作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

【年末企画】サイモン・プレストンのニコライミサとロラーテミサ

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今日はクリスマス・イヴ。皆さんどんなイヴを過ごされていることでしょうか。今日の記事は、当ブログにとってはなんと記事300件目の記念すべき節目にあたります。これまでの皆様のご支援に感謝いたします。

今日はいろいろ考えたのですが、素直に昨日のレビューの続きを書くことにします。というのもサイモン・プレストンのミサ曲集があまりに素晴しく、また今日取り上げるニコライミサは穏やかで幸せな気分に包まれるミサ曲ということで、クリスマス気分にぴったり。流石に今日は仕事を早めに切り上げて、8時過ぎには帰宅。いつものプレミアムモルツを飲みながら執筆です。はあ、旨い。

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ニコライミサは1772年、シュトルム・ウント・ドラングの最盛期の作品。ハイドンがエステルハージ家の楽長に就任して3作目のミサ曲でもあり、同じ年に告別交響曲や弦楽四重奏曲Op.20などハイドンの短調による傑作が多く生み出された年の作品。それらの作品群と好対照をなすような楽天的で明るい曲。
冒頭のキリエの拍子が四分の六拍子と珍しい拍子となっていることから、ドイツやオーストリアでは「四分の六拍子ミサ」というニックネームで呼ばれているそうです。

ソロ陣は前曲の大オルガンミサとは一部代わっています。ソプラノは変わらずユディス・ネルソン、コントラアルトはシェルリー・ミンティ、テノールはロジャース・コヴェイ・クランプ、バスは変わらずデヴィッド・トーマス。あいかわらずプレストンの歌手を含めたコントロールが見事なので、歌手はボロが出る隙もありません。

最初はキリエ。暖かい低音弦の響きから美しいコーラスが入り、四分の六拍子という不思議な拍子によるリズム感が独特の雰囲気を醸し出します。

グロリアは鮮烈なコーラスの響きにつづきソプラノの美しいソロが情感溢れる歌唱。コーラスが大活躍の曲から、ソプラノソロのすすり泣くようなメロディーを経て、コーラスとオケに包まれる不安な展開。最後は渾身のアーメン。

続くクレドの導入は激しい曲調のコーラスを主体とした感興。それからテノールのソロによる静謐な時間。バス、コントラアルト,ソプラノが次々に重なり、じっくりミサの神髄を歌い上げていく展開。ふたたび激しいコーラスとオケの競演。

サンクトゥスは、たどたどしい弦楽器の音階に乗った幸福感溢れるコーラスのメロディーの繰り返しによって祈りの高揚がもたらされます。後半はコーラス主導の力感漲る展開。

ベネディクトスはハイドンらしい素朴で美しすぎる回想的なメロディーではじまり、ソプラノをはじめとしたとろけるようなソロのアンサンブルが恍惚のメロディーを歌います。落ち着いた展開に酔ってしまいそう。終始ゆったりしたテンポで進めますが、最後にコーラスが盛り上がります。

最後のアニュス・デイは真摯なコーラスのメロディーが突き抜けるように心に刺さる展開。最後に冒頭のキリエの四分の六拍子のメロディーが再び登場してこのミサ曲の終わりを告げるように名残惜しげに曲が進みます。最後は大きく溜をつくって素晴しいクライマックス。

ニコライミサもプレストンの誠実な指揮の魅力が発揮された名演。もちろん[+++++]。今日はこれで終わる訳には参りません。

このアルバムの末尾には、シュトルム・ウント・ドラング期の遥か以前、ハイドンが最初に作曲されたものとされる、ロラーテミサが収められてます。全体で7分少々の曲ですが、ハイドンの宗教曲の原点を知る貴重な曲。作曲はハイドンが16歳でウィーンのシュテファン大聖堂の少年合唱隊員を務めていた頃の作品。作品を聴く限り合唱の素晴しい実体感は後年のミサに勝るとも劣らない素晴しい出来。若書きなどというにはおこがましい素晴しい出来というレベルの作品でしょう。こちらは評価というより驚きの曲というレベルでしょう。最後は静寂の中にアーメンが沈んで終わる素晴しい構成。

こちらも[+++++]とせざるを得ませんね。

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ビールにつづいてワインをいただいていい気分。ワインはイタリアンの白。いつも伊勢丹に来るモンテ物産のおばちゃんにずいぶん前に薦められて買ったものがワインセラーに寝てました。穏やかな飲み口と思いきや最後にキリッとくる酸味が個性的なもの。料理はいつも通りですので割愛(笑)

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今日はクリスマスなのでケーキ。なんで蝋燭が立っているのかはわかりません。

皆様メリークリスマス! 
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3 Comments

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論より感覚

No title

いつも有益な情報ありがとうございます
こちらもミサ曲集で手に入れましたが、ロラーテだけ入って居なかったので別で買いました。素晴らしいですね。大いに気に入りました。
ただ大好きな小オルガンミサが入って居なかったので探しています。やっぱりハラー聞きたいと思いますです。

  • 2016/05/11 (Wed) 08:59
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論より感覚

No title

DL購入したのですが、ところどころファイルが切れていたりでがっかりでした‥そのサイトは返金もファイルの再アップもしてくれないので他のアルバムに交換してもらいました。CD探して買い直したいと思います。

  • 2016/05/12 (Thu) 01:30
  • REPLY

Daisy

Re: No title

論より感覚さん、コメントありがとうございます。

こちらはまだApple Musicどまりでハイレゾまで手を出しておりませんが、音が途切れ途切れになっちゃったりするのですね。まあCDでもたまに音飛びするものがありますのでやむを得ないのかもしれませんね。このアルバムは中古でもたまに見かけますので、探せば入手は難しくないのではと思います。

  • 2016/05/12 (Thu) 07:35
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