作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

クリスチャン・テツラフのヴァイオリン協奏曲

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昨日は忘年会のはしごで、深夜帰宅。今年の波は乗り切りました(笑) それゆえ昨夜はブログの更新をお休みさせていただきました。フー・ツォンピアノ協奏曲の記事にyoshimiさんからコメントをいただいたんですが、そのコメントに自分で返信が登録できないんですね。あらためてやり直してみます。

今日はクリスチャン・テツラフのヴァイオリン協奏曲です。

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こちらは手元にあるアルバム。クリスチャン・テツラフ(Christian Tetzlaff)のヴァイオリン、ハインリッヒ・シフ(Heinrich Schiff)指揮のノーザン・シンフォニアの演奏で、ハイドンのヴァイオリン協奏曲VIIa:3、VIIa:4、VIIa:1の3曲と、モーツァルトのロンドK.373を収めたもの。

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HMV ONLINEicon

こちらは、トルス・モルクのチェロ協奏曲も含めて2枚組とした現役盤。

クリスチャン・テツラフは1966年生まれのドイツのヴァイオリニスト。写真を見るとイケメンですね(笑) 古典派、ロマン派から現代音楽まで幅広いレパートリーをもち、有名指揮者、有名オケとの競演歴も豊富です。日本でもN響に定期的に客演するなどおなじみの人もいるかもしれません。私自身はこのアルバムで初めて聴く人です。オフィシャルページがありましたのでリンクを張っておきましょう。

クリスチャン・テツラフオフィシャルページ(英文)

このアルバムはずいぶん前に手に入れていたものですが、ラックの掃除で発見して、どんな演奏だったかあまり記憶がなかったので、かけてみたところ素晴しい演奏。それゆえブログに取り上げた次第です。

録音は1990年12月と91年2月、イギリスのスコットランドに近いニューカッスルのAll Saints教会でのセッション録音。

1曲目のVIIa:3。通称「メルク協奏曲」です。非常に瑞々しいオーケストラの序奏。教会での録音らしく響きの豊かな録音。指揮のシフのコントロールはチェリストでもあるだけに弦楽器の生気溢れる扱いが絶妙。速めのテンポで、序奏だけでも非常に表情豊かな演奏。テツラフのヴァイオリンはきわめてオーソドックスなもの。中音から高音にかけての胴鳴りというか楽器の響きが美しいですね。目立ってもいず、大人しくなく、こちらも絶妙な存在感。自然に感じるのはテンポがいいからだと思います。オケとの一体感も自身で指揮しているような素晴らしさ。1楽章のカデンツァはテツラフのテクニックが冴えまくります。音量を抑えて速いパッセージをさりげなく刻むあたり、素晴しいテクニックですね。
2楽章は弦楽器のオケの美しさをゆったりしたテンポで表現。テンポ感を表す拍子を強調しながらゆったりとした演奏。ヴァイオリンはそのオケに乗って、控えめながら自在な表現。鳴くと言うというとテンポを引きずるように聴こえますが、テツラフのよさはテンポをかっちり固めながら高音の胴鳴りの美しさを表現できること。ハイドンの曲想に合った美しさの表現でしょう。この楽章はただただヴァイオリンのきらめく高音のメロディーラインを楽しむことに集中できます。
3楽章は、弾むような序奏で入り、楽章を通して弾む感じで通します。ヴァイオリンは相変わらず控えめに美しい音を重ねていくだけですが、速いパッセージのキレの良いテンポに裏付けられた素晴しいテクニックを堪能できます。最後のカデンツァも短いながらきちんと自己主張を通して終わります。豊かな弦楽器の響きの海を堪能すべき素晴しい演奏ですね。

続くVIIa:4、演奏の魅力とスタイルは前曲同様素晴しいものです。曲調のせいか、2曲目のせいかどうかわかりませんが、すこし力が抜けてリラックスしているように聴こえます。この曲は2楽章が聴きもの。癒しの音楽とはこのことでしょう。テツラフもシフも曲の魅力を表現するために表現を抑えて、淡々と進めるところがかえって詩情を深めていますね。後半、消え入るようになりながらもオケとヴァイオリンがアイコンタクトをとりながら一歩一歩すすめるあたり、協奏曲の楽しみのひとつである間の掛け合いのごとき絶妙の瞬間。最後は本当に消え入ります。
フィナーレは対して、快活なはじまり。あえてキレを良くして爽快感を強調した演奏。教会の豊かな響きに、オケの柔らかい響きが効いて、爽快にキレる演奏も豊かな音楽に聴こえます。

最後はVIIa:1。ハ長調らしい晴朗な響き。序奏は前曲同様オケのいい響きを楽しめます。ヴァイオリンはこの局独特の引きずるような入りで期待に応えます。ここは引きずっていただかないと。
この曲も2楽章の美しさが飛び抜けてます。ピチカートの伴奏にソロヴァイオリン主体のシンプルな構成なんですがが心を打つメロディーですね。テツラフのヴァイオリンはしっかりした技術に裏付けられた、そしてしっかりした音楽性に裏付けられた上での、ある意味滋味かもしれないくらい、自然な表現の範囲での自己主張。よほどに自信がないと出来ない演奏でしょうね。
3楽章は安心して聴けます。力むことはなく、オケも8分の力に全神経を集中して快活さを保っている演奏。自然な響き、音楽性の高い音楽にの裏には非常に冷静沈着な判断とコントロールがあるような演奏ですね。

評価は全曲[+++++]にしました。以前より評価を上げたことになります。シフの伴奏はある程度期待どおりの演奏。テツラフは無警戒でしたね。このひとはできますな。いまのところヴァイオリン協奏曲ではベストの出来のアルバムとして良いでしょう。

末尾におかれたモーツァルトのロンドはモーツァルトの旋律のひらめきを圧倒的な流麗さで表現。こちらもおすすめです。

気づくと12月も後半に入ってますね。今日はベランダ掃除などに汗を流しました。ほんとはCDラックを片付けなくてはならないんですが、ブログを書くために毎日あれこれ出したり、いれたり。ちっとも片付く気配がありません(笑)
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