ロストロポーヴィチのチェロ協奏曲
今日はもう一つ。大御所ロストロポーヴィチのチェロ協奏曲のDVDです。

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水曜にHMV ONLINEから到着したものの一つ。調べてみたら、所有しているCDとほぼ同じ時期の演奏であることがわかりました。ついでにCDも紹介しておきましょう。

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今回手に入れたDVDはハイドンのチェロ協奏曲1番、2番とピアノ協奏曲(XVIII:11)を収めたもの。チェロ協奏曲の方はロストロポーヴィチのチェロに日本語呼称アカデミー室内管弦楽団。DVDではコンサートマスターの名にアイオナ・ブラウンの名があります。ピアノ協奏曲の方はオメロ・フランセシュのピアノにネヴィル・マリナー(この頃はサーがついていない??)指揮のアカデミー室内管弦楽団の演奏。チェロ協奏曲が1975年11月のヘンリーウッド・ホールでの録画、ピアノ協奏曲は1982年11月、バイロイトの教会のような場所での録画です。
一方CDの方のチェロ協奏曲はまったく同じ1975年11月の録音ですが、サイトはヘンリーウッド・ホールではなくアビーロードスタジオ。演奏時間も異なることから、同時期ながら別音源だと思います。また、CDの方はロストロポーヴィチとブラウンの双方にDirectionの表記があり、このあたりも微妙に違いますね。
私はロストロポーヴィチといえば、脳裏からはなれない鮮烈な演奏の記憶があります。それはチェロの演奏ではなく、ベルリンフィルを指揮したチャイコフスキーのくるみ割り人形組曲などを収めたDeutsche Grammophonの銀色に輝く輸入盤LPです。今は亡き代々木のジュピターレコードで手に入れ、家に帰って針をおとして腰を抜かすほど驚きました。当時親しんでいたカラヤンの指揮によるベルリンフィルから豹変してオオカミのようなオケになっていました。タイトに締め上げられたベルリンフィルの音響の魅力炸裂。デッドに録られた録音。静寂ののなかからベルリンフィルのアタックがスピーカーのコーンを突き破りそうになるような超絶サウンドが飛び出すような演奏。カラヤンの指揮するベルリンフィルはレガートを多用し、鋭角的というよりは低音弦のうなりや、晩年はLPでは高域寄りの透明感重視の録音が多かったので、なおさらロストロポーヴィチのコントロールするベルリンフィルを聴いて、その底力を思い知った訳です。ロシア人らしい練りに練ったフレージングにも特徴がありますが、スヴェトラーノフなどとは異なり不思議と洗練された練りなのが特徴でしょう。このLPはいまでもたまに針を落として楽しんでます。
さてさて、肝心のDVDですが、古いものゆえ、全体に字幕をはじめとする構成が古風なところがありますが、映像はフォーカスを浅めにしたスポット映像によるチェロを弾くロストロポーヴィチの絵などをちりばめて、総じて観やすい映像で、画質もフィルムライクで悪くありません。
チェロ協奏曲のレビューでよく、弓使いという言葉を使いますが、別にチェロもヴァイオリンも弾いたこともない私がいうのもおかしな話。ただ映像で見るチェロのソロは、まさに弓使いに目が釘付けになります。ロストロポーヴィチのチェロはロシア風の粘っこいフレージングに特徴がありますが、さきほど触れた通り、それがくどくもなく、ハイドンの曲でも違和感はありません。
1番の1楽章の始まりはロストロポーヴィチがチェロを持って歩いて入場し、立ったままオケの序奏の入りを指示して座り、そのままソロに入ります。ソロに入ってからは途中も含めて指揮をするような部分はなく、オケはアイオナ・ブラウンに任せているようです。チェロは最初からロストロポーヴィチ節です。高音を音量を落として延ばすように弾くのが特徴でしょうか。オケは非常にオーソドックスですが、生気十分(重要です!)、キレも十分。ただし、これは完全にチェロを聴くべき演奏ですね。巨匠風といわれれば巨匠風なんですが、繊細なコントロールと洗練された響きは、人によっては巨匠風という言葉とは正反対のイメージを受けるかもしれませんね。音楽を言葉で説明するのはむずかしいです。チェロもリズムを先導するようなキレの良さで、いろいろ聴いているチェロ協奏曲の並のソリストとは別格の音楽性。1楽章のカデンツァはロストロポーヴィチの世界に引き入れられる素晴しい集中力。
2楽章はオケの弱音のコントロールが見事。チェロは泣きまくりですが引き締まった表現でむしろ理性的な印象を残すところが流石というところ。
3楽章は鮮烈な印象。速めのテンポですばらしいキレのオケに乗ってロストロポーヴィチも快速に飛ばします。終楽章のこの鮮烈さが曲の締まりを良くしているポイントになってます。いやオケの弦楽器の巧さ、冒頭で触れたベルリンフィルと同様、完全にロストロポーヴィチの支配下になり、最後は素晴しい楽興。ブラヴォー! これは名演ですね。
つづく2番も、1番同様オープニングのみロストロポーヴィチの指示。以後の演奏も1番同様。言葉の説明はよけいになってしまいますね。この素晴らしさを是非手に入れて聴いてみてください。
最後に収録されているピアノ協奏曲はマリナーの若い指揮姿が新鮮でなかなかいい映像ですが、調律の問題か、テープの保存状態の問題か、1楽章と3楽章のピアノが調律が狂ってるように聴こえるキズがあり、あまりお薦めできません。2楽章は普通にいい演奏。ピアノのオメロ・フランセシュはすこしたどたどしさがありますが、堅実な演奏。いい状態の音で聴いてみたいですね。
このDVDの評価はチェロ協奏曲は両曲とも[+++++]。ピアノ協奏曲は[++]としました。映像でロストロポーヴィチの至芸を見ることがでいるのはやはり貴重ですね。ロストロポーヴィチのチェロ協奏曲の映像というだけで広くおすすめできるDVDです。

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水曜にHMV ONLINEから到着したものの一つ。調べてみたら、所有しているCDとほぼ同じ時期の演奏であることがわかりました。ついでにCDも紹介しておきましょう。

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今回手に入れたDVDはハイドンのチェロ協奏曲1番、2番とピアノ協奏曲(XVIII:11)を収めたもの。チェロ協奏曲の方はロストロポーヴィチのチェロに日本語呼称アカデミー室内管弦楽団。DVDではコンサートマスターの名にアイオナ・ブラウンの名があります。ピアノ協奏曲の方はオメロ・フランセシュのピアノにネヴィル・マリナー(この頃はサーがついていない??)指揮のアカデミー室内管弦楽団の演奏。チェロ協奏曲が1975年11月のヘンリーウッド・ホールでの録画、ピアノ協奏曲は1982年11月、バイロイトの教会のような場所での録画です。
一方CDの方のチェロ協奏曲はまったく同じ1975年11月の録音ですが、サイトはヘンリーウッド・ホールではなくアビーロードスタジオ。演奏時間も異なることから、同時期ながら別音源だと思います。また、CDの方はロストロポーヴィチとブラウンの双方にDirectionの表記があり、このあたりも微妙に違いますね。
私はロストロポーヴィチといえば、脳裏からはなれない鮮烈な演奏の記憶があります。それはチェロの演奏ではなく、ベルリンフィルを指揮したチャイコフスキーのくるみ割り人形組曲などを収めたDeutsche Grammophonの銀色に輝く輸入盤LPです。今は亡き代々木のジュピターレコードで手に入れ、家に帰って針をおとして腰を抜かすほど驚きました。当時親しんでいたカラヤンの指揮によるベルリンフィルから豹変してオオカミのようなオケになっていました。タイトに締め上げられたベルリンフィルの音響の魅力炸裂。デッドに録られた録音。静寂ののなかからベルリンフィルのアタックがスピーカーのコーンを突き破りそうになるような超絶サウンドが飛び出すような演奏。カラヤンの指揮するベルリンフィルはレガートを多用し、鋭角的というよりは低音弦のうなりや、晩年はLPでは高域寄りの透明感重視の録音が多かったので、なおさらロストロポーヴィチのコントロールするベルリンフィルを聴いて、その底力を思い知った訳です。ロシア人らしい練りに練ったフレージングにも特徴がありますが、スヴェトラーノフなどとは異なり不思議と洗練された練りなのが特徴でしょう。このLPはいまでもたまに針を落として楽しんでます。
さてさて、肝心のDVDですが、古いものゆえ、全体に字幕をはじめとする構成が古風なところがありますが、映像はフォーカスを浅めにしたスポット映像によるチェロを弾くロストロポーヴィチの絵などをちりばめて、総じて観やすい映像で、画質もフィルムライクで悪くありません。
チェロ協奏曲のレビューでよく、弓使いという言葉を使いますが、別にチェロもヴァイオリンも弾いたこともない私がいうのもおかしな話。ただ映像で見るチェロのソロは、まさに弓使いに目が釘付けになります。ロストロポーヴィチのチェロはロシア風の粘っこいフレージングに特徴がありますが、さきほど触れた通り、それがくどくもなく、ハイドンの曲でも違和感はありません。
1番の1楽章の始まりはロストロポーヴィチがチェロを持って歩いて入場し、立ったままオケの序奏の入りを指示して座り、そのままソロに入ります。ソロに入ってからは途中も含めて指揮をするような部分はなく、オケはアイオナ・ブラウンに任せているようです。チェロは最初からロストロポーヴィチ節です。高音を音量を落として延ばすように弾くのが特徴でしょうか。オケは非常にオーソドックスですが、生気十分(重要です!)、キレも十分。ただし、これは完全にチェロを聴くべき演奏ですね。巨匠風といわれれば巨匠風なんですが、繊細なコントロールと洗練された響きは、人によっては巨匠風という言葉とは正反対のイメージを受けるかもしれませんね。音楽を言葉で説明するのはむずかしいです。チェロもリズムを先導するようなキレの良さで、いろいろ聴いているチェロ協奏曲の並のソリストとは別格の音楽性。1楽章のカデンツァはロストロポーヴィチの世界に引き入れられる素晴しい集中力。
2楽章はオケの弱音のコントロールが見事。チェロは泣きまくりですが引き締まった表現でむしろ理性的な印象を残すところが流石というところ。
3楽章は鮮烈な印象。速めのテンポですばらしいキレのオケに乗ってロストロポーヴィチも快速に飛ばします。終楽章のこの鮮烈さが曲の締まりを良くしているポイントになってます。いやオケの弦楽器の巧さ、冒頭で触れたベルリンフィルと同様、完全にロストロポーヴィチの支配下になり、最後は素晴しい楽興。ブラヴォー! これは名演ですね。
つづく2番も、1番同様オープニングのみロストロポーヴィチの指示。以後の演奏も1番同様。言葉の説明はよけいになってしまいますね。この素晴らしさを是非手に入れて聴いてみてください。
最後に収録されているピアノ協奏曲はマリナーの若い指揮姿が新鮮でなかなかいい映像ですが、調律の問題か、テープの保存状態の問題か、1楽章と3楽章のピアノが調律が狂ってるように聴こえるキズがあり、あまりお薦めできません。2楽章は普通にいい演奏。ピアノのオメロ・フランセシュはすこしたどたどしさがありますが、堅実な演奏。いい状態の音で聴いてみたいですね。
このDVDの評価はチェロ協奏曲は両曲とも[+++++]。ピアノ協奏曲は[++]としました。映像でロストロポーヴィチの至芸を見ることがでいるのはやはり貴重ですね。ロストロポーヴィチのチェロ協奏曲の映像というだけで広くおすすめできるDVDです。
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