ベルガンサのオペラアリア集
今日はオペラのアリア集を。

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ジャケット写真に見覚えがある方、当ブログ通かアーノンクール通です(笑) なにを隠そう、先月末にレビューに取り上げたアーノンクールの天地創造のウィーン響との旧盤を収めたボックスなんですが、このボックスに収められたCDの6枚目が今日取り上げる演奏なんですね。アーノンクールの天地創造旧盤はすでに持っていたので、むしろこの演奏が手に入れたくてボックスを手に入れたかったという方が正直なところでしょう。
このボックスは先日も触れた通り、アーノンクールの天地創造、四季の旧盤、英語によるカンツォネッタ集、そしてベルガンサのアリア集ですが、ライナーノーツをよく見てみると、アーノンクールの演奏とカンツォネッタ集は旧TELDECレーベルのもの、ベルガンサのアリア集は旧ERATOレーベル、そしてCD6の最後にオフェトリウム(モテット)が1曲入っているんですが、これは統合後のWARNER CLASSICS & JAZZレーベルと、レーベル統合によってこのボックスが成り立っていることがわかります。昨今の音楽産業斜陽期では統合して合理化しないとやっていけないのでしょうが、こうゆうボックスがリリースされることはいいことなんでしょう。
このアルバムに収録されたオペラのアリアは、よく知られたハイドンの完成されたオペラからのものではなく、他の作曲家のオペラに挿入されるよう書かれたアリア。この辺の曲は所有盤リストにもきちんと曲を登録してなかったため、今日は半日がかりで曲リストの整理。いつもの大宮真琴氏の著書「新版ハイドン」の巻末の作品リストと首っ引きで曲を登録しました。PC用のブログの右ペインの中程の所有盤リストのOpera & Vocal 1の後半の曲を大幅に追記し、整理の上、ベルガンサの演奏も追記しました。未知の曲を登録するのは骨が折れますが、これもハイドン啓蒙の志を貫くため、淡々と進めます(笑)
収録曲はアリア、カンタータ、教会音楽など。ベルガンサのアリア集はレイモン・レッパード(Laymond Lepperd)指揮のスコットランド室内管弦楽団。録音は1982年3月、エジンバラのクィーンズ・ホールでのセッション録音。末尾のオフェトリウム(モテット)は、こちらのみ演奏はナイジェル・ショート指揮、合唱がテネブラエ(Tenebrae)、オケがヨーロッパ室内管弦楽団という取り合わせで、収録はだいぶあとの2003年4月3日、ロンドンのスミススクエア。
このアルバムの聴き所はなんといってもベルガンサの歌と、レイモン・レッパードの伴奏の出来。ベルガンサの歌曲は以前、当ブログでも1985年の歌曲のリサイタルのライヴ盤を取り上げていますので、リンクを張っておきましょう。
ハイドン音盤倉庫:ベルガンサの歌曲ライヴ
CD6の収録曲目ごとにレビューしていきましょう。
1曲目はチマローザのオペラのための挿入アリアでジャンニーナのアリア (Hob.XXIVb:18) 。1790年頃の曲。オペラっぽい序奏から、レッパードの伴奏はゆったりしたテンポと雰囲気満点でオペラの伴奏としては申し分なし。生気もライヴ感も十分。ベルガンサ特有の中低域の響きの美しい声で優しいフレーズを美しく歌い上げます。前半の最後の高音の聴かせどころのアクセントで実力をチラ見せ。後半はテンポを上げて高音を転がすようなこれまたベルガンサの魅力たっぷり。
2曲目はガッザニーガのオペラのためのアリア(編曲)でアガティーナのアリア(Hob.XXXIc:5) 。こちらは1780年頃の作曲。より本格的な古典派のアリアで、朗々としたソプラノの美しさを楽しめます。
3曲目はビアンキのオペラのための挿入アリアでエリッセーナのアリア (Hob.XXIVb:13) 。1787年頃の作曲。これは名曲ですね。ハイドンらしい清明な曲調が非常に美しい。ベルガンサの歌唱は途中から力漲る圧倒的な声量に。アリアの魅力炸裂です。6分弱の曲ですがベルガンサの声に溺れるようにとても楽しめます。
4曲目は教会音楽。カンティレーナ (Hob.XXIIId:1) 。この曲は1770年代前半の作曲。10分ちょうどと少々長めの曲で、オルガンが入ります。この曲もシンプルな曲調ながら、美しいメロディーに溢れた曲。ベルガンサはオペラとは歌い方が変わり、端正な表情ですが、高音に上がるところのアクセントの付け方がベルガンサらしいところ。
5曲目はコンサート用の曲でカンタータ「哀れな民、哀れな祖国」 (Hob.XXIVa:7)。1790年頃の作曲。この曲は他に私の好きなオジェーとホグウッドによる録音もあります。12分弱とこのCD最長の曲。穏やかな導入から激しい曲調に変わるかと思いきや、穏やかに戻ったり、面白い構成。ナクソスのアリアンナ同様本格的な構成で起承転結がはっきりしています。途中のゆったりした部分の迸る詩情が見事。終盤は夜の女王よりはおとなしいですがソプラノを楽器のように使った聴かせどころがあり、ベルガンサの芯のしっかりした高音を満喫。この曲もいい曲ですね。
6曲目はガッザニーガのさきほどとは別のオペラのための挿入曲でアルチーナのカヴァティーナ (Hob.XXIVb:9)。1786年の作曲。7曲目はチマローザのオペラのための挿入アリアでメルリーナのアリア (Hob.XXIVb:17)。こちらは1790年の作曲。両曲とも前半の挿入アリアと同様オペラの雰囲気を満喫できるいい出来です。
ベルガンサの最後の曲はパスティッチョ(寄せ集め)オペラからリンドーラのアリア (Hob.XXXIIb:1)。1789年の作曲。これもハイドンらしい端正ながら美しい旋律の宝庫。極上のアリアですね。
このCDの最後には教会音楽のオフェトリウム。激しい曲調のオケから始まる曲。キレの良いヨーロッパ室内管の鮮烈な響きと合唱が畳み掛けるような曲。この曲も良い出来ですが、ベルガンサの名唱の後に置かれたのはちょっとハンディでしょうか。
ベルガンサの歌唱は見事の一言。評価はベルガンサの全曲[+++++]、オフェトリウムは[++++]としました。このボックスはアーノンクールの覇気溢れる天地創造、四季の演奏を楽しめる上、ベルガンサの歌曲も絶品。これはおすすめですね。

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ジャケット写真に見覚えがある方、当ブログ通かアーノンクール通です(笑) なにを隠そう、先月末にレビューに取り上げたアーノンクールの天地創造のウィーン響との旧盤を収めたボックスなんですが、このボックスに収められたCDの6枚目が今日取り上げる演奏なんですね。アーノンクールの天地創造旧盤はすでに持っていたので、むしろこの演奏が手に入れたくてボックスを手に入れたかったという方が正直なところでしょう。
このボックスは先日も触れた通り、アーノンクールの天地創造、四季の旧盤、英語によるカンツォネッタ集、そしてベルガンサのアリア集ですが、ライナーノーツをよく見てみると、アーノンクールの演奏とカンツォネッタ集は旧TELDECレーベルのもの、ベルガンサのアリア集は旧ERATOレーベル、そしてCD6の最後にオフェトリウム(モテット)が1曲入っているんですが、これは統合後のWARNER CLASSICS & JAZZレーベルと、レーベル統合によってこのボックスが成り立っていることがわかります。昨今の音楽産業斜陽期では統合して合理化しないとやっていけないのでしょうが、こうゆうボックスがリリースされることはいいことなんでしょう。
このアルバムに収録されたオペラのアリアは、よく知られたハイドンの完成されたオペラからのものではなく、他の作曲家のオペラに挿入されるよう書かれたアリア。この辺の曲は所有盤リストにもきちんと曲を登録してなかったため、今日は半日がかりで曲リストの整理。いつもの大宮真琴氏の著書「新版ハイドン」の巻末の作品リストと首っ引きで曲を登録しました。PC用のブログの右ペインの中程の所有盤リストのOpera & Vocal 1の後半の曲を大幅に追記し、整理の上、ベルガンサの演奏も追記しました。未知の曲を登録するのは骨が折れますが、これもハイドン啓蒙の志を貫くため、淡々と進めます(笑)
収録曲はアリア、カンタータ、教会音楽など。ベルガンサのアリア集はレイモン・レッパード(Laymond Lepperd)指揮のスコットランド室内管弦楽団。録音は1982年3月、エジンバラのクィーンズ・ホールでのセッション録音。末尾のオフェトリウム(モテット)は、こちらのみ演奏はナイジェル・ショート指揮、合唱がテネブラエ(Tenebrae)、オケがヨーロッパ室内管弦楽団という取り合わせで、収録はだいぶあとの2003年4月3日、ロンドンのスミススクエア。
このアルバムの聴き所はなんといってもベルガンサの歌と、レイモン・レッパードの伴奏の出来。ベルガンサの歌曲は以前、当ブログでも1985年の歌曲のリサイタルのライヴ盤を取り上げていますので、リンクを張っておきましょう。
ハイドン音盤倉庫:ベルガンサの歌曲ライヴ
CD6の収録曲目ごとにレビューしていきましょう。
1曲目はチマローザのオペラのための挿入アリアでジャンニーナのアリア (Hob.XXIVb:18) 。1790年頃の曲。オペラっぽい序奏から、レッパードの伴奏はゆったりしたテンポと雰囲気満点でオペラの伴奏としては申し分なし。生気もライヴ感も十分。ベルガンサ特有の中低域の響きの美しい声で優しいフレーズを美しく歌い上げます。前半の最後の高音の聴かせどころのアクセントで実力をチラ見せ。後半はテンポを上げて高音を転がすようなこれまたベルガンサの魅力たっぷり。
2曲目はガッザニーガのオペラのためのアリア(編曲)でアガティーナのアリア(Hob.XXXIc:5) 。こちらは1780年頃の作曲。より本格的な古典派のアリアで、朗々としたソプラノの美しさを楽しめます。
3曲目はビアンキのオペラのための挿入アリアでエリッセーナのアリア (Hob.XXIVb:13) 。1787年頃の作曲。これは名曲ですね。ハイドンらしい清明な曲調が非常に美しい。ベルガンサの歌唱は途中から力漲る圧倒的な声量に。アリアの魅力炸裂です。6分弱の曲ですがベルガンサの声に溺れるようにとても楽しめます。
4曲目は教会音楽。カンティレーナ (Hob.XXIIId:1) 。この曲は1770年代前半の作曲。10分ちょうどと少々長めの曲で、オルガンが入ります。この曲もシンプルな曲調ながら、美しいメロディーに溢れた曲。ベルガンサはオペラとは歌い方が変わり、端正な表情ですが、高音に上がるところのアクセントの付け方がベルガンサらしいところ。
5曲目はコンサート用の曲でカンタータ「哀れな民、哀れな祖国」 (Hob.XXIVa:7)。1790年頃の作曲。この曲は他に私の好きなオジェーとホグウッドによる録音もあります。12分弱とこのCD最長の曲。穏やかな導入から激しい曲調に変わるかと思いきや、穏やかに戻ったり、面白い構成。ナクソスのアリアンナ同様本格的な構成で起承転結がはっきりしています。途中のゆったりした部分の迸る詩情が見事。終盤は夜の女王よりはおとなしいですがソプラノを楽器のように使った聴かせどころがあり、ベルガンサの芯のしっかりした高音を満喫。この曲もいい曲ですね。
6曲目はガッザニーガのさきほどとは別のオペラのための挿入曲でアルチーナのカヴァティーナ (Hob.XXIVb:9)。1786年の作曲。7曲目はチマローザのオペラのための挿入アリアでメルリーナのアリア (Hob.XXIVb:17)。こちらは1790年の作曲。両曲とも前半の挿入アリアと同様オペラの雰囲気を満喫できるいい出来です。
ベルガンサの最後の曲はパスティッチョ(寄せ集め)オペラからリンドーラのアリア (Hob.XXXIIb:1)。1789年の作曲。これもハイドンらしい端正ながら美しい旋律の宝庫。極上のアリアですね。
このCDの最後には教会音楽のオフェトリウム。激しい曲調のオケから始まる曲。キレの良いヨーロッパ室内管の鮮烈な響きと合唱が畳み掛けるような曲。この曲も良い出来ですが、ベルガンサの名唱の後に置かれたのはちょっとハンディでしょうか。
ベルガンサの歌唱は見事の一言。評価はベルガンサの全曲[+++++]、オフェトリウムは[++++]としました。このボックスはアーノンクールの覇気溢れる天地創造、四季の演奏を楽しめる上、ベルガンサの歌曲も絶品。これはおすすめですね。
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