ジャン=クロード・ペヌティエのピアノソナタ集
今日は昨日につづいてピアノソナタの最近入手したアルバムを紹介しましょう。

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昨夜、リヒテルの演奏いろいろ聴いて、ピアノソナタの心地よい響きが懐かしくなった次第。今月はワイゼンベルクのソナタを取り上げたくらいで、リヒテルを含めて3組目です。
取り上げたのは、ジャン=クロード・ペヌティエ(Jean-Claude Pennetier)のピアノの演奏による、ハイドンのピアノソナタXVI:50、XVI:51、XVI:52と変奏曲XVII:6の4曲。録音はソナタが1999年9月24~26日、変奏曲が2000年2月11日にマルセイユでのセッション録音。レーベルはLYRINXというレーベルのものですが、ジャケット裏面にはharmonia mundi distributionの記載が。harmonia mundi傘下になったということでしょうか。もう一つEnregistrement originarl DSDの表記がありますので、もともとDSD録音ということで音質については期待が高まりますね。
ピアニストのジャン=クロード・ペヌティエは、私はおそらくはじめて聴く人。1942年生まれのフランスのピアニスト。作曲家や指揮者としても活動している模様で、ピアニストとしてはフランスものなどが得意なようです。ネットを調べてみると、Tower Records Onlineに最近のインタビューが掲載されていましたのでリンクを張っておきましょう。
Jean-Claude Pennetier - インタビュー - TOWER RECORDS ONLINE
上の記事にもあるように、最近はフォーレのピアノ音楽全集の録音に着手しているようですね。他にはシューベルトのソナタ集が賞などをとっている模様ですね。
さて演奏です。このアルバムに収められた変奏曲は1793年、ソナタはすべて1794年~1795年とハイドンが61~63歳の頃の作品。この頃は1794年に第2回のロンドン旅行に出発し翌95年8月に帰途に着くと言う充実していた、かつ慌ただしかった頃の作品。ハイドンの傑作が多く生み出されていた頃ですね。
1曲目はXVI:50。音は非常に自然なもので、スタインウェイの迫力が十分つたわります。軽いタッチで1楽章の出だしの特徴的な曲想を描きます。テンポは中庸、途中から左手の低音のアクセントを強めにつけ、流れるような右手の高音のメロディーラインとの絡みの面白さを演出。ブレンデルに似たところもありますが、響きの変化の幅はブレンデルより若干大人しく、音量の変化はブレンデルよりメリハリがあると言う感じでしょうか。写真を見ると恰幅のよい人ですので、左手の低音の迫力はなかなかのもの。決して派手な演出ではなく、折り目正しい印象ものこしていますので、ハイドンのソナタとしては良い演奏だと思います。
続いて2楽章。これはなかなか見事ですね。リヒテルの澄み切った自然さには敵いませんが、つぶやくように奏でるフレーズはハイドンの傑作ソナタのアダージョを見事に聴かせています。最後の余韻が静寂に消え入るところは素晴しいですね。
3楽章は、2楽章の余韻を残しながらじっくり聴かせるパターン。フォルテッシモの部分の力強さと無音の静寂のコントラストの対比がポイントですね。
続いて短い2楽章構成のXVI:51。無防備に近い、すんなりとした入り。この曲は多くの演奏がこのパターン。この無防備さから流し弾きのようなちょっと荒っぽい指使いでだんだん変奏が膨らんでいきます。良い意味で弾き散らかすような表現で、曲の面白さを伝えようということでしょう。
2楽章は意外と軽めのタッチで前楽章の表現を受け継ぎます。さらさら弾いてあっという間に終了。
そして昨日リヒテルで聴いたXVI:52。こちらはオーソドックスに迫力重視の演奏。冒頭の一音から力感漲ります。前2曲と比べると若干速めのテンポ設定なんでしょう、緊密度も上がっています。あえて右手の高音のアルペジオをかなり柔らかめに漂うように弾くことで、左手のエネルギーとのコントラストをつけた展開。テンポの変化も大きめにつけて、曲を完全に掌握してコントロールしている感じですね。音量押さえる部分の抑制も十分効いて、コントラストも十分。このアルバムのなかで最も充実した表現でしょう。音響も十分美しく、いい1楽章ですね。
2楽章は最初のXVI:50と同様ですが、なぜかこちらの方が滑らかさに欠ける印象。リラックスしきらないような印象が残ります。1楽章が良かっただけにちょっと惜しいところ。
フィナーレは1楽章同様良いですね。すばらしい力感と速めのテンポ、気迫漲る感じです。最後はキレまくってうなり声のようなものが聴こえる部分もあります。終盤は早弾きのような快速テンポ。
最後は名曲、変奏曲XVII:6です。こんどはすこしゆっくり目で入り、わりと溜を効かせた弾き方で、フレーズごとの特徴をはっきりと描いて進めます。こちらは右手のメロディーラインの美しさを際立たせるように弾きます。
おそらくこのアルバムで一番の聴きものはこの変奏曲でしょう。テンポの揺らし方と曲想の表現がぴたりとあっていますね。時折みせる大きなうねりと強靭な響きも効果的。最後は素晴しい迫力で聴かせきってしまいます。
評価はソナタは全曲[++++]としました。XVI:52は[+++++]をつけても良いとは思ったんですが、2楽章の音楽性にちょっとマイナス要素となりましたね。通しで聴くと、やはり全体設計のような部分では1曲目のXVI:50の方が良い演奏かもしれませんね。変奏曲は[+++++]としました。
そろそろ月末に近づいてきましたので、今月のHaydn Disk of the Monthの心の準備をしておかなくてはなりませんね(笑)

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昨夜、リヒテルの演奏いろいろ聴いて、ピアノソナタの心地よい響きが懐かしくなった次第。今月はワイゼンベルクのソナタを取り上げたくらいで、リヒテルを含めて3組目です。
取り上げたのは、ジャン=クロード・ペヌティエ(Jean-Claude Pennetier)のピアノの演奏による、ハイドンのピアノソナタXVI:50、XVI:51、XVI:52と変奏曲XVII:6の4曲。録音はソナタが1999年9月24~26日、変奏曲が2000年2月11日にマルセイユでのセッション録音。レーベルはLYRINXというレーベルのものですが、ジャケット裏面にはharmonia mundi distributionの記載が。harmonia mundi傘下になったということでしょうか。もう一つEnregistrement originarl DSDの表記がありますので、もともとDSD録音ということで音質については期待が高まりますね。
ピアニストのジャン=クロード・ペヌティエは、私はおそらくはじめて聴く人。1942年生まれのフランスのピアニスト。作曲家や指揮者としても活動している模様で、ピアニストとしてはフランスものなどが得意なようです。ネットを調べてみると、Tower Records Onlineに最近のインタビューが掲載されていましたのでリンクを張っておきましょう。
Jean-Claude Pennetier - インタビュー - TOWER RECORDS ONLINE
上の記事にもあるように、最近はフォーレのピアノ音楽全集の録音に着手しているようですね。他にはシューベルトのソナタ集が賞などをとっている模様ですね。
さて演奏です。このアルバムに収められた変奏曲は1793年、ソナタはすべて1794年~1795年とハイドンが61~63歳の頃の作品。この頃は1794年に第2回のロンドン旅行に出発し翌95年8月に帰途に着くと言う充実していた、かつ慌ただしかった頃の作品。ハイドンの傑作が多く生み出されていた頃ですね。
1曲目はXVI:50。音は非常に自然なもので、スタインウェイの迫力が十分つたわります。軽いタッチで1楽章の出だしの特徴的な曲想を描きます。テンポは中庸、途中から左手の低音のアクセントを強めにつけ、流れるような右手の高音のメロディーラインとの絡みの面白さを演出。ブレンデルに似たところもありますが、響きの変化の幅はブレンデルより若干大人しく、音量の変化はブレンデルよりメリハリがあると言う感じでしょうか。写真を見ると恰幅のよい人ですので、左手の低音の迫力はなかなかのもの。決して派手な演出ではなく、折り目正しい印象ものこしていますので、ハイドンのソナタとしては良い演奏だと思います。
続いて2楽章。これはなかなか見事ですね。リヒテルの澄み切った自然さには敵いませんが、つぶやくように奏でるフレーズはハイドンの傑作ソナタのアダージョを見事に聴かせています。最後の余韻が静寂に消え入るところは素晴しいですね。
3楽章は、2楽章の余韻を残しながらじっくり聴かせるパターン。フォルテッシモの部分の力強さと無音の静寂のコントラストの対比がポイントですね。
続いて短い2楽章構成のXVI:51。無防備に近い、すんなりとした入り。この曲は多くの演奏がこのパターン。この無防備さから流し弾きのようなちょっと荒っぽい指使いでだんだん変奏が膨らんでいきます。良い意味で弾き散らかすような表現で、曲の面白さを伝えようということでしょう。
2楽章は意外と軽めのタッチで前楽章の表現を受け継ぎます。さらさら弾いてあっという間に終了。
そして昨日リヒテルで聴いたXVI:52。こちらはオーソドックスに迫力重視の演奏。冒頭の一音から力感漲ります。前2曲と比べると若干速めのテンポ設定なんでしょう、緊密度も上がっています。あえて右手の高音のアルペジオをかなり柔らかめに漂うように弾くことで、左手のエネルギーとのコントラストをつけた展開。テンポの変化も大きめにつけて、曲を完全に掌握してコントロールしている感じですね。音量押さえる部分の抑制も十分効いて、コントラストも十分。このアルバムのなかで最も充実した表現でしょう。音響も十分美しく、いい1楽章ですね。
2楽章は最初のXVI:50と同様ですが、なぜかこちらの方が滑らかさに欠ける印象。リラックスしきらないような印象が残ります。1楽章が良かっただけにちょっと惜しいところ。
フィナーレは1楽章同様良いですね。すばらしい力感と速めのテンポ、気迫漲る感じです。最後はキレまくってうなり声のようなものが聴こえる部分もあります。終盤は早弾きのような快速テンポ。
最後は名曲、変奏曲XVII:6です。こんどはすこしゆっくり目で入り、わりと溜を効かせた弾き方で、フレーズごとの特徴をはっきりと描いて進めます。こちらは右手のメロディーラインの美しさを際立たせるように弾きます。
おそらくこのアルバムで一番の聴きものはこの変奏曲でしょう。テンポの揺らし方と曲想の表現がぴたりとあっていますね。時折みせる大きなうねりと強靭な響きも効果的。最後は素晴しい迫力で聴かせきってしまいます。
評価はソナタは全曲[++++]としました。XVI:52は[+++++]をつけても良いとは思ったんですが、2楽章の音楽性にちょっとマイナス要素となりましたね。通しで聴くと、やはり全体設計のような部分では1曲目のXVI:50の方が良い演奏かもしれませんね。変奏曲は[+++++]としました。
そろそろ月末に近づいてきましたので、今月のHaydn Disk of the Monthの心の準備をしておかなくてはなりませんね(笑)
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