作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

チャールズ・シュルーター/秋山和慶/九響のトランペット協奏曲(ハイドン)

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久しぶりのトランペット協奏曲なんですが、グッと来たのは指揮者の秋山和慶さん。

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チャールズ・シュルーター(Charles Schlueter)のトランペット、秋山和慶(Kazuyoshi Akiyama)指揮の九州交響楽団によるネルーダ、ハイドン、タルティーニ、フンメルのトランペット協奏曲を収めたアルバム。収録は2002年4月22日、23日、福岡のアクロス福岡シンフォニーホールでのセッション録音。レーベルはKLEOS CLASSICS。

このアルバムは最近オークションで手に入れたものですが、調べてみると現役盤ではないようです。

ハイドンのトランペット協奏曲は、特に深みを感じる曲ではないのですが、明朗かつ祝祭感に富んだ曲想が心地よく、好きな曲の一つです。トランペットのソリストはほとんどハイドンの協奏曲をレコーディングしているとあって、手元には79種の録音があります。このアルバムは今まで売り場やネットでもあまり見かけたことがなくピンと来て手に入れましたが、手に入れた後に、指揮者が秋山さんであることに気づいた次第。

日本では古参の指揮者である秋山和慶さんですが、大変失礼ながら私はまだ一度も実演を聴いていません。お馴染みの東響の桂冠指揮者としてよく指揮台に登られているのは知っているものの、ノット旋風に煽られて、ジョナサン・ノットばかり聴いていたというのが正直なところ。

このアルバムの伴奏を聴いて、その優美な音楽づくりに驚き、今更ながら興味を持った次第。

チャールズ・シュルーターはイリノイ州デュコイン(Du Quoin)生まれのトランペット奏者。ミネソタ管弦楽団を皮切りに、ミルウォーキー交響楽団、カンザスシティフィルハーモニック管弦楽団、クリーブランド交響楽団、ボストン交響楽団などの主席トランペット奏者を歴任した人。この録音はミネソタ管弦楽団時代に秋山和慶が客演指揮者だった時からの縁で実現したとのこと。

このアルバムに含まれるネルーダ、タルティーニ、フンメルはよくハイドンのコンチェルトと組み合わされるお馴染みの曲。2曲目がハイドンです。

Hob.VIIe:1 Concerto per il clarino [E flat] (1796)
いきなり覇気に満ちた素晴らしい序奏。オーケストラに力がみなぎり、そして色彩感も豊か。素晴らしい録音のせいもありますが、この序奏を聴いてただならぬ気合いを感じた次第。シュルーターのトランペットはもちろん素晴らしい安定感。モーリス・アンドレのような個性豊かな演奏ではありませんが、音の安定感、伸びやかさ、そして輝き共に三拍子揃った名演奏。それにしてもオケが実に心地よい伴奏を響かせるではありませんか。1楽章のカデンツァはかなり長い諧謔的な断片を含む意欲的なもので、ここでようやくシュルーターの個性が見えてきました。
続くアダージョは、オケはしっとりと沈み、トランペットの哀愁を帯びたメロディーラインをクッキリと浮かび上がらせます。
そしてフィナーレは流麗そのもの。オケの分厚い低音が実に心地よく響き渡ります。シュルーターのトランペットもフレーズごとの表情の微妙な描き分けが見事。驚いたのはやはりカデンツァ。かなり個性的なカデンツァにハッとさせられます。ハイドンのトランペット協奏曲は、聴き慣れた曲ではありますが、こうしたカデンツァでどう来るかと想像しながら聴くのも楽しいものです。

さて、このチャールズ・シュルーターのトランペット協奏曲集、トランペットはもちろん素晴らしかったんですが、特に秋山和慶の振る九響の伴奏の素晴らしさが印象に残ります。ハイドンを聴いて、フンメルも良さそうだと思って聴くと予想通り、フンメルの協奏曲の面白さも浮き彫りになる素晴らしい伴奏でした。正直、もう少し古風な演奏を想像していたのですが、完全にこちらの読み違い。これは、実演を聴きに行かねばなりませんね。ハイドンの評価は[+++++]とします。



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