作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

カラヤン/ウィーフィルの太鼓連打

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今日は一般によく知られた演奏を取り上げましょう。

振り返って見ると、本ブログで取り上げるアルバムは比較的マイナーなアルバムが多いことに気づきました。もちろん私が聴きたいアルバムを取り上げているからに他なりませんが、ハイドンの音楽の再評価をもくろむ当ブログの主旨からすると、メジャーなアルバムの情報が少ないのは改めるべきと思うように至りました。ということで、今後はメジャー盤の比率も少し増やしていこうと思ってます。

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早速今日はDECCAレーベルでのカラヤンとウィーフィルの演奏を収めた9枚組のボックスから、交響曲103番「太鼓連打」を。このアルバム自体は現行盤ではないため、現行盤も紹介しておきましょう。

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HMV ONLINEicon / amazon

今回紹介する太鼓連打を収めた現行盤。

カラヤンのハイドンの交響曲はDeutsche Grammophonにはベルリン・フィルとのザロモンセット、パリセット、そしてEMIにはベルリン・フィルとの交響曲83番「雌鶏」、101番「時計」、104番「ロンドン」などの録音がありますが、以前にも触れたとおり、最晩年をのぞくと、カラヤンの録音は古いもの程よいのではないかとの印象を持っています。この辺は以前に触れた記事にも触れてあります。

ハイドン音盤倉庫:カラヤンのハイドン再考

ということで、このアルバムはカラヤンのハイドンの交響曲のセッション録音の中では古いもの。「太鼓連打」が1963年4月、同じボックスに含まれる「ロンドン」が1959年3月、ウィーンのソフィエン・ザールでのセッション録音です。

今日は「太鼓連打」の方を取り上げます。

印象的な非常に押さえた音量での太鼓連打。非常に遠い遠雷のよう。他の演奏の太鼓を大きくならす入りのすべてを流行遅れと感じさせてしまうほどの粋な入りと感じさせるところは流石カラヤン。荘重なのに柔らかいウィーンフィルの弦楽器による序奏。後年のカラヤンのレガートを効かせた純度の高い弦とは異なり、覇気溢れるという言葉がぴったりの堂々たる主題。進むにつれだんだん力が入り、オケの厚みも増してくるという、カラヤンらしい大局的な全体設計にそった演奏。フレーズレベルのデュナーミクと大きな波の盛り上がりの両方のメリハリを考えていることがよくわかります。久しぶりに聴いて感じたのは、十分良い録音なんですが、音がちょっと古びて感じること。以前聴いたときにはあまり感じなかったので、最近良い録音の演奏を多く聴いていることからそう感じるようになっているんでしょう。1楽章の最後は再び抑えた遠雷に荘重な序奏の繰り返し。
2楽章は、1楽章の伸びやかさと展開の面白さから一転、非常に抑制された入り。対比を鮮明に演出しているように聴こえます。半ばを過ぎてからの展開部に入り、オケ全開の大波が襲います。カラヤンらしくコントロールが行き届いたクライマックス。何事もなかったように波が静まり、ふたたび押し寄せと繰り返します。最後の和音を少し延ばして変化をつけます。
3楽章メヌエットは堂々としたもの。後年のカラヤンに特徴的なレガートの芽生えを感じる演奏。テープの関係か途中で微妙にチューニングがズレているように聴こえてしまいます。
フィナーレは期待通りの盛り上がり。途中の短いフルートのメロディーが異様に美しいのにビックリ。濃いめのレガートのアクセントも意表をつくもの。最後は低音弦から畳み掛けスイッチオン! オケ全体に全開前の気合いが漲ります。最後にカラヤンがまくる低音弦の大波がおしよせ、興奮の坩堝に!

久しぶりに聴くカラヤンの太鼓連打旧盤はカラヤン全盛期の覇気とダンディズムが香る素晴しい演奏でした。もちろん評価は[+++++]といたします。

ロンドンに入るには夜も更けましたゆえ、またの機会に(笑)
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