作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

オットー・クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団の88番

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今日はメジャー盤行きます。あえてライムンドさんの縄張りへ(笑)

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オットー・クレンペラー(Otto Klemperer)指揮のニュー・フィルハーモニア管弦楽団(一部フィルハーモニア管弦楽団)の演奏によるハイドンの交響曲をあつめた3枚組。収録曲目は88番、92番「オックスフォード」、95番、98番、100番「軍隊」、101番「時計」102番、104番「ロンドン」の8曲を収めたもの。このアルバムが手元にありますが、既に廃盤。

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HMV ONLINEicon / amazon

こちらが、同一収録曲による現行盤。ジャケット的には旧盤の方が不気味な迫力があって好きです。

今日は帰りが遅かったので、この中から1曲のみ88番を取り上げます。88番は1964年10月、ロンドンのアビーロードスタジオでのセッション録音。

クレンペラーのハイドンは古くから愛聴されてきた名盤。私も以前はよく聴いたアルバムですが、最近は手に取ってませんでしたので、久々に聴くクレンペラー。クレンペラーのハイドンは一番有名なこのセッション録音盤にはふれもせず、珍しいライヴ盤を2回に渡って取り上げていますので、そちらの記事もご覧ください。

ハイドン音盤倉庫:オットー・クレンペラーの時計
ハイドン音盤倉庫:オットー・クレンペラーのトリノの時計

以前も触れていますが、クレンペラーは1885年生まれですので、この演奏時は79歳という高齢での録音ということになります。クレンペラーのことはWikipediaにもいろいろ書いてあるので、一度目を通されるといいでしょう。
毅然として雄大なクレンペラーのハイドンというのが巷の評価ということでしょうが、この88番はどうでしょうか。久しぶりに針を通します(ほんとはCDなのでピックアップを通すですかね)。

1楽章はデッド気味なスタジオにニュー・フィルハーモニア管の塊のような響きが充満。テンポは遅めですがゆったりした感じがしないのはクレンペラーならでは。揺るぎない剛性感のあるオーケストラの響き。弦楽器がキレてます。ヴァイオリンの切れの良いボウイングが痛快。アクセントもしっかりつけて、おなじみのメロディーをザクザク刻みます。鞭で打たれる恍惚感のような不思議な感覚(体験したことはないんですが、、、)。最後までタイトに引き締まった弦の魅力に溢れる演奏。かなりしっかりアクセントをつけますがくどくないのが流石。
2楽章のアダージョはふつうのテンポ。毅然とした雰囲気ながらすこし打ち解けた感じで始まり、一貫したテンポで進めます。意外と表情付けが豊かだったのに気づきました。中間部の盛り上がりと感興は素晴らしいものがあります。
3楽章のメヌエットはクレンペラーの本領発揮で、険しい響きのタイトなメヌエット。強奏部分の弦の迫力は素晴らしいですね。この楽章は音符に素直に弾いている感じですが、一音一音に漲る力感、迫力が聴き所。
最後のフィナーレ。軽い感じで入り、徐々に力が増していきます。一定のテンポながら音の強弱を手綱のしめ具合で自在にコントロールしてオケを操ります。徐々に力感が最高潮に。ふたたび出だしのメロディーに戻り、終結部へ。弦はキレまくって終了。

流石クレンペラー、厳しさと機知を高次のバランスで聴かせる名演ですね。この演奏を超える演奏をするのは並大抵のことでは出来ませんね。峻厳というか偉大というか、そうゆう言葉が似つかわしい演奏です。もちろん評価は[+++++]です。

私は明日で仕事納め。会社の同僚、部下なども風やらウィルスやらでマスクをしたり、休んだりが多くなってきました。かくいう私も喉がいがらっぽくてちょっと熱っぽいです。正月休みを棒に振らないよう、あったかくして早めに休みたいと思います。寒さが徐々に厳しくなって参りましたので、皆様もご自愛ください。
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2 Comments

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ライムンド

No title

Daisyさん、こんばんは。クレンペラーのハイドン録音集をはじめ初期に発売されて輸入盤の中には引っ越しの際に売ってしまったものも多くて残念です。1964年録音という時期は、ロンドン交響曲と同じ年の録音で、この頃はまだ構成がしっかりしている演奏であるとハイドン以外でもそういう評判ですが、92番、95番録音の70年代はテンポが遅すぎたりと好悪が分かれるようです。身贔屓を抜きにハイドンを主にして考えると、クレンペラーの演奏はどうかとあまりよく分からない状態です。また聴き直したいところです。

Daisy

No title

ライムンドさん、コメントありがとうございます。
クレンペラーもセルも演奏の出来と録音年代には密接な関係がありますね。やはり最晩年になると、少し極端な部分が出てきたりするもののようですね。昨日は同じ年、同じ月に録音されたロンドンの方も取り上げようとしたのですが、無理をせず、1曲で手を引いてしまったというところです。88番はクレンペラーのハイドンでも最良の演奏だと思います。人気盤ですので、今後、他の曲も取り上げたいと思ってます。

  • 2010/12/29 (Wed) 06:43
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