作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

新倉瞳さん他のピアノ・トリオ

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今日は帰宅が10時過ぎ。やはり仕事が忙しいです(涙) 忙しくてもレビューはしなければなりません。

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人気ブロガーとしても有名な新倉瞳さん他のメンバーによるハイドンのピアノ・トリオ39番(Hob.XV:25)とメンデルスゾーンのピアノ・トリオ1番の2曲を集めたアルバム。
ヴァイオリンが凬谷直人、チェロが新倉瞳、ピアノが沼沢淑音の3人のトリオ。皆さん1985年から87年までの生まれなので20代と若い組み合わせ。

新倉瞳さんのブログのリンクを張っておきましょう。

新倉瞳オフィシャルブログ「瞳の小部屋」

録音は2010年(今年!)2月20日、21日、東京エレクトロン韮崎文化ホールでのセッション録音。レーベルはFlorestanというプロダクションも兼ねているような事務所でしょう。

曲目はハイドンとメンデルスゾーンのピアノ・トリオですが、当ブログで取り上げるのは当然ハイドンの方のみ。
この曲は作曲が1795年頃ということで、ハイドン63歳、交響曲でいえば102番から104番ロンドンまでを作曲していた時期。2年後には天地創造の作曲に着手するというハイドン円熟の時期の作品。この曲の3楽章は通称「ジプシー・ロンド」と呼ばれ、ジプシー風のメロディーで知られる曲。

演奏は全体に日本人ならではの繊細かつ透明感あふれた佳演。
1楽章は思ったより遅めのテンポではじまり、ヴァイオリンとピアノの一体感あるデュオにチェロが合わせている感じ。ヴァイオリンもチェロも灰汁の強いところは一切見せず、ある意味淡々と進めていきます。最新の録音だけあって音の実体感と響きの美しさが際立ついい録音。生で聴いたら室内楽の悦びを感じられそうですが、録音ということになると、もう一つ踏み込みがあってもいいかもしれません。アンサンブルの精度はきっちりしており、悪くありません。ヴァイオリンは非常に几帳面な感じですが、もう少し色っぽさがあったら華がでてよかったんでしょう。

2楽章はピアノの堂々としたメロディーが基調となり、ヴァイオリンとチェロがそのまわりを駆け巡るような曲調。2楽章の方が作為がなくても聴けてしまう自然な曲調。徐々に調子が上がり、メロディーに張りと厚みが漲ってきます。その勢いを保ったまま3楽章、「ジプシー・ロンド」へ。

3楽章はリズムが弾み、ピアノのダイナミックレンジも広がってきます。相変わらずテンポは大きく変化させませんがジプシー風のメロディーの部分はあえて小節を利かせて重めな展開。最後まで繊細感、透明感あふれる基本的なアンサンブルの精度のいい演奏でした。

視点を変えると、ちょっと個性が弱いといった面もあるかと思いますが、ハイドンのピアノ・トリオの重要曲を最新の良い録音でとらえた演奏を選ぼうとすると、いい演奏として選択肢に上がる演奏かもしれません。

評価は[++++]としました。ただし、このアルバム、曲名の作品番号がHob.25と誤った番号だったり、最後の英語表記のホール名の綴りが間違っていたり、ちょっと造りが粗いのが残念なところ。せっかくのいい演奏なので、この辺はレーベルがもう少し気をつけた方がいいと思います。

ピアノ・トリオはまだ当ブログで取り上げていませんので、今月は何組か取り上げようと思っています。
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