作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

アンセルメの交響曲85番「王妃」

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今日はアンセルメのハイドン。

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おなじみBBC LEGENDSからの1枚。エルネスト・アンセルメ(Ernest Ansermet)指揮のBBC交響楽団。録音は1964年2月2日、BBCスタジオでの収録。このアルバムの収録曲はハイドンの交響曲85番「王妃」、ドビュッシーの夜想曲、イベリア、ベートーヴェンの交響曲4番、バルトークの管弦楽のための協奏曲、そしてアンセルメがドビュッシーについて語ったインタビューなど。

アンセルメは1883年生まれということで、生まれはクレンペラーより2歳年上ということになります。亡くなったのが1969年ですので、亡くなる約5年前、81歳の最晩年の演奏ということになります。

何度かふれているように、アンセルメは好きな指揮者の一人。つぼにはまったときのアンセルメの演奏は鬼気迫るものがあります。アンセルメの十八番であるファリャの三角帽子の身の毛もよだつようなリズムと畳み掛ける迫力は素晴しいものがあります。LP時代にはロシアもの、フランスものなどずいぶん聴きました。アンセルメのつぼにはまったハイドンは素晴しいのではないかとの憶測も働きます。

アンセルメはフランスもの、ロシアものなどのスペシャリストと思われていますので意外かもしれませんが、ハイドンの録音は少なくなく、パリセットや哲学者などの録音が知られており、本盤もその1枚。もしかしたらコンサートなどではよく取り上げられていたのかもしれませんね。

85番「王妃」は1785年頃に作曲された曲。最近よく取り上げる、モーツァルトがハイドンにハイドン・セットを献呈した年ですね。「王妃」という名前は、当時フランス王妃マリー・アントワネットがお気に入りの曲だったことにちなむものとの説もあるようですね。

さて、肝心の演奏ですが、1楽章の入りはアンセルメ独特の、流麗とはちょっと逆な相手に緊張を強いるような節回し。全体の骨格を骨太に描き、鋭いリズムにのってメロディーを奏でますが、指揮の主眼は心地よさや流麗さにあるのではなく、音階の正確さとかデュナーミクがきっちりしていることなどに感心があるよう。音量の変化を観測して再現しているような厳格にコントロールされているような響き。
2楽章はアレグレットゆえ思ったほど遅くなく、かなりさっぱり淡々とすすめます。後半に入りフルートが目立ち気味に入ったりしてメリハリを付けます。
3楽章のメヌエットもややあっさりした演奏。7分の力で全体の様子を眺めながら、さりげなく目立つアクセントをつけたり、木管の饐えた音色を目立たせたりしてちょっと遊んでいます。
フィナーレはテンポは中庸ながら、意図的に少しだけリズムを重めににしてフィナーレのスケール感を出そうとしているように聴こえます。最後も比較的あっさり終わります。
クリーンヒットを期待したんですが、内野安打といったところでしょうか。アンセルメの特徴はでているんですが、迫力というか、もう一歩の踏み込みが欲しいのも正直なところ。

録音は1964年の水準といったところでしょうか。鮮明さに限界はあるものの、聴きにくい音ではなく鑑賞に差し支えありません。

評価は[+++]としました。

今週末は台風、もとい、アーノンクールの天地創造をサントリーホールに聴きにいきます。バッハのロ短調ミサは評判が良かったようですし、情報によればアーノンクールがヨーロッパの外で行う最後のツアーとのこと。神様降臨と相成りますでしょうか?
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