作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

フルニエ/クーベリックのチェロ協奏曲2番

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昨日到着したアルバムをもう一つ。

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フルニエのチェロ協奏曲はこれまで、当ブログで2回にわたり取り上げてきました。

ハイドン音盤倉庫:フルニエ/ヨッフムのチェロ協奏曲
ハイドン音盤倉庫:フルニエ/バウムガルトナーのチェロ協奏曲1番

このアルバムはそれらとはまた別の演奏で、チェロの貴公子、ピエール・フルニエの録音を7枚のCDにまとめたもの。この中にハイドンの曲が1曲含まれています。チェロ協奏曲2番。ラファエル・クーベリック指揮のフィルハーモニア管弦楽団との1951年5月26、27日、ロンドンのアビーロードスタジオでの録音。プロデューサーはワルター・レッグという素晴しい組み合わせ。ただし、この演奏には注記があります。曲名の後に(arr. Gevaert)の記載が。これは調べたところハイドンのチェロ協奏曲の自筆譜にもとづくオリジナル曲が知られる前に普及していたGevaert Editionと呼ばれる楽譜にもとづく演奏。オリジナルと比較するといろいろ違いがあるんでしょうが、一聴すると純粋度が低いというか、一般受けするよういろいろ改変があるように聴こえますが、楽譜を比較して(比較できる訳ではありません、、、笑)いる訳ではないので、この辺は詳しい方の解説に譲りたいと思います。

肝心の演奏の印象です。

1楽章はフィルハーモニア管の柔らかい音色の序奏で始まります。クーベリックによるいつもながら安定度の高いオーケストラ。録音も1951年としては悪くありません。フルニエのチェロはオーケストラに完全に依存しきった落ち着いたもの。火花が散るどころか伴奏に一体化したような弾き方。テンポはゆったり目なんですが、チェロがオケに若干おくれている感じ。この辺がこの演奏の評価を左右しそうな気がします。チェロの音色自体はフルニエらしい独特の節回しが味わい深いですが、音程のふらつきを感じる部分もあり、万全の録音とは言い難い感じですね。ただし、カデンツァはこのゆったり感を生かして味わい深くチェロを鳴らしきった、なかなかいいカデンツァ。
2楽章は枯淡の境地。クーベリックらしく強弱の幅はほどほどながら、一定のテンポで支え、その上でフルニエが比較的自由に弾いています。相変わらず情緒に流されないところは流石。
3楽章もクーベリックの味わい深いオーケストラに乗ってチェロが自在に運ぶ感じですが、やはりチェロのテンポが若干遅れるのに加え、オケも少々重くバウムガルトナー盤で見られた3楽章の振り切れんばかりフルニエのキレが見られません。ずっと古い演奏ながら、演奏のスタンスは老成を目指したような展開。

楽譜の問題もありますが、演奏全体にノスタルジックなヴェールがかかっている感じですね。フルニエのこれまでの演奏とは異なる一面を知ることができました。

この演奏の評価は[+++]としました。情報をいただいたyshida10さん、ありがとうございました。私自身はあまりスタイルの好みもなくいろいろ聴いていますし、他の人がどう聴いているのかにも非常に興味があり、今回の演奏にも耳を傾けるべき価値がありました。フルニエには不思議な魅力があり、テクニックにとどまらない何か人を惹き付けるものがありますね。

このアルバムのハイドン以外の演奏も、あとでゆっくり聴いてみたいと思います。

フルニエにはあとTESTAMENTにもミュンヒンガーとの協奏曲の録音があり、こちらも捕獲候補リストに入れてスタンバっています。入手できましたらあらためてレビュー致します。
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