作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ノセダの太鼓連打

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昨日ディスクユニオンで手に入れた1枚。ジャナンドレア・ノセダのハイドンの交響曲103番太鼓連打です。

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以前取り上げたホグウッドの未発表録音と同様、BBCミュージックマガジンの付録。ジャナンドレア・ノセダの指揮、BBCフィルハーモニック、ソプラノにサリー・マシューズという布陣。ジャケットは森の中でジーパン姿に意味ありげな笑顔で見下ろすマシューズをあしらったもの。なんか変なジャケットですね(笑)
収録曲目は、モーツァルトの魔笛序曲、マシューズのソプラノによるモーツァルトのコンサートアリア4曲、そしてハイドンの太鼓連打です。録音は2005年から2006年で、太鼓連打は2006年1月17日の録音です。

ノセダの印象はもっぱらテレビですね。BBC関係の番組で、あまり多くない髪を振り乱して感情をあらわにした強烈な指揮姿。この強烈さの印象が彼の音楽の印象をかき消している感じでしたね。強烈さといっているのはあんまり一流っぽくないというか、ちょっと安っぽい印象のことです。それゆえノセダのCDなどを買うこともなく今まできました。まあ、ハイドンの演奏がリリースされていなかったこともあり、あえて手を出す理由がなかったというところでしょう。今回は店頭で、「ほう、あのノセダの太鼓連打か」とコレクションの穴を埋めるために入手した次第。

ちょっと指揮姿で脱線すると、指揮姿で最も印象的なのはもちろんカルロス・クライバー。音だけ聴いても素晴らしい推進力と高揚感ですが、残された映像から伝わる、腕をぐるぐる回してオケを煽る姿は映像で音楽を見るエクスタシーの域。こうゆう指揮者はもう2度と現れないんでしょうね。

クライバーについで興味深いのがロリン・マゼール。すべての楽器のタイミングをすべて指揮者が制御するような緻密な指示。はじめてウィーンフィルのニューイヤーコンサートに登場した時のテレビ中継は度肝を抜かれました。これまでのボスコフスキーのウィーンの粋をつたえるコンサートだったものが、ムジークフェラインの床が抜けんばかりのフォルテッシモ。マゼールのつくる音楽の根底には、流麗とかダイナミックとかというよりはおどろおどろしさとか恐いもの見たさを誘うようなものがあり、そういったものも指揮姿に反映しているんでしょう。

あとはギュンター・ワント。にらみ殺されそうなほどの眼力と最小限の動作でオケをコントロール。また最近印象的なのはゼゲルスタム。森のおじいさんと私は呼んでますが、圧倒的な存在感とこちらも最小限の動作ながらオケのコントロールが行き届いています。
いずれの指揮者も、音以上に映像を含めた方が音楽を楽しめます。指揮姿が音楽の印象を良くしているタイプ。

逆に指揮姿で損をしているように見えるのはカンブルラン。奏でる音楽は緻密ですが指揮姿は垢抜けた風に見えるが実は野暮ったいおじさん風な感じ。あとはコープマンでしょうかね。ダンパーが緩んだ車のように制動が効いていない感じ(笑)。もともと音楽をCDなどで聴いてとても良い指揮者ゆえ、逆に映像は見ない方がいいかもしれません。どちらかと言うとノセダも後者の範疇ですね。あくまで個人の印象ゆえお許しください。

脱線が長くなりましたので、そろそろ本題に。

冒頭の魔笛序曲はいいですね。軽く腕試しといった感じですね。オケのコントロールは緻密な方ですね。比較的残響が多めの録音で、オケの音色が溶け合っていい響き。ただ、クラッシックらしい重厚さよりポピュラー音楽とかサントラ盤のような印象がなくもありません。ノセダの微妙な位置づけを象徴するような演奏かもしれません。
つづくマシューズのソロによるモーツァルトのアリアは、マシューズのふくよかな低音の響きが印象的。

そしてハイドンの太鼓連打。こちらは前の演奏と基本的に同様な傾向はあるものの、教科書的な模範的演奏。魔笛序曲よりも曲のシンプルさに重点をおいた演奏ゆえ、安っぽい方向に流れる印象は薄くなってます。逆に細かい部分と全体の構造をプレーンに表現している分、模範的な演奏という範疇としていい演奏になってます。2楽章などリズムの拍子を強調するようにテンポ感がよくハイドンの几帳面な感じがよく出ています。
意外なのが4楽章のテンポが遅めなこと。もう少しで速めでくると身構えていたところ、ゆっくり目で入り、終楽章を丹念に演奏。クライマックスの盛り上がりも冷静にテンポを保ちながら音量を上げてゆき、フィニッシュ。ハイドンは安っぽい感じを残しませんでした。

太鼓連打の評価は[++++]といたしました。

本ブログでは指揮姿は評価対象外としていますので(笑)
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