美声の響宴、シュライアーの天地創造
今日はペーター・シュライアーの天地創造。シュライアーといってもウリエル役ではなく指揮をしたDVDです。

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ペーター・シュライアーの指揮、ルツェルン祝祭合唱団、スコットランド室内管弦楽団、ソロはソプラノがエディト・マティス、テノールがクリストフ・プレガルディエン、バスがルネ・パーペ。1992年ルツェルンのイエズス会教会でのコンサートを収録したものですが、日付の表記はありません。
ARTHAUS MUSIKレーベルのDVDですがNHKが協力との表記があるので、収録自体はNHKによるものでしょうか。
ペーター・シュライアーは説明の必要はないでしょう。日本では古くからフィッシャー・ディースカウなどともに名歌手として知られた人。透明な声質と美しいドイツ語の発音(といってもドイツ語がわかる訳ではないんですが、、)がとても印象に残ってます。1935年生まれて言うことで今年75歳なわけですね。ネットの情報では近年は歌手を引退し指揮などの活動をしているようですね。
ハイドンの録音も多く、先日取り上げたデムスとの歌曲集の他に、手元のアルバムでも天地創造では、ワント盤、コッホ盤、カラヤン1977年のライヴ盤、クーン/コレギウム・アウレエム盤でウリエルを歌い、四季ではベーム盤とケーゲル盤でルーカスを歌ってます。
シュライアーの指揮とくれば、歌手の扱いにまず感心が集まるのは言うまでもありません。シュライアーが自身の指揮する天地創造に抜擢する歌手ですので、歌手のセレクトに間違いがあろうはずもありませんが、その名歌手自身がタクトを振った天地創造。独唱者にはさぞかしプレッシャーでしょう。さながらカザルスの指揮でチェロコンチェルトを弾く、グールドのプロデュースでバッハのピアノ曲を録音するといった状況といったところでしょう。
美しい教会でのコンサートの模様を収めた演奏。この演奏の聴き所はズバリ、素晴らしい歌手のソロでしょう。流石シュライアー、歌手は盤石です。
まず、素晴らしいのがバスのパーペ。なんと言う輝き、なんと言う声量、なんという豊かな響きでしょう。彫りの深い運慶の彫刻による吽形のような独特の風貌もあり、大迫力の歌唱。
ソプラノのマティスは張りのある素晴らしい声。高音部の突き抜ける勢いと言うか、教会の隅々まで響き渡る声量というか、素晴らしいインパクト。ジャケットや雑誌などで見慣れた可憐な写真よりだいぶ年取ってしまいました(笑)が、美しい歌声は健在ですね。
そしてテノールのプレガルディエン。最もプレッシャーのかかる配役でしょう。この人はパーペやマティスと比べると声量は少し劣るようですが、シュライアー自身と同様、非常に透明感のある美しい響きに特徴があるテノール。シュライアーがこの人を起用したのがよくわかります。
シュライアーの指揮は誠実そのもの。指揮棒なしで終始各楽器と歌手にタイミングを指示していますが、奏でられる音楽は自然そのもの。自身の歌唱と少し似ていて、こまかいエッジをすこしきりっとさせてメリハリをつけていますが、不自然さは皆無。音楽の流れは大河のよう揺るぎなく、大曲を滔々と奏でます。指示は非常にこまかくシュライアーのコントロールが行き渡って、この滔々さ。素晴らしいですね。
クライマックスの盛り上げ方など、カラヤンと比べれば指揮者としても腕力に差があることもちろんですが、にじみ出る音楽の誠実さなどは素晴らしいものがあります。
オケも一人一人非常に巧いですね。表現の幅も広く、指揮者に非常に忠実。マッケラスやレイモン・レッパード、ブリュッヘンなどが歴代の指揮者に名を連ねているだけあります。最近のベルリンフィルなどの演奏では、ある意味指揮者の指示より、ソリストの腕比べ的要素もあって聴き苦しいこともありますが、この演奏は全員が指揮者の指示に忠実。同様合唱も素晴らしい働き。分厚いコーラスの響きもこのアルバムの聴き所のひとつですね。
評価はまたしても[+++++]です! 最初観たときには、シュライアーの指揮自体が少し踏み込みが足りないという印象を持ったんですが、記事にするために再度見るとぐいぐい引き込まれちゃいました。踏み込みが足りないのではなく音楽が大きいのだと気づきました。ソロ、オケ、合唱、指揮全員の異常な集中と誠実な姿勢、個性を排した普遍性、ハイドンの音楽の本質の結晶のような演奏だといえばわかっていただけますでしょうか。
通しで聴き終わったあとの素晴らしい充実感。映像で音楽を聴く悦びも満点。
おそらく奏者全員のシュライアーに対するリスペクトがこの演奏を生んでいるのではないかと想像しています。
見方によっては実に地味な1枚ではありますが、天地創造の名盤として飽きのこない素晴らしい演奏だと思います。玄人向けの1枚としておすすめ盤のタグもつけちゃいます。

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ペーター・シュライアーの指揮、ルツェルン祝祭合唱団、スコットランド室内管弦楽団、ソロはソプラノがエディト・マティス、テノールがクリストフ・プレガルディエン、バスがルネ・パーペ。1992年ルツェルンのイエズス会教会でのコンサートを収録したものですが、日付の表記はありません。
ARTHAUS MUSIKレーベルのDVDですがNHKが協力との表記があるので、収録自体はNHKによるものでしょうか。
ペーター・シュライアーは説明の必要はないでしょう。日本では古くからフィッシャー・ディースカウなどともに名歌手として知られた人。透明な声質と美しいドイツ語の発音(といってもドイツ語がわかる訳ではないんですが、、)がとても印象に残ってます。1935年生まれて言うことで今年75歳なわけですね。ネットの情報では近年は歌手を引退し指揮などの活動をしているようですね。
ハイドンの録音も多く、先日取り上げたデムスとの歌曲集の他に、手元のアルバムでも天地創造では、ワント盤、コッホ盤、カラヤン1977年のライヴ盤、クーン/コレギウム・アウレエム盤でウリエルを歌い、四季ではベーム盤とケーゲル盤でルーカスを歌ってます。
シュライアーの指揮とくれば、歌手の扱いにまず感心が集まるのは言うまでもありません。シュライアーが自身の指揮する天地創造に抜擢する歌手ですので、歌手のセレクトに間違いがあろうはずもありませんが、その名歌手自身がタクトを振った天地創造。独唱者にはさぞかしプレッシャーでしょう。さながらカザルスの指揮でチェロコンチェルトを弾く、グールドのプロデュースでバッハのピアノ曲を録音するといった状況といったところでしょう。
美しい教会でのコンサートの模様を収めた演奏。この演奏の聴き所はズバリ、素晴らしい歌手のソロでしょう。流石シュライアー、歌手は盤石です。
まず、素晴らしいのがバスのパーペ。なんと言う輝き、なんと言う声量、なんという豊かな響きでしょう。彫りの深い運慶の彫刻による吽形のような独特の風貌もあり、大迫力の歌唱。
ソプラノのマティスは張りのある素晴らしい声。高音部の突き抜ける勢いと言うか、教会の隅々まで響き渡る声量というか、素晴らしいインパクト。ジャケットや雑誌などで見慣れた可憐な写真よりだいぶ年取ってしまいました(笑)が、美しい歌声は健在ですね。
そしてテノールのプレガルディエン。最もプレッシャーのかかる配役でしょう。この人はパーペやマティスと比べると声量は少し劣るようですが、シュライアー自身と同様、非常に透明感のある美しい響きに特徴があるテノール。シュライアーがこの人を起用したのがよくわかります。
シュライアーの指揮は誠実そのもの。指揮棒なしで終始各楽器と歌手にタイミングを指示していますが、奏でられる音楽は自然そのもの。自身の歌唱と少し似ていて、こまかいエッジをすこしきりっとさせてメリハリをつけていますが、不自然さは皆無。音楽の流れは大河のよう揺るぎなく、大曲を滔々と奏でます。指示は非常にこまかくシュライアーのコントロールが行き渡って、この滔々さ。素晴らしいですね。
クライマックスの盛り上げ方など、カラヤンと比べれば指揮者としても腕力に差があることもちろんですが、にじみ出る音楽の誠実さなどは素晴らしいものがあります。
オケも一人一人非常に巧いですね。表現の幅も広く、指揮者に非常に忠実。マッケラスやレイモン・レッパード、ブリュッヘンなどが歴代の指揮者に名を連ねているだけあります。最近のベルリンフィルなどの演奏では、ある意味指揮者の指示より、ソリストの腕比べ的要素もあって聴き苦しいこともありますが、この演奏は全員が指揮者の指示に忠実。同様合唱も素晴らしい働き。分厚いコーラスの響きもこのアルバムの聴き所のひとつですね。
評価はまたしても[+++++]です! 最初観たときには、シュライアーの指揮自体が少し踏み込みが足りないという印象を持ったんですが、記事にするために再度見るとぐいぐい引き込まれちゃいました。踏み込みが足りないのではなく音楽が大きいのだと気づきました。ソロ、オケ、合唱、指揮全員の異常な集中と誠実な姿勢、個性を排した普遍性、ハイドンの音楽の本質の結晶のような演奏だといえばわかっていただけますでしょうか。
通しで聴き終わったあとの素晴らしい充実感。映像で音楽を聴く悦びも満点。
おそらく奏者全員のシュライアーに対するリスペクトがこの演奏を生んでいるのではないかと想像しています。
見方によっては実に地味な1枚ではありますが、天地創造の名盤として飽きのこない素晴らしい演奏だと思います。玄人向けの1枚としておすすめ盤のタグもつけちゃいます。
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