アーノンクールのハルモニーミサ
今日もう一枚はアーノンクールのハルモニーミサ。

手元の盤は上のアルバム。以前バラでリリースされていたものです。

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TOWER RECORDS
こちらは現行盤のミサ曲を集めた6枚組。こちらを手に入れればアーノンクールのハイドンのミサ曲の録音はすべて手中にできます。廉価なので、今手に入れるならこちらでしょう。
アーノンクールの指揮によるウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、アーノルド・シェーンベルク合唱団の演奏。収録曲目はハルモニーミサ、カンタータ「今いかなる疑いが」XXIVa:4、テ・デウムXXIIIc:1の3曲。ソロはソプラノがエヴァ・メイ(Eva Mei)、コントラルトがエリザベス・フォン・マグヌス(Elisabeth von Magnus)、テノールがヘルベルト・リッペルト(Herbert Lippert)、バスがオリバー・ウィドマー(Oliver Widmer)という陣容。1998年7月、オーストリア南部のグラーツのそばの町シュタインツのPfarrkircheという教会での録音。
最近はアルバムのレビューの際には録音場所を調べるようにしています。何となく録音が行われたロケーションも演奏の出来に関係ありそうな気がしているからと、日本という辺境の地でハイドンを聴くということで、ヨーロッパの文化、伝統などにつながる情報をなるべく得ようと思うからです。
今回シュタインツを調べると、シュタイリアルテ(Styriarte)という音楽祭の存在がわかりました。今でもアーノンクールがメインの演奏を担当する音楽祭です。アーノンクールはすぐそばのグラーツの生まれとのことで、合点がいきました。
このシュタイリアルテのウェブサイトにはなんと日本語の解説もアップされているので、リンクを張っておきましょう。
STYRIARTEのウェブサイト(英文)
シュタイリアルテの日本語案内
録音場所であるPfarrkircheの写真
上記リンクの写真を見ると、素晴しい内装の教会であることがわかります。歴史の重みが伝わりますね。
さて、肝心の演奏です。
まずはハイドン最後のミサ曲、ハルモニーミサ。アーノンクールの声楽曲は先日天地創造の新盤を取り上げました。記事は下記をご参照ください。
ハイドン音盤倉庫:灰汁の抜けたアーノンクールの天地創造新盤
この録音は天地創造新盤の2003年から5年前の1998年の録音。天地創造がアーノンクールのトレードマークであるくどい小節と鋭角性が抜けて穏やかな演奏になったものの、やはりはっきりとアーノンクールとわかる個性的な演奏であり、その個性が評価上のポイントでした。素晴しい精度の演奏ながら、時折かいま見せるアーノンクール節がやはり気になるというのが正直なところでした。
こちらのハルモニーミサの方は、逆に虚心坦懐に楽譜に忠実な演奏を心がけているように聴こえます。全体にメリハリを利かせたアーノンクールとわかる節回しながら、不思議とくどさを感じさせないところが評価の分かれ目となります。
入りはアーノンクール独特のフレーズを分解して再構築したような分析的なコンセプトを感じさせますが、音響は残響の豊かな教会の響きにつつまれて、不思議と穏やかな表情に聴こえます。録音も実体感も残響も程よくバランスがとれて非常に聴きやすい名録音ですね。この組み合わせの録音はいつもながら演奏の精度は抜群に高く、演奏者一人一人の技術も素晴しいもの。演奏の成否はアーノンクールのコントロールが握っているといっていいでしょう。ソロは声がそろって抜群の出来と言っていいでしょう。ソプラノのエヴァ・メイは透明感のある若々しい爽やかな声、テノールのリッペルトも爽やか系でトーンが合ってます。
印象的なのは導入のキリエ(トラック1)、ソロの競演を楽しめるトラック3、静寂から合唱が浮かび上がるサンクトゥス(トラック8)、溶け合うソロの応酬が聴き所のアニュス・デイ(トラック9)といったところでしょうか。
2曲目はカンタータ「今いかなる疑いが」XXIVa:4。この曲はシュペリング指揮のharmonia mundi盤でその存在を知った曲。明るい曲調で素晴しい高揚感のある演奏。シュペリングのキリッとしたコントロールもいいですが、アーノンクールの小節の効いた表現もいいですね。
1トラック目(トラック12)がレシタティーヴォ。オーケストラによるオペラの1場面のような曲。エヴァ・メイによる語り。2トラック目がアリア、オケとオルガンの華麗な曲に乗ってソプラノの可憐な歌声が響き渡ります。エヴァ・メイの絶唱! 明るくシンプルな曲調だけに歌の善し悪しが浮き彫りになってしまう可能性もありますが、伸びのある声で見事に聴かせきってしまいます。そして3トラック目が再びレシタティーヴォ、そしてコーラスで曲を終わります。この曲は親しみやすい名曲ですね。
そして最後がXXIVa:4、テ・デウムXXIIIc:1。7分ほどの小曲です。ソロ4声と4声合唱とオケのための曲。この曲は最後に流した感じもあります。力がぬけてそこそこいい感じですね。
評価はハルモニーミサとカンタータ「今いかなる疑いが」XXIVa:4が[+++++]、テ・デウムが[++++]としました。天地創造の新盤よりもセッション録音だけに良い出来ということになりますね。
アーノンクールにはいろいろ録音がありますので、まだまだレビューに取り上げなくてはなりませんね。

手元の盤は上のアルバム。以前バラでリリースされていたものです。

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こちらは現行盤のミサ曲を集めた6枚組。こちらを手に入れればアーノンクールのハイドンのミサ曲の録音はすべて手中にできます。廉価なので、今手に入れるならこちらでしょう。
アーノンクールの指揮によるウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、アーノルド・シェーンベルク合唱団の演奏。収録曲目はハルモニーミサ、カンタータ「今いかなる疑いが」XXIVa:4、テ・デウムXXIIIc:1の3曲。ソロはソプラノがエヴァ・メイ(Eva Mei)、コントラルトがエリザベス・フォン・マグヌス(Elisabeth von Magnus)、テノールがヘルベルト・リッペルト(Herbert Lippert)、バスがオリバー・ウィドマー(Oliver Widmer)という陣容。1998年7月、オーストリア南部のグラーツのそばの町シュタインツのPfarrkircheという教会での録音。
最近はアルバムのレビューの際には録音場所を調べるようにしています。何となく録音が行われたロケーションも演奏の出来に関係ありそうな気がしているからと、日本という辺境の地でハイドンを聴くということで、ヨーロッパの文化、伝統などにつながる情報をなるべく得ようと思うからです。
今回シュタインツを調べると、シュタイリアルテ(Styriarte)という音楽祭の存在がわかりました。今でもアーノンクールがメインの演奏を担当する音楽祭です。アーノンクールはすぐそばのグラーツの生まれとのことで、合点がいきました。
このシュタイリアルテのウェブサイトにはなんと日本語の解説もアップされているので、リンクを張っておきましょう。
STYRIARTEのウェブサイト(英文)
シュタイリアルテの日本語案内
録音場所であるPfarrkircheの写真
上記リンクの写真を見ると、素晴しい内装の教会であることがわかります。歴史の重みが伝わりますね。
さて、肝心の演奏です。
まずはハイドン最後のミサ曲、ハルモニーミサ。アーノンクールの声楽曲は先日天地創造の新盤を取り上げました。記事は下記をご参照ください。
ハイドン音盤倉庫:灰汁の抜けたアーノンクールの天地創造新盤
この録音は天地創造新盤の2003年から5年前の1998年の録音。天地創造がアーノンクールのトレードマークであるくどい小節と鋭角性が抜けて穏やかな演奏になったものの、やはりはっきりとアーノンクールとわかる個性的な演奏であり、その個性が評価上のポイントでした。素晴しい精度の演奏ながら、時折かいま見せるアーノンクール節がやはり気になるというのが正直なところでした。
こちらのハルモニーミサの方は、逆に虚心坦懐に楽譜に忠実な演奏を心がけているように聴こえます。全体にメリハリを利かせたアーノンクールとわかる節回しながら、不思議とくどさを感じさせないところが評価の分かれ目となります。
入りはアーノンクール独特のフレーズを分解して再構築したような分析的なコンセプトを感じさせますが、音響は残響の豊かな教会の響きにつつまれて、不思議と穏やかな表情に聴こえます。録音も実体感も残響も程よくバランスがとれて非常に聴きやすい名録音ですね。この組み合わせの録音はいつもながら演奏の精度は抜群に高く、演奏者一人一人の技術も素晴しいもの。演奏の成否はアーノンクールのコントロールが握っているといっていいでしょう。ソロは声がそろって抜群の出来と言っていいでしょう。ソプラノのエヴァ・メイは透明感のある若々しい爽やかな声、テノールのリッペルトも爽やか系でトーンが合ってます。
印象的なのは導入のキリエ(トラック1)、ソロの競演を楽しめるトラック3、静寂から合唱が浮かび上がるサンクトゥス(トラック8)、溶け合うソロの応酬が聴き所のアニュス・デイ(トラック9)といったところでしょうか。
2曲目はカンタータ「今いかなる疑いが」XXIVa:4。この曲はシュペリング指揮のharmonia mundi盤でその存在を知った曲。明るい曲調で素晴しい高揚感のある演奏。シュペリングのキリッとしたコントロールもいいですが、アーノンクールの小節の効いた表現もいいですね。
1トラック目(トラック12)がレシタティーヴォ。オーケストラによるオペラの1場面のような曲。エヴァ・メイによる語り。2トラック目がアリア、オケとオルガンの華麗な曲に乗ってソプラノの可憐な歌声が響き渡ります。エヴァ・メイの絶唱! 明るくシンプルな曲調だけに歌の善し悪しが浮き彫りになってしまう可能性もありますが、伸びのある声で見事に聴かせきってしまいます。そして3トラック目が再びレシタティーヴォ、そしてコーラスで曲を終わります。この曲は親しみやすい名曲ですね。
そして最後がXXIVa:4、テ・デウムXXIIIc:1。7分ほどの小曲です。ソロ4声と4声合唱とオケのための曲。この曲は最後に流した感じもあります。力がぬけてそこそこいい感じですね。
評価はハルモニーミサとカンタータ「今いかなる疑いが」XXIVa:4が[+++++]、テ・デウムが[++++]としました。天地創造の新盤よりもセッション録音だけに良い出来ということになりますね。
アーノンクールにはいろいろ録音がありますので、まだまだレビューに取り上げなくてはなりませんね。
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