作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

フルトヴェングラー/ウィーンフィル「驚愕」ストックホルムライヴ(ハイドン)

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今日はフルトヴェングラーのハイドン。

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtw&aumul;ngler)指揮のウィーンフィルの演奏で、ハイドンの交響曲94番「驚愕」、シベリウスの「エン・サガ」、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」の3曲を収めたアルバム。収録は1950年9月25日、ストックホルムのコンサートホールでのライヴ。レーベルはフルトヴェングラー協会(Société Wilhelm Furtw&aumul;ngler)。

このアルバムは最近手に入れたもの。調べてみると、この1950年9月25日のストックホルムライヴはこれまで多くのライヴ専門の所謂海賊版レーベルからリリースされていたようですね。このアルバムはフルトヴェングラー協会のリリースなので、正規盤ということでしょう。

フルトヴェングラーには熱狂的なマニアの方々がいて、これまで様々な録音が何度もリリースされてきていますが、私はこの流れにはまったく乗り切れておらず、ハイドンで手一杯な状況なのがご存知の通り(笑)
それでもフルトヴェングラーのハイドンだけはしっかり追っかけており、今日取り上げる録音も捕獲候補リストに入れていたものです。これまでフルトヴェングラーのハイドンは4回ほど取り上げています。

2011/05/20 : ハイドン–交響曲 : フルトヴェングラー/ウィーンフィルの驚愕(ハイドン)
2011/04/27 : ハイドン–交響曲 : フルトヴェングラー/RAIトリノ交響楽団の88番ライヴ
2011/04/26 : ハイドン–交響曲 : フルトヴェングラー/ウィーンフィルの88番ライヴ
2011/04/25 : ハイドン–交響曲 : フルトヴェングラー/ベルリンフィルの88番

驚愕はEMIによる1951年1月のアビーロードスタジオでのセッション録音があり、フルトヴェングラーらしいハイドンの素晴らしい演奏が収められています。

今日取り上げる録音はその4ヶ月前のストックホルムライヴ。解説によると、フルトヴェングラーは1950年の秋、ウィーンフィルを伴って約1ヶ月のコンサートツアーに出ており、北欧ではストックホルム(9月25日、26日)、ヘルシンキ(27日、28日、29日)、コペンハーゲン(10月1日、2日)というスケジュールだったそう。ということで、このライヴは北欧ツアーの皮切りの日の録音ということになります。そしてこのツアーの後に、先のウィーンフィルとの驚愕の録音セッションの予定があったためか、このツアー中に驚愕は7回も演奏されたということです。

この録音のソースは放送録音のようで、まずは拍手から入り、オケがチューニングしている間にアナウンス(スウェーデン語?)が入ります。その後に盛大な拍手が起こりフルトヴェングラーが登壇したことのでしょう、すぐにスウェーデン、オーストリア国歌が演奏されます。ここまでの流れは時空を超えてまさに1950年のコンサート会場にいるがごとき素晴らしいライヴ感!このコンサートが祝祭感漂う大きなイベントであったことが窺えます。

その後は曲がアルバムの収録順に演奏されますが、記録によると、この日はその後にベートーヴェンの運命も演奏されたということで、今では考えられないような盛り沢山のプログラムだったようです。

Hob.I:94 Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlag" 「驚愕」 [G] (1791)
曲の紹介のアナウンスに続いて驚愕。演奏前の暗騒音が緊張感を伝えます。ライヴだけに音質はEMIのスタジオ録音には及びませんが、伝わる緊張感は段違い。演奏はライヴらしく少々荒削りながら徐々にオケに力がみなぎってくる様子が手にとるようにわかります。フルトヴェングラーらしく縦の線を合わせてくるよりは、メロディーの流れをデフォルメするように膨らませて進む感じが特徴。凄まじい緊張感の中、グイグイとオケを煽って、デモーニッシュに盛り上がるところは流石なところ。
アンダンテはびっくりの対比を激しく強調するオーソドックスなスタイル。ザクザクとした粗めの弦楽器の音色が迫力を際立たせます。中間部以降の楽器が減っている部分のメロディーの美しさをしなやかに聴かせたと思うと全奏では野蛮なほど荒々しく振る舞い、この辺りの面白さは後のセッション録音を上回ります。
メヌエットに入ると、オケの荒々しさはさらに迫力を増し、縦の線を合わせようなどという気もないようにオケが自在に轟きます。やはりこの辺がフルトヴェングラーの真骨頂。堂々と精緻なメヌエットとは全く異なる次元の表現でしょう。フルトヴェングラー流のデフォルメが効きまくって痛快。
そしてフィナーレはさらさら流れるような入りから、、、徐々にデモーニッシュなエネルギーが満ちてきます。狂気を感じるほどの推進力を垣間見せながら爆走。聴き慣れた曲なんですが、振る人が振ると神がかったような素晴らしいエネルギーを発散するんですね。もちろん会場からは嵐のような拍手が降り注ぎました。

私がライヴ好きであるということもありますが、私はEMIのセッション録音よりもこちらのストックホルムライヴの方が好みです。まさに1950年9月25日のストックホルムのコンサートホールの座席に座って、この日のコンサートの感動を共有しているような気持ちになる素晴らしい記録です。フルトヴェングラーファンの方は、こうした体験を重ねているのだろうと今更わかったような次第。ちなみにハイドンの後のシベリウスの「エン・サガ」がこれまた素晴らしい演奏。スタティックな曲のような印象があった曲ですがフルトヴェングラーが振ると劇的な面も浮かび上がってきますね。

ということで驚愕の評価は[+++++]といたします。



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