作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

カール・ベーム/ウィーンフィルの交響曲集-2

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昨日のベームの交響曲集の続き。

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さて、前記事に続いてCD-1の2曲目の89番。例の「しょ、しょ、しょじょじ」です。88番と同時期の録音だけに気合いの充実は同レベル。1楽章はゆったりしたテンポで入り、いきなり主旋律のメロディーとアクセントの面白さを見せつけられます。オケの集中力とキレともに素晴しいもの。木管楽器のソロなどもそれぞれすばらしい腕前。響きの豊かさとソロのキレは流石ウィーンフィルですね。
2楽章は1楽章からさして変化のないテンポで自然に入ります。奇を衒ったところは一切なくメロディーを自然に奏でるだけでこの楽章の素晴しさが伝わります。
3楽章のメヌエットは力を抜いた良さが味わえます。88番の気迫漲るメヌエットとは異なり、素朴な響きが特徴。
フィナーレはすこし溜の効いたフレージング。弦楽器の響きの美しさで一気に聴かせます。
この曲は88番同様鮮度の高いオーケストレーションと自然な響きの結晶のような演奏ですね。

続いて、90番。ラトルが得意としてよく取り上げている曲ですね。この曲は前2曲の翌年1973年5月の録音。1楽章は冒頭の一音から迫力の音響。非常に遅いテンポの序奏。主題に入り一気にテンポが上がりフルスロットルに。調律の関係かオケの音色が前2曲より若干濁ってます。迫力は今までで一番。オケに力が漲ってます。
2楽章は前曲同様、ベームの自然なコントロールが美しい演奏。途中のフルートのソロが非常に美しいですね。
3楽章のメヌエットは力みがちょっと目立ちますでしょうか。
フィナーレは非常に明確なメリハリをつけて迫力も十分ですが、ちょっと型にはまった印象もあり、生気と言う意味では後退でしょうか。
90番は迫力十分なんですが、ちょっと固さ気になる演奏です。

CD-2に移って91番。私の好きな曲。1楽章は非常にゆったりしたテンポで入ります。幸せに満ちる時間。素晴しい序奏。ゆったりとした演奏が曲想に合ってます。ベームのコントロールはこの交響曲集の中ではオケに任せている部分が多いように聴こえます。わりと自然なフレージングが多く、流れるような演奏。
2楽章は極上。作為のない自然な流れで曲の盛り上がりを表現。
3楽章は大きな構えで、小節を効かせながらも力みはなく、雄大なオケと中間部の押さえた表現の対比が見事。
フィナーレも自然な流れで徐々にクライマックスにむけて盛り上げていき、最後は秩序と混沌の坩堝のような複雑な音符を見事に表現して終了。やはり91番は名曲です。

続いて92番「オックスフォード」。入りは超スローに非常に押さえた入り。主題に入りフルスロットル。フレージングがちょっと固いところがあるのは前曲同様。ほんのちょっと小節を押さえればいい感じなんですが、この辺は紙一重のちがいといったところでしょう。迫力は素晴しいんですが、力んでオケを鳴らしすぎている感じもしないでもありません。フレーズ全体の有機的なつながりがちょっと弱い感じです。
2楽章は超滑らかな開始で、1楽章の力みが消え、柔らかいウィーンフィルの響きを楽しめる楽章。
続く3楽章も自然さを保ちます。途中のホルンの印象的な響きがムジークフェラインにこだまする美しさ。
やはり「オックスフォード」聴き所は4楽章です。入りのリズムは何と速めで、いきなりフルオケで畳み掛ける素晴しい迫力。大編成オケらしいふけ上がりが見事。音量の対比がこれだけの幅にもてるとフィナーレの盛り上がりも素晴しい迫力。途中の押さえた部分にもピンとはりつめた緊張感。最後は振り切れて終了。
「オックスフォード」は1楽章がちょっとくどいのが欠点。これがなければ良い演奏なんですが。

最後は協奏交響曲。これは90番と同時期の録音。ソロはウィーンフィルのメンバーでしょう。ヴァイオリンはおなじみライナー・キュヒル(Reiner Küchl)、チェロはロベルト・シャイヴァイン(Robert Scheiwein)、オーボエはカール・マイヤーホーファー(Karl Mayrhofer)、ファゴットはディートマール・ツェーマン(Dietmar Zeman)。1楽章はゆったりとした入り。ウィーンフィルの弦楽セクションの素晴しい響きをゆったり楽しめます。すぐにソロが一通り顔を出しますが、まずはキュッヒルの艶やかなヴァイオリンの音色に圧倒されます。それからシャイヴァインの極上のチェロの響き。ソロの巧さは流石ウィーンフィルですね。ゆったりとした時の流れに乗ってソロが自由に歌う感じです。オケの方も特にヴァイオリンの弓さばきがキリッとエッジがついて鮮明なオケの響きを特徴づけています。1楽章の最後のカデンツァはクアルテットのような緊密な掛け合いを楽しめます。素晴しい1楽章です。
つづく2楽章は、いきなりソロの魅力炸裂。オーボエとチェロの響きにうっとり。これだけソロが楽しめるこの曲も珍しいですね。ウィーンフィルの名人芸堪能楽章とも言えるでしょう。チェロのシャイヴァインが時折流れるような滑らかな音階で聴かせどころ作ります。時折押し寄せるオケの波が心地よいですね。
3楽章はオケの柔らかく分厚い響きとソロの対比が見事。途中のチェロの鳴きが印象的。極上のウィーンフィルの響きとソロの名人芸による至福の瞬間。

このアルバムの前記事で取り上げた88番以外の評価は89番、90番、92番「オックスフォード」が[++++]、90番が[+++]、91番と協奏交響曲は[+++++]ということに。このアルバムの聴き所は88番、91番と協奏交響曲です。

ベームの交響曲はパリセットもザロモンセットもなく、その間をつなぐこのセットのみ。コンサートではどうだったのでしょうか。このセットではベームの全盛期の覇気と極上のウィーンフィルの響きを堪能できる名盤ということができるでしょう。今まであんまりちゃんと聴いてこなかったアルバムゆえ、いまさら感がありますが、皆さんにお薦めしたい名盤と言うことが出来るでしょう。

さて、今日もこれからスポーツクラブでひと泳ぎして、昨夜の焼酎を流してきます(笑) 今日はラックの掃除でもしましょうか。テレビでは東京競馬場のジャパンカップが。ブエナビスタ強いですね。府中は道が混みますね(笑)
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