作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

バーンスタインの天地創造DVD

0
0
天地創造のDVDをもう一枚。未入手盤をHMV ONLINEにまとめて注文していたもの。

BernsteinCreationDVD.jpg
HMV ONLINE
icon

シュライアー盤と一緒に届いたんですが、CDでの演奏がいまいち気に入っていないせいか、後回しにしていたもの。

指揮はバーンスタイン、オケと合唱はバイエルン放送交響楽団と合唱団、ソロは5人のタイプで、ガブリエルがジュディス・ブレゲン、ラファエルがクルト・モル、ウリエルがトマス・モーザー、エヴァがルチア・ポップ、アダムがカート・オルマンとCDの天地創造と全く同一キャストゆえ同じ演奏会かと思いきや、収録が1年違います。CD盤が1987年6月、ミュンヘンのヘラクレスザールでの録音に対して、このDVDはその1年前、1986年6月にオットーボイレンのベネディクト修道院バシリカ聖堂での録音。このコンサートの成功を受けて、CD盤の録音に踏み切ったと解せます。

私自身はマーラーも含めてバーンスタインはちょっと苦手なほう。バーンスタインで最も評価している演奏はニューヨークフィル時代のホルストの惑星とか、シベリウスの1番、2番あたり。ホルストの惑星はクライマックスである木星の中間部で音量をぐっとしぼって宇宙の雄大さを表現した画期的解釈だと思ってます。シベリウスも後年のグラモフォンの録音ではなくCBSソニー時代のもの。こちらもLPですり切れるまで聴き込んだ愛聴盤。フィンランドの自然というよりアメリカの叙情的な曲のような解釈でしたが、新鮮さがあり、心を打つ深みがありました。

ウィーンフィルの指揮をするようになったあと心に残るのはやはりベートーヴェンの交響曲全集。バーンスタイン流に整理されたわかりやすい響きが新鮮でした。その後、グラモフォンからリリースされた数多くの録音もことあるごとに聴いてきましたが、マーラーを含めて愛聴盤は多くはありません。ジャガイモにバターは合いますが、大福ににバターを塗って食べるような独特の濃い表現が気になるというか、作曲家の楽譜を素直に楽しめないような気がして、今ひとつ好みに合わないという印象を持ち続けてます。

さて、この天地創造の映像、いかなるものでしょうか。

まずはバーンスタインの非常に濃い表情付けがやはり印象に残る演奏。冒頭からテンポを非常に落として、フレーズの表情付けを丁寧に丹念に指示していきます。以前当ブログで取り上げたレヴァイン/ベルリン・フィル盤も遅かったですが、バーンスタインも負けず劣らずの丹念さ。レヴァインは巨大さを表現しようとした意欲と聴きましたが、バーンスタイン盤の狙いはマーラーばりの劇的展開なんではないでしょうか。この姿勢はもちろん全曲を通したもの。昨日のシュライアー盤とは濃さが異なります。天地創造が神の仕業ではなく人間の業によってもたらされたような曲調です。

このアルバムの聴き所は、なんといってもラファエルのクルト・モルの歌唱。1部、2部を通して素晴らしい歌唱。5人の歌手の中では図抜けて精度の高い歌唱。素晴らしい低音の深みと正確なテンポ、朗々としたラファエルのレシタティーヴォとアリアの魅力を十全に表現。クルト・モルの歌唱だけでもこのDVDは買う価値があります。
次いで素晴らしいのはエヴァのルチア・ポップ。第3部からの登場の一声で惹き付けられます。素晴らしい到達力のある声。
逆に分が悪いのはガブリエルのジュディス・ブレゲン。声質は通っていいものの、音程が落ち着かないところとテンポ感が悪く、モルの熱唱とはだいぶ差がついちゃってます。

オケとコーラスはバーンスタインの指示を忠実に守って、素晴らしい厚みのある響きを構築。流石にバーンスタインだけあって、全体のスケール感の構築とクライマックスの盛り上げ方は素晴らしいものがあります。指揮者の溜めまくる指示によく応えてついていってます。
バーンスタインの指揮は今更ながら全身をつかって情熱的に振りますが、オケから観たらわかりやすい指示だと思います。

ジャケットの写真からもわかる通り、コンサート会場となっているにオットーボイレンのベネディクト修道院バシリカ聖堂は大空間のバシリカで装飾の限りを尽くした豊穣な空間。オットーボイレンはミュンヘンの西約100キロの小さな町。そのバシリカに響き渡る豊穣な響き。映像的にも古さはあるものの特別なコンサートであることは明らかです。

第3部の最終曲は壮大なクライマックスは荘重に始まり次第にテンポを上げて、最後は溜に溜めたアーメン。最後はなぜか拍手ではなく教会の鐘が静かに鳴り響くという演出。

評価は[++++]としました。CDの方は、純粋に濃すぎる演出が耳につきましたが、映像で観る天地創造は音楽だけとは異なる魅力もあり、CDと違う評価をしました。
昨日のシュライアー盤との評価の違いが筆者の好みにあることは誤解なきようお願いします。おそらく一般には本盤の方が評価が高いかもしれませんが、ハイドンを聴き続けてきた耳には、シュライアー盤のすばらしい集中力と誠実な姿勢の方が心に迫っているということだと思います。

今日は、いつものようにスポーツクラブで泳いだあと、近所の居酒屋、菜で一杯やってきました。

IMG_0588.jpg
今日のおすすめはホッケ。脂がのって絶品。ポテトサラダと茄子のサラダがオマケに(笑)

明日もいくつかレビューします!

にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
関連記事

0 Comments

There are no comments yet.