作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

前田ニ生/ムジカ・アウレアのオラトリオ四季

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今日は先日手に入れた珍しいアルバムを取り上げましょう。

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前田ニ生(まえだつぐお)指揮のムジカ・アウレアの演奏でハイドン最後のオラトリオ「四季」です。合唱は東京レディース・シンガーズと新東京室内合唱団、ソロはなぜかハンネが3人で、馬原裕子、内田郁美、常磐容子、ルーカスが畑儀文、サイモンが末吉利行という布陣。オーケストラのムジカ・アウレアのコンサートマスターは昨日聴きにいった読売日本交響楽団のコンサートマスターの1人である藤原浜雄さん。録音は2004年1月20日、東京の紀尾井ホールにおけるライヴ収録。

いままで、全くその存在を知らなかったアルバムですが、なんとBOOK OFFで見つけて手に入れた次第。もちろん、物珍しさとということもありますが、ご覧のジャケット写真を見てもわかるように、なかなかクラシカルなしっかりしたプロダクションもなにやら良さげな印象。ライナーノーツのつくりもしっかりしています。

レーベルはAURORA classicalというこちらもはじめてのレーベル。検索するとアマゾンなどに何枚かアルバムが出ているようですが、あまり情報がありません。

ようやく見つけた情報は合唱を担当した東京レディース・シンガーズのウェブサイト。この合唱団の指揮者は前田ニ生さんということですね。

東京レディース・シンガーズ

この合唱団はなぜか10枚以上もCDをリリースしており、西村朗、池辺晋一郎、中田喜直などをはじめとして、日本の歌など、サイト上23枚ものアルバムが紹介されています。中でも目を引くのが、本盤とオーストリアのPREISERレーベルからリリースされているアイネムのアルバム。いったいどうなっているのでしょうか。

ちょっとライナーノーツを見てみると、指揮者の前田ニ生さんは海外における活動が多く、1989年以降、16年連続でウィーン楽友協会(いわゆるムジークフェライン)における「ウィーン芸術週間コンサート」、「ハイドン記念週間コンサート」、「ウィーンの春音楽祭」等の主要イベントに16年間連続出演しているとのこと。

いやいや、全く知りませんでした。さて、では肝心の演奏は如何なるものでしょう。

春は冒頭から図太いオケのいい音。柔らかいオケの響きでリズム感がはっきりと出た演奏。オケは技術的にはほぼ問題ないですね。畳み掛けるようなキレはないんですが、穏やかな迫力があると言うか、農民の悦びを曲にした四季にはぴったりの素朴な音色でむしろ好感がもてるもの。ただ、外国語をカタカナで話すような本来のフレージングをわかりやすく解釈直して弾いているような日本人特有の表現も感じられなくはありませんが、この辺は逆にこの演奏ではわかりやすい演奏と言う意味でプラスにとらえられる範疇です。トラック8の後半に至り、オケのエンジンが出力を増して春のクライマックスを盛り上げます。力むところもなく、余裕をもちながら曲の頂点へ導くようなコントロール。

夏はくすんだ音色のオケから始まります。ハンネの美しいアリアなどを経たあと、第17曲の合唱「ああ、嵐が近づいた!」に至り、再びオケに力が漲ります。

CDの2枚目も最後の39曲のハイドン渾身の「それから、大いなる朝がやってきた」まで一気に聴いて、全体に大河の流れのような演奏の完成度にビックリした次第。最後は盛大な拍手を浴びて終了です。

録音は悪くありませんが、ソロがもうちょっと前に出てくるとなお良かったと思います。歌手は総じてまずまずの出来。場内を圧倒するというレベルではないんですが、安定感は悪くないですね。

評価は[++++]としました。オール日本人プログラムとしては大変良い出来だと思います。どうせだったら勢いにのって、天地創造のリリースもお願いしたいところですね(笑) 私は買います!
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