ピエール・モントゥーの「驚愕」モスクワライヴ(ハイドン)
今日ははじめてレビューで取り上げるピエール・モントゥー。

最近手にいれた珍しい紙ジャケットの1枚もののCD。ピエール・モントゥー(Pierre Monteux)指揮のボストン交響楽団のモスクワライヴで、曲目はハイドンの交響曲94番「驚愕」とシューベルトの交響曲9番「グレート」。収録は1956年9月9日、モスクワ音楽院大ホールでのライヴ収録。レーベルはArs Novaというレーベルですが、おそらくというか、検索しても手元のアルバムでこのレーベルのものはありません。
ピエール・モントゥーはフランス、パリに1875年に生まれた指揮者で、1964年に89歳で亡くなっています。このアルバムの演奏は80を過ぎての演奏。私自身はモントゥーの名前をもちろん知っているものの、実はあまりちゃんと聴き込んだことがない指揮者。実は昨日「戦時のミサ」を取り上げたネヴィル・マリナーのことを調べていたら、マリナーは指揮法をモントゥーから学んだとのことで、メラメラと興味が湧いてきて、このアルバムを取り上げようと取り出した次第。
モントゥーの経歴は戦前の1916年にメトロポリタン歌劇場の指揮者から、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、本アルバムのオケでもあるボストン交響楽団、パリ交響楽団、サンフランシスコ交響楽団など、有名オケの常任指揮者を1953年まで歴任。その後はフリーで活動していたようですが亡くなる3年前の1961年からはロンドン交響楽団の首席指揮者となり63年には来日もしているとのこと。マリナーが指揮を学んだのはモントゥーが1943年からアメリカのメイン州ハンコックで開講していた指揮講座。
この演奏は1956年ということで、フリーランスになってから元手兵のボストン交響楽団とのモスクワツアーということでしょうか。
1楽章は、意外と瑞々しい序奏から入ります。モノラルながら音質は十分。会場のノイズが少々気になりますが、ライヴのリアリティを楽しむという範疇で鑑賞上問題はありません。強奏部分をあえてスピードを上げ音を切り気味にドライブをかけていくのがモントゥー流なんでしょうか。基本的にインテンポでキビキビ感溢れる演奏。弦の厚みのある響きと全体に木質系の柔らかめの響き。ピアニッシモで沈むことなく音量差はあまりつけず、ドライブ感でダイナミックさを表現してます。フレーズが終わりきらないタイミングで次のフレーズを重ねて行くことで不思議なダイナミックさが生まれます。複雑にくずした草書のような趣。
2楽章は速めに淡々と。ビックリの効果を真剣に狙ってません(笑) 速めなテンポ故緊密感溢れる演奏。展開部はさらに速度を上げてノリノリに。スイング感すらあります。
3楽章のメヌエット。前楽章につづきスイング感があるため、ちゃんと舞曲になってます。キリッとしたアクセントも効果的。
フィナーレは、これまた速めのテンポで躍動感抜群。モントゥーの持ち味である躍動感とダイナミックさの魅力が最も生きた楽章でしょう。徐々に盛り上がり、最後は興奮の坩堝に。拍手も盛大に鳴ります。この演奏一番の聴き所でしょう。
フィナーレの炸裂感は素晴しいものの、評価は[+++]としました。モントゥーの演奏自体は悪くないんですが、ハイドンの曲との相性はあまり良くないかもしれません。曲の面白さや深み、機知を表現するには全体設計の工夫や聴き方によっては単調にも聴こえる前半3楽章の一貫したインテンポでの速めの演奏が少々物足りないところです。
いままであまり見かけたことのないアルバム故、希少価値はあるんだと思います。ハイドンの非常に好きなマニア向けのアイテムという位置づけでしょうか。

最近手にいれた珍しい紙ジャケットの1枚もののCD。ピエール・モントゥー(Pierre Monteux)指揮のボストン交響楽団のモスクワライヴで、曲目はハイドンの交響曲94番「驚愕」とシューベルトの交響曲9番「グレート」。収録は1956年9月9日、モスクワ音楽院大ホールでのライヴ収録。レーベルはArs Novaというレーベルですが、おそらくというか、検索しても手元のアルバムでこのレーベルのものはありません。
ピエール・モントゥーはフランス、パリに1875年に生まれた指揮者で、1964年に89歳で亡くなっています。このアルバムの演奏は80を過ぎての演奏。私自身はモントゥーの名前をもちろん知っているものの、実はあまりちゃんと聴き込んだことがない指揮者。実は昨日「戦時のミサ」を取り上げたネヴィル・マリナーのことを調べていたら、マリナーは指揮法をモントゥーから学んだとのことで、メラメラと興味が湧いてきて、このアルバムを取り上げようと取り出した次第。
モントゥーの経歴は戦前の1916年にメトロポリタン歌劇場の指揮者から、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、本アルバムのオケでもあるボストン交響楽団、パリ交響楽団、サンフランシスコ交響楽団など、有名オケの常任指揮者を1953年まで歴任。その後はフリーで活動していたようですが亡くなる3年前の1961年からはロンドン交響楽団の首席指揮者となり63年には来日もしているとのこと。マリナーが指揮を学んだのはモントゥーが1943年からアメリカのメイン州ハンコックで開講していた指揮講座。
この演奏は1956年ということで、フリーランスになってから元手兵のボストン交響楽団とのモスクワツアーということでしょうか。
1楽章は、意外と瑞々しい序奏から入ります。モノラルながら音質は十分。会場のノイズが少々気になりますが、ライヴのリアリティを楽しむという範疇で鑑賞上問題はありません。強奏部分をあえてスピードを上げ音を切り気味にドライブをかけていくのがモントゥー流なんでしょうか。基本的にインテンポでキビキビ感溢れる演奏。弦の厚みのある響きと全体に木質系の柔らかめの響き。ピアニッシモで沈むことなく音量差はあまりつけず、ドライブ感でダイナミックさを表現してます。フレーズが終わりきらないタイミングで次のフレーズを重ねて行くことで不思議なダイナミックさが生まれます。複雑にくずした草書のような趣。
2楽章は速めに淡々と。ビックリの効果を真剣に狙ってません(笑) 速めなテンポ故緊密感溢れる演奏。展開部はさらに速度を上げてノリノリに。スイング感すらあります。
3楽章のメヌエット。前楽章につづきスイング感があるため、ちゃんと舞曲になってます。キリッとしたアクセントも効果的。
フィナーレは、これまた速めのテンポで躍動感抜群。モントゥーの持ち味である躍動感とダイナミックさの魅力が最も生きた楽章でしょう。徐々に盛り上がり、最後は興奮の坩堝に。拍手も盛大に鳴ります。この演奏一番の聴き所でしょう。
フィナーレの炸裂感は素晴しいものの、評価は[+++]としました。モントゥーの演奏自体は悪くないんですが、ハイドンの曲との相性はあまり良くないかもしれません。曲の面白さや深み、機知を表現するには全体設計の工夫や聴き方によっては単調にも聴こえる前半3楽章の一貫したインテンポでの速めの演奏が少々物足りないところです。
いままであまり見かけたことのないアルバム故、希少価値はあるんだと思います。ハイドンの非常に好きなマニア向けのアイテムという位置づけでしょうか。
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