作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

コワン/ホグウッドのチェロ協奏曲

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チェロ協奏曲はまだまだ続きます(笑) いろいろひっくり返して聴きかえしています。今日はクリストフ・コワン盤を取り上げましょう。

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クリストフ・コワンは1958年パリ西の町カーン生まれのチェリスト。アンドレ・ナヴァラやアーノンクールに師事しチェロを学び、エンシェント室内管弦楽団やウィーン・コンツェントゥス・ムジクスなどのチェロ奏者として活躍の後、モザイク四重奏団のメンバーとして活躍中とのこと。

ホグウッドはもうおなじみでしょう。本盤とおなじL'0ISEAU-LYREレーベルにてハイドンの交響曲全集を目指しながらも途中で頓挫してしまいました。ピノックなどともにクラシック界に古楽器ブームを巻き起こした立役者の一人で、これまでのクラシック音楽の演奏スタイルの伝統を塗り替える斬新な古楽器演奏のストリームを創りました。
最近では昨年9月にN響定期でハイドンのロンドンを振りました。私は実演を聴きましたが、現代オケということもあり一時の透明感溢れる古楽器の独特のコントロールの印象は薄らぎ、新古典主義的な諧謔性に力点をおいた指揮ぶり。プログラムもプロコフィエフにプルチネッラにハイドンなどという組み合わせとなり彼の好みも変化してきている模様です。

私自身はホグウッドのハイドン交響曲集はスタティックに過ぎて今ひとつ好みに合わないところなんですが、実は協奏曲の伴奏は割と気に入ってます。本盤もそのうちの1枚。

オケは手兵エンシェント室内管弦楽団、録音はロンドンのキングスウェイホールで1982年の10月。

1番はおなじみのホグウッドトーンで古楽器オケが鳴り響き始まります。テンポはほとんど揺らさず金属っぽい弦楽器の繊細で透明感溢れる音色の序奏。チェロも高音寄りの比較的軽めの音色でテンポ感よくおなじみのメロディーを刻んでいきます。コワンのチェロはオケの中での目立たぬように調和した存在感が際立ち、ソロとしての個性は弱めなんでしょう。チェロは胴鳴りが少しおくれてやってくる感じ。オケに合わせハープシコードが入りますが、これはホグウッド自身の演奏。ハープシコードが加わることでオケの音色の繊細感が高まります。

アプローチとしてはハイドンはヴィヴァルディからヘンデルを経て来たバロック音楽の延長というようなスタイル。ホグウッド自身のこの辺りの曲の演奏は一貫してデュナーミクやフレーズのメリハリを抑制して、キビキビとした一定のテンポでの軽やかな進行に重点を置き、ロマン派的な解釈は陰を潜めてしまいます。良くも悪くも、ホグウッドのこうしたスタイルが本盤の最大の特徴。正直コワンのチェロの出来よりもホグウッドのスタイルが支配的なため、協奏曲を聴くというよりはチェロのソロを含む管弦楽曲を聴くイメージが強いです。
2楽章も軽快なイメージを保ちながら進み、3楽章も同様。楽章感のメリハリはあまりつかず、全体を通して均一な印象。1番はハイドン初期の作曲によるこの曲の爽快感を前面に出した仕上がりです。

2番はやや落ち着いたテンポで入り、1番と基本的に近いスタンスながら、若干無我の境地に近く、2番の音楽の熟成を踏まえた演奏に聴こえます。テンポやデュナーミクのふれは1番同様大きくないものの、フレージングの構えが大きく呼吸も深い感じ。コワンもよりのびのび弾いているようですね。休符の息も長く、余韻もきれいです。
1楽章のカデンツァののびのびとした感じは悪くないです。重音の控えめな音色による美しさもいいですね。
2楽章のテンポは1楽章の落ち着きを考えるともう少し遅くてもいい感じかもしれませんが、この辺がホグウッドの趣味なんだと思います。
3楽章は少しテンポに溜が入り、メリハリが強くなります。最後のカデンツァはあっさりしたものながら弱音のコントロールで聴かせるなかなかのもの。

総じて2番の構えの大きさとコワンのチェロの自由度が印象に残りました。

録音は標準的なものながら、金属っぽい繊細な弦楽器の音色がもう少しフレッシュであればと思わせるもの。チェロの音色とオケの音色は生ならばもう少し潤いのある響きなんだろうと思わせる印象があります。空間表現、定位感なども含めて1982年の初期のデジタル録音ゆえこの辺は若干惜しいところ。L'0ISEAU-LYREレーベルに共通した傾向でもあります。

評価は1番を[+++]、2番を[++++]としました。

ホグウッドではトランペット協奏曲を収めたアルバムもいい演奏。今月中に取り上げる予定です。

今年の人間ドックで尿酸値が少し上がったため、好きなプレミアムモルツは封印。かわりにハイボールでしのいでいますが、ウィスキーは古めのシングルモルトの在庫を処分しながら楽しんでます。
昨日までにグレン・フィディック(貰い物)がなくなり、今日からグレン・ファークラス。ちょっと土の香りがする渋いモルト。これが意外にハイボールにすると洗練された感じになります。
以前はニート(ストレート)主義でモルトを薄めてのむなど言語道断だと思ってましたが、どっこい最近はハイボール是認派へ軟化。グレン・ファークラス君もソーダで割られるとは夢にも思っていなかったでしょうが、時は流れて嗜好も変わり、こんな状態になってます。この次はどの瓶にしますかな。流石にアイラは合わないでしょうが、、、やってみなければわかりませんからね(笑)
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