オットー・クレンペラーのトリノの時計
先日とりあげたCoupletレーベルのクレンペラーの時計。録音年は1950年と記載されていますが、その通りかどうかはわかりません。今日は同じくクレンペラーの時計ですが、別のものを。

オットー・クレンペラー指揮のトリノRAI交響楽団によるハイドンの交響曲101番「時計」。録音は1956年12月21日、トリノのRAIオーディトリアムでの録音。レーベルはMEMORIES REVERENCE。このアルバムには、他に同日の録音であるストラヴィンスキーの「プルチネッラ」、ショスタコーヴィチの交響曲9番、リヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」と同年12月17日、同会場でのベートーヴェンの交響曲1番、シューベルトの「未完成」、ワーグナーの「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲などが収められています。
時計は先日とりあげたCouplet盤よりも後年の録音とされますが、録音は直接音重視で、厚みはあまりありません。残響の少ない会場で、乾いた音のオケを収録している感じですね。前掲盤が響きと厚みによる聴きやすさが大きな特徴だっただけにちょっとマイナス材料でしょうか。
1楽章は、クレンペラーらしく揺るぎないテンポで進めますが、響きの乏しい音響と厚み不足で、かなり想像力を要する音。ヴァイオリンの奏者の精度もいまいちで、ちょっと高音が荒めなのが惜しいところ。低音の盛り上がりもちょっと欠けていて、スケール感もCouplet盤にだいぶ差を付けられてます。演奏の精度は悪くはありませんので、録音によってはオオバけした演奏かもしれません。
2楽章はリズムが重いというよりは、平坦過ぎる感じ。私自身の経験から言えば、このくらいのリズムの方が無理なく全曲を演奏できそうですが、時計が刻むリズムがちゃんと刻まれるか若干心配も残ります。中ほど以降の変奏の迫力も今ひとつ盛り上がりません。後半転調をして足取りを確かにする場面以降も想像上の演奏はクレンペラーの揺るぎない感じを保ちますが、実際はちょっと寂しいものがあります。
3楽章のメヌエット。厚みは前楽章どおりですが、途中でクレンペラーのものかわかりませんが指示をだすような、唸るような低い声が入ります。ティンパニーが遠くで軽く鳴る感じが面白くもあります。この楽章はキレもよく割と楽しめます。
そしてフィナーレは前楽章の勢いをそのまま保ちながら入ります。意外にヴァイオリンの旋律の速いパッセージのメリハリが決まっていい流れ。後半は明らかにオケの生気が漲るようになり、覇気に溢れてきます。3楽章、4楽章は1楽章とは別次元の仕上がり。すこし腰が落ち着かないほどテンポを上げて最後を盛り上げます。最後の盛り上がりは録音を差し引いてもなかなかなもの。盛大な拍手を浴びながらフェードアウト。
評価は前半のテンションの低さがちょっと足を引っ張ったように感じます。結局[+++]としました。録音がもう少し厚みがあれば演奏のリアリティを伝えられたんだと思います。
興味深かったのは、CD1の終わりに入っているショスタコーヴィチの9番。諧謔性の宝庫と言われる曲を晩年のクレンペラーの孤高の表現で聴ける悦び。ハイドンとは別の意味でクレンペラーの凄みを感じます。
あと、クレンペラーの時計で取り上げていないのは本命EMI盤ということになりますね。こちらもそのうち取り上げなくてはなりませんね。

オットー・クレンペラー指揮のトリノRAI交響楽団によるハイドンの交響曲101番「時計」。録音は1956年12月21日、トリノのRAIオーディトリアムでの録音。レーベルはMEMORIES REVERENCE。このアルバムには、他に同日の録音であるストラヴィンスキーの「プルチネッラ」、ショスタコーヴィチの交響曲9番、リヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」と同年12月17日、同会場でのベートーヴェンの交響曲1番、シューベルトの「未完成」、ワーグナーの「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲などが収められています。
時計は先日とりあげたCouplet盤よりも後年の録音とされますが、録音は直接音重視で、厚みはあまりありません。残響の少ない会場で、乾いた音のオケを収録している感じですね。前掲盤が響きと厚みによる聴きやすさが大きな特徴だっただけにちょっとマイナス材料でしょうか。
1楽章は、クレンペラーらしく揺るぎないテンポで進めますが、響きの乏しい音響と厚み不足で、かなり想像力を要する音。ヴァイオリンの奏者の精度もいまいちで、ちょっと高音が荒めなのが惜しいところ。低音の盛り上がりもちょっと欠けていて、スケール感もCouplet盤にだいぶ差を付けられてます。演奏の精度は悪くはありませんので、録音によってはオオバけした演奏かもしれません。
2楽章はリズムが重いというよりは、平坦過ぎる感じ。私自身の経験から言えば、このくらいのリズムの方が無理なく全曲を演奏できそうですが、時計が刻むリズムがちゃんと刻まれるか若干心配も残ります。中ほど以降の変奏の迫力も今ひとつ盛り上がりません。後半転調をして足取りを確かにする場面以降も想像上の演奏はクレンペラーの揺るぎない感じを保ちますが、実際はちょっと寂しいものがあります。
3楽章のメヌエット。厚みは前楽章どおりですが、途中でクレンペラーのものかわかりませんが指示をだすような、唸るような低い声が入ります。ティンパニーが遠くで軽く鳴る感じが面白くもあります。この楽章はキレもよく割と楽しめます。
そしてフィナーレは前楽章の勢いをそのまま保ちながら入ります。意外にヴァイオリンの旋律の速いパッセージのメリハリが決まっていい流れ。後半は明らかにオケの生気が漲るようになり、覇気に溢れてきます。3楽章、4楽章は1楽章とは別次元の仕上がり。すこし腰が落ち着かないほどテンポを上げて最後を盛り上げます。最後の盛り上がりは録音を差し引いてもなかなかなもの。盛大な拍手を浴びながらフェードアウト。
評価は前半のテンションの低さがちょっと足を引っ張ったように感じます。結局[+++]としました。録音がもう少し厚みがあれば演奏のリアリティを伝えられたんだと思います。
興味深かったのは、CD1の終わりに入っているショスタコーヴィチの9番。諧謔性の宝庫と言われる曲を晩年のクレンペラーの孤高の表現で聴ける悦び。ハイドンとは別の意味でクレンペラーの凄みを感じます。
あと、クレンペラーの時計で取り上げていないのは本命EMI盤ということになりますね。こちらもそのうち取り上げなくてはなりませんね。
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