チェロソナタを再発見したり、ピカソとならぶスペインを代表する芸術家という立場にあったりする20世紀の偉人カザルスがハイドンの名曲に正面から取り組んだ素晴らしいアルバムであることは間違いないですね。

昨日の記事はこちらをご覧ください。
ハイドン音盤倉庫:パブロ・カザルス指揮の驚愕、95番、告別
1曲目にもどって、交響曲94番「驚愕」。
こちらはマールボロ音楽祭でのが1967年7月9日の録音。告別の8年後の録音です。1楽章は響きの本質は告別と変わらないものの、オケの精度と録音の鮮明さが段違いにアップ。冒頭からオケにエネルギーが満ちあふれてます。以前取り上げたシャーンドル・ヴェーグの演奏も素晴らしいエネルギー感でしたが、ベクトルがだいぶ違って、タイトさよりも筋骨隆々系。セピア調の写真でみる昔のボディービルダーのよう。返す返すこれが91歳の指揮者のコントロールする音楽というのが信じ難いもの。
2楽章のビックリメロディー。テンポは中庸で、落ち着いた入りですが、ビックリ部分のオケの響きの分厚いこと。その後の変奏は力感たっぷりに進めます。特に力強いのが低音弦。弦楽器のコントロールは基本的ににじみのないすべての奏者のボウイングが合っているような統率のとれたもの。流石カザルスと言う部分でしょう。
3楽章のメヌエット。こちらは告別とは異なり一般的な範囲のテンポで推進力抜群の展開。というかまたもエネルギーが飛び散ってます。力感一方ではなく中間部の抑えた部分の抑え具合も秀逸故、繰り返し部分の力感がまた引き立ちます。
フィナーレは期待通り、主題に入り再度オケの力感が大爆発。序奏のメロディーの浮き立たせ方が巧いのでオケの強奏に入った時の対比効果が抜群。力まかせではないんですね。最後はエネルギーの坩堝。万来の拍手に迎えられます。驚愕はまさに驚愕の演奏。
2曲目は交響曲95番。1曲目の驚愕の前日の1967年7月8日の録音ゆえ似た傾向の演奏かと思いきや、1楽章の入りはかなりの溜めのきついフレージング。ちょっとくどいかなと思う寸前の溜め。力感も前曲ゆずりゆえかなり濃い口の演出に聴こえます。
2楽章のアダージョは一転、穏やかな表情の演奏。前半はソフトタッチの演奏で、展開部に入ると若干オケのテンションが上がりますが、ふたたび穏やかな表情に戻ります。
3楽章のメヌエットはタイトなオケの魅力が少しずつ顔をのぞかせます。カザルス独特の素晴らしいエネルギー感が徐々に現れ、オケも牙をむき始めます。
95番最大の聴き所のフィナーレ。沸き上がるエネルギーが突き抜けるでしょうか。演奏自体は素晴らしいエネルギー感ですが、テープの老朽化からか、この楽章のみ音が少々歪みっぽく、音程もほんのちょっと不安定な印象がのこってしまうのが惜しいところ。中盤以降の吹き上がる部分の演奏は最高なんですが、音響上の傷が惜しいところ。最後は前曲同様万来の拍手に迎えられます。LP時代にはこの曲がリリースされていたのにCDでは今回初リリースとのことですが、その理由がなんとなく解るような気がします。
カザルスによる素晴らしいハイドンの演奏ですが、評価は驚愕は文句なしに[+++++]、95番は1楽章のくどさと終楽章の歪みを考慮すると[+++]というところでしょうか。
やはり驚愕と告別をセットにして売り出したくなる気持ちはよくわかります。ちょっとした欠点はあるものの、このアルバムの聴き所は人間が91歳にもなって奏でる音楽の信じられないほどのエネルギーにあると思います。バッハの無伴奏チェロソナタを再発見したり、ピカソとならぶスペインを代表する芸術家という立場にあったりする20世紀の偉人カザルスがハイドンの名曲に正面から取り組んだ素晴らしいアルバムであることは間違いないですね。
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