シュタイアーのピアノ協奏曲

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収録曲目はハイドンのピアノ協奏曲の代表曲を3曲。ピアノ協奏曲XVIII:4、ピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6、ピアノ協奏曲XVIII:9。コッドフリード・フォン・デア・ゴルツ指揮のフライブルク・バロック・オーケストラによる演奏。録音は2004年3月ベルリンのテルデックススタジオでのスタジオ録音。
アンドレアス・シュタイアーはもう説明の必要はないのではないでしょうか。現代最高のフォルテピアノ奏者といってもいいでしょう。1955年ゲッティンゲン生まれ。ゲッティンゲンは調べたところハノーファーとフランクフルトの間にある町。ドイツとオランダで音楽を学び、ムジカ・アンティクァ・ケルンのハープシコード奏者を担当の後、1986年からソロ奏者として活躍しているとのこと。
シュタイアーのウェブサイトがありましたので貼っておきましょう。
ANDREAS STAIER cembalo fortepiano
まずは、XVIII:4。この曲はフォルテピアノと弦楽のみの構成。管楽器は入りません。手元の解説書によれば1770年頃の作曲。交響曲では疾風怒濤期の短調の激しい曲調の作品を多く生み出していた時期ですが、この曲自体は明解で親しみやすい曲調。これはエステルハージ家での演奏用ではなく他の都市での公開演奏会用に作曲された可能性をロビンス・ランドンが指摘しているとのこと。
1楽章の冒頭は、ぐっと溜めの効いた弦楽合奏が印象的。古楽器らしい爽やかさを保ちながら、小節が効いた節回しが小気味好い感じです。シュタイアーはいつも通り非常に表現の幅が大きく、テンポを大胆に揺らしてメロディーにメリハリをつけます。ゴルツ指揮のオケもうまくあわせて、変化の幅が大きいにもか関わらず一体感に破綻をきたしません。リズムの変化の付け方が巧く非常に表情が豊かです。カデンツァは高音の美しさを際立たせて始まり、鍵盤を縦横無尽に行き来する素晴らしいテクニックを披露。
2楽章はじっくり。寄せては帰す波のように、ひとつひとつのメロディーのブロックごとに深い呼吸でフレーズを表現。素晴らしい瞬間です。
3楽章は弦楽器のキレが最高。オケの腕は素晴らしいですね。フォルテピアノと弦の掛け合いはエキサイティング。最後はフォルテピアノだけでも火花飛びまくりの剛演です。
続いてピアノとヴァイオリンのための協奏曲XVIII:6。フォルテピアノとヴァイオリンの絡みが独特の雰囲気をつくる曲ですね。最初は普通にフォルテピアノとオケの絡みなんですが、進むにつれ、ヴァイオリンが主旋律を担当してフォルテピアノが伴奏するような部分もあり、それとオケの絡みということで、音響的にはやはり特殊な感じがします。形式としては実験的な感じが伴いますね。
1楽章は基本的に、フォルテピアノとヴァイオリンのソロをオケが支える展開ですが、それぞれのソロが前曲と違って振り切れるような部分はなく、少々大人し目の展開。基本的には表現の幅は大きい演奏ですが、ちょっとそれぞれ遠慮している感じもあります。カデンツァも大人しめ。
2楽章に入って、ソロに火がついた感じ。それぞれ伸びやかさが増して、オケとの連携、解け合いも見事。切ないメロディーの美しさもあっていい曲ですね。カデンツァもテクニックではなくメロディーの美しさが聴き所となってます。
3楽章はフォルテピアノとヴァイオリンとオケの掛け合いの面白さが聴き所。あっさりした曲ながら曲の面白さが楽しめる曲ですね。
最後はおなじみのXVIII:11。冒頭から素晴らしい推進力。フォルテピアノの粒立ちも生き生きとして最高。表現の幅の広さもこれまでの曲と同様、このアルバムの魅力になってます。弦楽器の俊敏な反応も抜群。聴き慣れた曲ですが脳内の記憶が刷新されるようなフレッシュな演奏。細かいレビューは不要でしょう。フォルテピアノとオケの巧さが際立つ演奏。素晴らしいキレと生気に溢れた演奏。
評価はもちろん3曲とも[+++++]としています。ハイドンの古楽器によるピアノ協奏曲の一押しのおすすめ盤ですね。
昨夜は伊勢丹で越後もち豚のロースが美味そうだったので、いつも通り、サルビア焼きに。

フライパンで中弱火でじっくり焼きます。フライパンは使い込んだアレッシのLA CINTURA DI ORIONE。20年以上使ってそろそろ変え時かしら。

ワインは安いイタリアンの赤。

パスタはスパゲティーニで大きめのアサリとトマトソース。仕上げにバジルの葉をあしらって。
アサリの旨味とトマトの甘み、ニンニクの香りでとてもいい味に。
レビューを書いてたんですが、ワインを飲み過ぎ、そのまま寝ちゃいましたので、翌日のアップとなりました(笑)
昨夜はあんまり暑いんで夜中何度も起きちゃいましたね。いつまで暑さが続くのでしょうか、、、
今日もこれからプールでひと泳ぎしてきます。
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