作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ムーティ/ベルリン・フィルの十字架上のキリストの最後の七つの言葉

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昨日、ブリュッヘンの演奏で曲の魅力を再認識。ここは現代楽器の演奏を取り上げなくては。

MutiBerliner7.jpg

リッカルド・ムーティ(Riccardo Muti)指揮のベルリン・フィルの演奏。1991年2月、ベルリンのイエス・キリスト教会でのセッション録音。このアルバムは残念ながら現在廃盤の模様。

ムーティはこの曲を得意としていたようで、録音もいくつかありますので列記しておきましょう。詳しくはリンクをご覧ください。

Orchestral, Concerto - Haydn Recordings Archive

Muti, Wiener Philharmoniker (25 August 1982/Live) [6'05/7'20/7'16/7'52/6'36/7'42/7'15/8'30] EMI CLASSICS 5 67423 2
Muti, Berliner Philharmoniker (February 1991) [6'00/6'43/6'37/7'05/5'42/6'33/6'42/6'11/1'46] PHILIPS 434 994-2
Muti, Filarmonica della Scala (20 November 2000/Live) [6'29/7'59/7'46/7'43/7'07/7'11/7'38/6'29/1'25] DVD EMI CLASSICS 7243 5 99401 9 9

最初が1982年のザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィルとのライヴ。2番目が今日の演奏。そして3番目が2000年のスカラ座管弦楽団とのライヴを収めたDVD。セッション録音は今日のアルバムだけで、しかもベルリン・フィルとの組み合わせという豪華絢爛な組み合わせ。

ムーティは以前、天地創造のDVDを取り上げていますので、そのときの記事を貼付けておきます。

ハイドン音盤倉庫:天地創造 名演の映像

前に書いたとおり、昔はあまり好きな指揮者ではなかったんですが、最近は巨匠風の演奏をする最後の世代として演奏に華がある指揮者の代表のような存在となり、わりと好きな指揮者になりました。
やはりイタリアもののオペラの演奏など素晴しい統率で別格の存在ですが、意外とよかたのが、ウィーン・フィルと入れたモーツァルトの後期交響曲。柔らかく、色っぽく、力が抜けていい演奏でした。

さてさて、肝心のハイドンの演奏。

昨日のブリュッヘンの現代音楽を交えた凝った企画とは打って変わって、こちらは間奏曲も朗読もなく序奏から7つのソナタと最後の地震の場面までをゆったり演奏する普通のもの。

演奏の特徴はムーティの色っぽいダンディズムを根底に感じる、ベルリン・フィルの分厚い音色の弦セクションを中心としたイタリア人指揮者らしい流麗な演奏。テンポはゆったりで、フレージングはよく溜めながらしつこくなく力みも感じない、バランスのいい演奏です。セッション録音だけあって、全曲ムラのない仕上がり。
この頃のベルリン・フィルは1989年にカラヤンが亡くなり、1990年に始まるクラウディオ・アバドの時代が始まったばかり。カラヤン時代の重厚な唸る低音弦の魅力から、透明感と歌を主体としたアバドの時代に変わりつつあるものの、他のオケと比較して、弦楽セクションの厚みと芯のしっかりした音響はやはりベルリン・フィルと唸らされるもの。完全にムーティの支配下となり巨匠風の統率と秩序を与えられたベルリン・フィルの迫力は素晴しいものがあります。これはベルリン・フィルの分厚い響きに打たれるべき名演奏でしょう。

中でもトラック7の第6ソナタのクライマックスの盛り上がりと陰影の深いフレージングと、最後の地震の情景が見事。ブリュッヘンの地震がオケの響きの変化と松ヤニが飛び散らんばかりのキレのいい迫力だったのに対し、ムーティとベルリン・フィルの地震はベルリン・フィルの畳み掛けるような分厚い弦楽セクションの迫力で聴かせるもの。

録音はベルリン・フィルハーモニーではくイエス・キリスト教会なので、厚みも残響も豊かで絶好の録音。

評価はこちらも[+++++]としました。古楽器の演奏のような時代考証的視点はありませんが、実際に教会の空間で聴くとしたらムーティの颯爽とした演奏も説得力十分ですね。

明日は、会社を休んで(有休たまってます!)、両親をつれて一泊二日の伊豆旅行。そのためブログの更新もできません。次の更新は土曜日の夜だと思いますのでよろしくお願いします。
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