作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

リヒテルのソナタ録音

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私がハイドンのピアノソナタの演奏で最も好きなピアニストはリヒテルです。

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リヒテルのハイドンのソナタの録音は、DECCAからリリースされている86年、87年のライヴ録音のソナタ集2枚が現在も広く出回っています。その他にコンサートライヴ盤がいろんなレーベルからぽつぽつ出でいましたが、現在は廃盤になっているものも多いようです。ライヴ盤の構成を見ると、リヒテルはコンサートの冒頭でハイドンを一曲弾くというプログラムが多かったんじゃないかと思います。これらのライヴ盤をあわせて、現在手元には12枚のリヒテルのハイドンの録音を納めたCDがあります。

リヒテルのハイドンの演奏の特徴は、これ以上ないほどの厳しい力感の表現だと思います。
ハイドンのソナタはモーツァルトと同様、曲の構成はベートーベン以降のソナタと比べるとシンプルですが、それだけに弾き手の能力をさらけだしてしまうようなところもあります。
オルベルツが古典の規律を表現し、ブレンデルがピアノの響きの変化の面白さにスポットライトを当て、アムランが冴えるテクニックを隠して抑制の美学を表現したハイドンのソナタを、すべての指先の力を緻密にコントロールして音符を響き渡らせ、吹き上がる頂点と無風の湖面の輝きのようなピアニッシモまで自在に変化させながら一気に弾ききった演奏です。どこにも隙も緩むところもなく、剣術の名士の居合いを見ているような厳しさがあり、私はリヒテルの演奏からヨーロッパの伝統というよりは、不思議と和の心境に近い響きを感じます。

DECCA盤の以外のライヴ盤もほとんどムラのない秀逸な演奏ばかりです。XVI:29(94年)、XVI:20(92年)なんかは絶品。間違いなくハイドンのソナタ演奏の頂点の一つだと思います。

それぞれの録音の詳細と評価は、右のリストのPiano Sonata 1から3までで”Richter”で検索してみてください。
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