ハンナ・チャン/シノーポリのチェロ協奏曲
昨日につづきハイドンのチェロ協奏曲を。

チェロは「花ちゃん」こと、ハンナ・チャン、ジュゼッペ・シノーポリ指揮のドレスデンシュターツカペレ。
収録曲目はチェロ協奏曲1番、オペラ「薬剤師」序曲、チェロ協奏曲2番の3曲。1997年9月、ドレスデンのルカ教会での録音。このアルバムも残念ながら廃盤のようですね。
シノーポリの演奏はいろいろ聴いているわけではありませんが、印象に残っているのはアルゲリッチのピアノによるベートーベンのピアノ協奏曲1番、2番のアルバムとかシューマンの交響曲。確か精神科医でもあったはずですので、響きを分析しきってしまうような印象をもってました。愛聴盤はベートーベンですが、ベートーベンをどう演奏するというよりは、鮮烈な響きのコントロールに全神経が張り巡らされているような演奏。アルゲリッチとの火花バチバチの熱演でした。
またオケのドレスデン・シュターツカペレはケンペのリヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲集の強烈なインパクトが鮮明に残ってます。ハイドンではマリナー指揮のミサ曲も超絶的名演。オケの分厚い響きはこのオケならでは。
このアルバムのポイントはシノーポリが重厚な音色のドレスデン・シュターツカペレをどのようにコントロールしているかという点と、チェロのは花ちゃんの演奏がどうかというところでしょうか。
まずは第1番。1番は1760年代の作曲とされており、1732年生まれのハイドンの30歳頃の作品。ハイドンがアイゼンシュタットのエステルハージ家のニコラウス候に仕え始めた頃で、同時期作品には初期の交響曲や最初期の弦楽四重奏曲などがあります。これらの作品の中では完成度の高い作品だと言えるでしょう。
冒頭のオケは分厚い音色のオケを分析的にコントロールしているというまさに予想通りの演奏。シノーポリのコントロールは鮮烈さではなくエッジをたてつつ端正の粋にとどまったもの。伴奏にのってはいるチェロは逆にかなり鮮明なエッジをたてた感じ。昨日のフルニエとは弓使いが全く異なり、少し遅めながら几帳面なリズムの上で、かなり力強い引き締まったフレージング。高音の伸びやかさは素晴らしく、いい楽器をつかっていそうな感じ。弱音のコントロールも見事。花ちゃんなかなかやりますね。
2楽章は控えめに始まるオケに合わせて、チェロのが伸びやかに歌います。これは名演ですね。シノーポリは完全に脇役に徹しているよう。
3楽章はギアチェンジしてトップスピードに。チェロもオケも素晴らしいキレ。チェロ協奏曲でもハイドンの終楽章の天才的な展開が満喫できます。
つぎは、「薬剤師」序曲。こちらは1768年作曲。喜歌劇の序曲らしく諧謔性にあふれた曲。不思議と協奏曲よりスマートな演奏。キビキビした速いテンポに乗って、厚みよりをキレを優先したオケの音色。シノーポリの明確な意図を感じます。中間部のアンダンテは淡々と。再びプレストにもどりフィニッシュ。
最後のチェロ協奏曲2番は1番から20年を隔てた1783年の作品。今回調べ直してみるまで、1番と2番のあいだにこれだけ時間の隔たりがあったことは知りませんでした。ハイドン50代の作品。
序奏からチェロの登場を暗示させるような豊かなメロディーラインで20年の成熟を感じさせます。基本的には第1番と同様の傾向の演奏ですが、2番のほうが流れが落ち着いています。チェロの表現も呼吸が深く、オケの出方をうかがう余裕があるような弾きっぷり。花ちゃんは1982年12月生まれですので、なんと15歳前後での録音。第1番の時は若さがでていたんですが、2番はむしろ老成を感じるといっても過言ではない展開。恐ろしい才能ですね。
聴き所はこうした花ちゃんの技術を超越した神懸かり的なチェロ。1楽章から3楽章まで、またまた、神様降りてきちゃってます。ジャケットの初々しい姿からは信じられない音楽的成熟ですね。
評価は花ちゃんの才能と、今は亡きシノーポリの数少ないハイドンである希少価値なども加味して3曲とも[+++++]と、最高評価をつけました。
脱線ですが、「花ちゃん」といえば、私の世代は「田舎っぺ大将」であり、風大左衛門の「キャット空中三回転」なわけです。若い方、わかりますかな~ 古すぎますかね(笑)

チェロは「花ちゃん」こと、ハンナ・チャン、ジュゼッペ・シノーポリ指揮のドレスデンシュターツカペレ。
収録曲目はチェロ協奏曲1番、オペラ「薬剤師」序曲、チェロ協奏曲2番の3曲。1997年9月、ドレスデンのルカ教会での録音。このアルバムも残念ながら廃盤のようですね。
シノーポリの演奏はいろいろ聴いているわけではありませんが、印象に残っているのはアルゲリッチのピアノによるベートーベンのピアノ協奏曲1番、2番のアルバムとかシューマンの交響曲。確か精神科医でもあったはずですので、響きを分析しきってしまうような印象をもってました。愛聴盤はベートーベンですが、ベートーベンをどう演奏するというよりは、鮮烈な響きのコントロールに全神経が張り巡らされているような演奏。アルゲリッチとの火花バチバチの熱演でした。
またオケのドレスデン・シュターツカペレはケンペのリヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲集の強烈なインパクトが鮮明に残ってます。ハイドンではマリナー指揮のミサ曲も超絶的名演。オケの分厚い響きはこのオケならでは。
このアルバムのポイントはシノーポリが重厚な音色のドレスデン・シュターツカペレをどのようにコントロールしているかという点と、チェロのは花ちゃんの演奏がどうかというところでしょうか。
まずは第1番。1番は1760年代の作曲とされており、1732年生まれのハイドンの30歳頃の作品。ハイドンがアイゼンシュタットのエステルハージ家のニコラウス候に仕え始めた頃で、同時期作品には初期の交響曲や最初期の弦楽四重奏曲などがあります。これらの作品の中では完成度の高い作品だと言えるでしょう。
冒頭のオケは分厚い音色のオケを分析的にコントロールしているというまさに予想通りの演奏。シノーポリのコントロールは鮮烈さではなくエッジをたてつつ端正の粋にとどまったもの。伴奏にのってはいるチェロは逆にかなり鮮明なエッジをたてた感じ。昨日のフルニエとは弓使いが全く異なり、少し遅めながら几帳面なリズムの上で、かなり力強い引き締まったフレージング。高音の伸びやかさは素晴らしく、いい楽器をつかっていそうな感じ。弱音のコントロールも見事。花ちゃんなかなかやりますね。
2楽章は控えめに始まるオケに合わせて、チェロのが伸びやかに歌います。これは名演ですね。シノーポリは完全に脇役に徹しているよう。
3楽章はギアチェンジしてトップスピードに。チェロもオケも素晴らしいキレ。チェロ協奏曲でもハイドンの終楽章の天才的な展開が満喫できます。
つぎは、「薬剤師」序曲。こちらは1768年作曲。喜歌劇の序曲らしく諧謔性にあふれた曲。不思議と協奏曲よりスマートな演奏。キビキビした速いテンポに乗って、厚みよりをキレを優先したオケの音色。シノーポリの明確な意図を感じます。中間部のアンダンテは淡々と。再びプレストにもどりフィニッシュ。
最後のチェロ協奏曲2番は1番から20年を隔てた1783年の作品。今回調べ直してみるまで、1番と2番のあいだにこれだけ時間の隔たりがあったことは知りませんでした。ハイドン50代の作品。
序奏からチェロの登場を暗示させるような豊かなメロディーラインで20年の成熟を感じさせます。基本的には第1番と同様の傾向の演奏ですが、2番のほうが流れが落ち着いています。チェロの表現も呼吸が深く、オケの出方をうかがう余裕があるような弾きっぷり。花ちゃんは1982年12月生まれですので、なんと15歳前後での録音。第1番の時は若さがでていたんですが、2番はむしろ老成を感じるといっても過言ではない展開。恐ろしい才能ですね。
聴き所はこうした花ちゃんの技術を超越した神懸かり的なチェロ。1楽章から3楽章まで、またまた、神様降りてきちゃってます。ジャケットの初々しい姿からは信じられない音楽的成熟ですね。
評価は花ちゃんの才能と、今は亡きシノーポリの数少ないハイドンである希少価値なども加味して3曲とも[+++++]と、最高評価をつけました。
脱線ですが、「花ちゃん」といえば、私の世代は「田舎っぺ大将」であり、風大左衛門の「キャット空中三回転」なわけです。若い方、わかりますかな~ 古すぎますかね(笑)
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