作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ナカリャコフのトランペット協奏曲

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昨日取り上げたナカリャコフのフリューゲルホルンによるハイドンのチェロ協奏曲2番の演奏を登録していたら、ナカリャコフのトランペット協奏曲の演奏、我が家のコレクションにありました。ただし、まだ整理の済んでいない未登録盤の山の中に。

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これは、WARNER CLASSICS & JAZZレーベルがハイドン没後200年を記念して出したボックスセットのうち、協奏曲を集めたもの。CD5枚組で、フィリップ・アントルモンなどによるピアノ協奏曲、コープマンなどによるハープシコード協奏曲、オルガン協奏曲などをはじめとして、ハイドンの主要な協奏曲を名演奏で網羅した素晴らしいセット。当ブログで取り上げたものでは、クレヴェンジャーのホルン協奏曲も含まれています。

ハイドン音盤倉庫:ハイドン第2のホルン協奏曲?

今日はこの中から、セルゲイ・ナカリャコフのトランペットによるハイドンのトランペット協奏曲を取り上げましょう。演奏はトランペットがセルゲイ・ナカリャコフ(Sergei Nakariakov)、ヘスス・ロペス=コボス(Jesús López-Coboz)指揮のローザンヌ室内管弦楽団の演奏で、1993年2月、スイスレマン湖東部のモントルー近郊ヴェヴェイのSalle del Castilloというところでのセッション録音。

伴奏を担当するヘスス・ロペス=コボスは日本でもDENONレーベルからいろいろアルバムがリリースされていたのでおなじみの方も多いでしょう。あらためて調べてみると、1940年生まれのスペインの指揮者。マドリード総合大学で哲学を学んだそう。その後ウィーン音楽院でハンス・スワロフスキーに指揮を学び、ちょうどこの演奏のころである1990年~2000年までローザンヌ室内管弦楽団の主席指揮者でした。その後2003年からはマドリード王立劇場の音楽監督となっているようですね。この演奏の頃は57歳ですから、脂が乗り切った年代。

一方ナカリャコフは昨日紹介したように1977年生まれですので、この録音時には、なんと16歳前後ということですので、まさに天才トランぺッターということでしょう。

1楽章のオケの序奏は、充実した響きで素晴らしい生気を感じさせるもの。昨日のホルン協奏曲のスピヴァコフのオケとは明らかに格が違います。協奏曲の録音なのに録音上はオケの響きが勝っているような構図です。このオケはコルボも振ってますが、ロペス=コボスのコントロールはメリハリをはっきりつけて非常に端正な音響。ナカリャコフのトランペットは若さもあってちょっと音の線が細い気がしないでもないですが、フレージングはきっちりとしていて、特に高音の伸びと滑らかさは流石と思わせるもの。ただし、さきほど触れたように、ロペス=コボスのしっかりコントロールするオケの出来のよさの方に耳が行ってしまうほどのオケの分厚い響き。1楽章のカデンツァに至って、ナカリャコフのテクニック全開。サポートのロペス=コボスがちらりと格の違いを見せつけている感じですね。
2楽章はナカリャコフの滑らかなトランペットによる美しいメロディーがまさに聴き所。音程、音量のコントロールは流石と唸らせるものがあります。あとは音の太さと言うか、実体感が伴えば言うこと無しでしょう。ロペス=コボスは2楽章では脇役に徹するよう、音量を抑え、ゆったりと伴奏に徹します。
3楽章はふたたび素晴らしいオケの響きに圧倒されます。ロペス=コボス、確信犯的にオケを煽っているのでしょう。それに応じてナカリャコフも速いパッセージをつんのめり気味になりそうにインテンポで吹き抜き存在感をアピール。

評価は[++++]とします。ロペス=コボスのコントロールするローザンヌ室内管のオケの素晴らしさはさらに良い評価をしても良いんですが、肝心のナカリャコフがまだ線が細いというのが正直なところでしょう。天才トランぺッターナカリャコフの16歳の記念すべき演奏であることに間違いありません。

このあとに収められたクレヴェンジャーのホルン協奏曲を久しぶりにに楽しんで、ワインを一杯やりながらカレーを作ってます。お正月モードからようやく脱出でしょうか(笑)
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