作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ルイス・クラレットのチェロ協奏曲1番

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チェロ協奏曲のマイナー盤の整理をしてますが、またまた発見。チェロ協奏曲から離れられません。

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harmonia mundi FRANCEレーベルの古いもの。残念ながらHMV ONLINEなどにはなく、廃盤の模様です。上のイメージは廉価盤の白いジャケットのものですが、私が手に入れたのは黒いジャケットのオリジナルリリース盤。

チェロはルイス・クラレット、ジョージ・マルコム指揮のイギリス室内管弦楽団の演奏。収録曲目はハイドンのチェロ協奏曲1番とボッケリーニのチェロ協奏曲。録音は1982年9月です。harmonia mundiというと古楽器のイメージが強いですが、本アルバムは現代楽器の演奏です。

チェロのルイス・クラレットはピレネー山脈のスペインとフランスに挟まれたアンドラの生まれで、両親カタルーニャの人とのこと。バルセロナで音楽を学び、いろいろなチェロコンテストで勝ってデビューし、スペインやフランスでの仕事が多い模様。1951年生まれですのでこの録音時は30歳。
指揮のジョージ・マルコムはイギリスの指揮者、合唱指揮者、ハープシコード奏者。1917年生まれで1997年に亡くなっています。この録音時には65歳。どちらもこれまであんまり聴いたことがなかった人。

これはいい演奏。

オケは豊かな響きにキリッとしたテンポ感が気持ちいい入り。録音がすこし残響が多いせいもありますが、夢のような響き。そのオケに乗ってチェロは非常にオーソドックスな入り。ほんの少しテンポが重いような感触がなくもないんですが、古典派らしいきちっとしたリズムに乗って、古典派の枠の中で余裕ある表情づけをしている感じ。音響的にはデュ・プレ盤に近いんですが、表現の方向はデュ・プレ感情がほとばしる方向なのにくらべ、クラレットは冷静に考えて表現しているという違いでしょうか。デュ・プレ盤を引き合いに出したのは、オケも含めてデュ・プレ盤ほどのインパクトもあるという意味もあります。

2楽章はうっとり。厚みのあるオケの音色が素晴しい。非常にゆったりしたテンポとフレージングで美しいメロディーを奏でます。チェロはオーケストラに乗ってこちらもゆったりとした弓さばき。叙情的になりすぎることもなく切々とメロディーを弾いていきます。夢見心地とはこのことでしょう。雄弁なチェロという感じは一切なく、むしろ表情付けが控えめなことがかえっていい感じに。

3楽章の入りは素晴しいリズムのキレと跳躍感。ジョージ・マルコムの指揮するイギリス室内管弦楽団、今までのどの盤よりも見事。以前当ブログで取り上げた朝比奈隆のオックスフォードの終楽章の入りもすばらしいものでしたが、それと双璧をなすレベル。楽章間の表情付けのメリハリで聴かせるタイプが多い中、この演奏は1楽章から一貫して端正かつリズム感のよい生気の溢れたスタイルで通しており、それでいて単調と感じるような部分もなく、素晴しい充実感を残しています。

このアルバムの演奏は、聴く人によっては普通過ぎて面白くないという人もいるかと思いますが、私は非常に気に入りました。チェロ協奏曲の1番のもっともオーソドックスな名演盤をと聞かれれば、本盤かデュ・プレ盤になるでしょう。クナのブルックナー、クライバーのベートーヴェンなど個性を極めた演奏も、もちろん好きですが、そもそもハイドンが好きという時点で、きっちりした普通の演奏ながら生気に溢れた演奏は私のはっきりとしたストライクゾーンです。ヨッフムのモーツァルトもそうですし、先日激賛したロバート・ハイドン・クラークの交響曲集などもこの路線。

harmonia mundiの録音はいい音が多いですね。この盤も1982年の録音ということで解像度は少し甘めながら、チェロの実体感、オケの響きの美しさは素晴しいものがあります。鑑賞には十分というより、いい音です。完全に音楽に没入できる素晴しい録音。

もちろん評価は最高評価の[+++++]としています。

残念なのが、この演奏が廃盤であること。廉価盤などでもかまわないので是非再リリースしてほしいものです。同じharmonia mundiでは、演奏の出来という意味ではこれより新しい、モニゲッティ盤、ケラス盤などよりもいいと思います。一応実力行使に出るために、試しにブログの左ペインに自動翻訳(google翻訳)のパーツを配した上で、harmonia mundiの公式twitterアカウントをフォローしてみました(笑)

harmonia mundiは辺境国の1ブロガーの意見に耳を貸すのか!
おそらく貸さないですよね(笑)

これから支度して中目黒にイタリアンランチに行ってきます。
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