パブロ・カザルス指揮の驚愕、95番、告別
今日は先日ライムンドさんのブログで取り上げられた、カザルスのハイドン。

TOWER RECORDS
ライムンドさんのブログでの紹介記事はこちら。
今でもしぶとく聴いています:カザルス ハイドン・告別交響曲
これを読んでいたら、無性に聴きたくなってきました。ちょうど本日は会社の帰りに新宿による経路でしたので、久しぶりにタワーレコード新宿に立寄り、早速入手してきました。このアルバム、気になっていたんですが未入手のままでいましたので、良い機会だったかもしれません。
カザルスは言わずと知れた、今世紀、もとい、20世紀最高のチェリストという存在でしょう。私はもちろんバッハの無伴奏などずいぶん聴いてきましたが、カザルスの指揮した演奏というのはあまりちゃんと聴いた覚えがありません。ライムンドさんのブログを読むと、これは聴かなくてはならない演奏に違いないとの想いがメラメラ。ということで入手となったわけです。
アルバムの内容をちゃんと紹介しておくと、パブロ・カザルス(Pablo Casals)指揮のマールボロ音楽祭管弦楽団、プエルト・リコ・カザルス音楽祭管弦楽団の演奏で、収録順にハイドンの交響曲94番「驚愕」、交響曲95番、交響曲45番「告別」の3曲。告別のみプエルト・リコ・カザルス音楽祭管弦楽団。録音は驚愕が1967年7月9日、95番が1967年7月8日、マールボロ音楽祭でのライヴ録音。告別は1959年夏のプエルト・リコでのライヴ録音。
カザルスは1876年生まれで1973年に97歳寸前で亡くなっています。ということでマールボロでの演奏は91歳ごろ、プエルト・リコでの演奏は83歳と超高齢での演奏。演奏を聴くとぶっ飛びますが、この年齢でこのエネルギーはどうゆうことでしょう。まさに驚愕の演奏とはこのことでしょう。
今日は帰りが遅かったので最後の告別のみ取り上げます。驚愕と95番は明日以降に。
1959年録音ということで、このアルバムの中では一番古い録音ですが、デッド気味ながら解像度はまったく問題なく、むしろ年代を考えると鮮明なほうかもしれません。1楽章はまさに雄弁な弦楽器が素晴らしい迫力。やりすぎるとくどくなりますが、迫力ある演奏の範疇で溜めを効かせてメロディーラインをがっちり浮かび上がらせます。弦の音色は一人一人のテクニックはほどほどと思わせるものながら、全員が髪を振り乱して弾いているような素晴らしい力感を感じます。この迸るエネルギーはどこからくるのでしょうか。
2楽章は一転、抑制をよく効かせて、じっくりメロディーを噛み締めながら弾いていきます。テンポは相当落としてつぶやくようなフレージング。シュトルム・ウント・ドラング期のハイドン特有のほの暗いメロディーの情感を一層寂しげなものに感じさせます。弦楽器の音色に何か宿っているのではないかと思わせる深い情感。
3楽章のメヌエットはかなり個性的。ゆったり入ったと思ったら楔を打つようにインテンポのアクセントが入り、かなり演出。基本的に前楽章の遅いテンポを受けて入るため、テンポは遅めでじっくりとした演出。優美と諦観の狭間のようなメヌエット。他の誰にも振れないメヌエットでしょう。
4楽章の前半はふたたび1楽章の力感が戻ります。ぐっと筋肉に力がこもったようなフレージングで前半を折り返します。後半の優美なメロディー。一歩一歩ゆっくり進むようなアダージョ。実際に奏者が立ち去る音まで鮮明に録られてます。楽器が減ってきたところで、もう一段テンポを落とします。ハイドンの書いた楽譜の意図以上に色濃く表される諦観。最後の弦楽器のメロディのなんと寂しげなこと。一瞬の静寂の後、雷鳴のようなものすごい拍手とブラヴォー。ここには音楽がありました。素晴らしい感動。
これはカザルスによる特別な「告別」の特別なライヴの記録ですね。他の誰にも出来ないカザルスならではの音楽を聴くことができます。告別の評価は[+++++]を進呈。いままでこの演奏を聴いたことがなかったのは、やはり痛恨事ですね。
ただし、このアルバム、聴き所はむしろ驚愕のほうかと思います。レビューはまた明日。

ライムンドさんのブログでの紹介記事はこちら。
今でもしぶとく聴いています:カザルス ハイドン・告別交響曲
これを読んでいたら、無性に聴きたくなってきました。ちょうど本日は会社の帰りに新宿による経路でしたので、久しぶりにタワーレコード新宿に立寄り、早速入手してきました。このアルバム、気になっていたんですが未入手のままでいましたので、良い機会だったかもしれません。
カザルスは言わずと知れた、今世紀、もとい、20世紀最高のチェリストという存在でしょう。私はもちろんバッハの無伴奏などずいぶん聴いてきましたが、カザルスの指揮した演奏というのはあまりちゃんと聴いた覚えがありません。ライムンドさんのブログを読むと、これは聴かなくてはならない演奏に違いないとの想いがメラメラ。ということで入手となったわけです。
アルバムの内容をちゃんと紹介しておくと、パブロ・カザルス(Pablo Casals)指揮のマールボロ音楽祭管弦楽団、プエルト・リコ・カザルス音楽祭管弦楽団の演奏で、収録順にハイドンの交響曲94番「驚愕」、交響曲95番、交響曲45番「告別」の3曲。告別のみプエルト・リコ・カザルス音楽祭管弦楽団。録音は驚愕が1967年7月9日、95番が1967年7月8日、マールボロ音楽祭でのライヴ録音。告別は1959年夏のプエルト・リコでのライヴ録音。
カザルスは1876年生まれで1973年に97歳寸前で亡くなっています。ということでマールボロでの演奏は91歳ごろ、プエルト・リコでの演奏は83歳と超高齢での演奏。演奏を聴くとぶっ飛びますが、この年齢でこのエネルギーはどうゆうことでしょう。まさに驚愕の演奏とはこのことでしょう。
今日は帰りが遅かったので最後の告別のみ取り上げます。驚愕と95番は明日以降に。
1959年録音ということで、このアルバムの中では一番古い録音ですが、デッド気味ながら解像度はまったく問題なく、むしろ年代を考えると鮮明なほうかもしれません。1楽章はまさに雄弁な弦楽器が素晴らしい迫力。やりすぎるとくどくなりますが、迫力ある演奏の範疇で溜めを効かせてメロディーラインをがっちり浮かび上がらせます。弦の音色は一人一人のテクニックはほどほどと思わせるものながら、全員が髪を振り乱して弾いているような素晴らしい力感を感じます。この迸るエネルギーはどこからくるのでしょうか。
2楽章は一転、抑制をよく効かせて、じっくりメロディーを噛み締めながら弾いていきます。テンポは相当落としてつぶやくようなフレージング。シュトルム・ウント・ドラング期のハイドン特有のほの暗いメロディーの情感を一層寂しげなものに感じさせます。弦楽器の音色に何か宿っているのではないかと思わせる深い情感。
3楽章のメヌエットはかなり個性的。ゆったり入ったと思ったら楔を打つようにインテンポのアクセントが入り、かなり演出。基本的に前楽章の遅いテンポを受けて入るため、テンポは遅めでじっくりとした演出。優美と諦観の狭間のようなメヌエット。他の誰にも振れないメヌエットでしょう。
4楽章の前半はふたたび1楽章の力感が戻ります。ぐっと筋肉に力がこもったようなフレージングで前半を折り返します。後半の優美なメロディー。一歩一歩ゆっくり進むようなアダージョ。実際に奏者が立ち去る音まで鮮明に録られてます。楽器が減ってきたところで、もう一段テンポを落とします。ハイドンの書いた楽譜の意図以上に色濃く表される諦観。最後の弦楽器のメロディのなんと寂しげなこと。一瞬の静寂の後、雷鳴のようなものすごい拍手とブラヴォー。ここには音楽がありました。素晴らしい感動。
これはカザルスによる特別な「告別」の特別なライヴの記録ですね。他の誰にも出来ないカザルスならではの音楽を聴くことができます。告別の評価は[+++++]を進呈。いままでこの演奏を聴いたことがなかったのは、やはり痛恨事ですね。
ただし、このアルバム、聴き所はむしろ驚愕のほうかと思います。レビューはまた明日。
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