作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ルドルフ・アルベルト/コンセール・ラムルー管の狩、88番(ハイドン)

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モノラル盤からタイトな響きとエネルギーが噴出!

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ルドルフ・アルベルト(Rudolf Albert)指揮のコンセール・ラムルー管弦楽団(Orchestre des Concerts Lamoureux)の演奏で、ハイドンの交響曲73番「狩」、交響曲88番の2曲を収めたLP。収録に関する情報は記載されていませんが、リリースは1958年。レーベルは仏Le Club Français du Disque。

こちらは最近オークションで手に入れたもの。盤のコンディションはそれなりでしたが、いつものようにVPIのクリーナーと極細毛超音波美顔ブラシで丁寧にクリーニングすると、ノイズはほぼ消え聴きやすい状態になりました。もちろんモノラル盤ですが、ザクザクと引き締まった響きの見事な録音です。

指揮者のルドルフ・アルベルトは初めて聞く人。日本ではあまり知られていない人だと思います。調べてみると1918年生まれのドイツの指揮者、作曲家。当初は南西ドイツ放送やヘッセン放送でディレクターとして働き、戦後は指揮者としてバイエルン放送響で多くの現代音楽の初演を担当。有名なところでは1956年にメシアンの「異国の鳥たち」の初演を振っています。キャリアの後半はフリーランスで活動していたとのことで、1992年に亡くなっています。LPにはバッハから現代音楽まで色々録音があるようですが、ハイドンの録音は調べた限りではこれ1点のみです。

Hob.I:73 Symphony No.73 "La Chasse" 「狩」 [D] (before 1782)
古い録音にもかかわらず序奏の入りは意外にみずみずしい響き。全奏では彫りの深い見事な響きが吹き出してきます。主題に入ると速めのテンポでグイグイ攻めてきます。ヴァイオリンのボウイングが冴え冴えとキレまくる快演。この引き締まったダイレクトな響きはLPならでは。赤熱した鋼を打つがごときエネルギーのほとばしり! 1楽章はオケが自在に吹き上がる見事なスロットルワーク。
続くアダージョも抑えた表現から、ここでも要所で瞬時にオケが気持ちよく吹き上がる快感を味わえます。コミカルな曲想を保ちながら引き締まった響きが厳かささえ感じさせる見事なバランス感覚。
予想通りメヌエットは引き締まりまくり。ザクザク感がたまりません。中間部で素朴な風情を挟み再びオケがザクザクきます!
そして有名なフィナーレ。アルベルトはグイグイザクザク盛り上げていきます。ホルンが活躍する曲ですが、オケは完全にど迫力の弦楽器が主役。これだけ弦がキレキレだと迫力が異次元です。

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Hob.I:88 Symphony No.88 "Letter V" 「V字」 [G] (1787?)
LPをひっくり返して88番。冒頭から冴え渡る弦。引き締まりまくった弦楽器の響きがグイグイくるのは前曲同様。そして主題に入ると速めのテンポでキレキレなのも同じ。この曲でも赤熱した鋼のごときエネルギーが噴出!
ラルゴは一転、実にゆったりとして優しい表情。オケの響きが引き締まっているのは変わりませんが、強奏部分でも表情が柔らかい。奏でられる音楽は癒しに満ちて、前楽章とのコントラストが見事。
この曲でのメヌエットは迫力一辺倒ではなく、ニュアンスも豊か。中間部のとの表情の描き分けも丁寧。力感で聴かせた前曲とは明らかにアプローチが違います。
そしてこちらも有名なフィナーレ。正攻法のオケの響きのタイトさと、この曲に仕込まれたメロディーのコミカルさが高次に融合した見事な演奏。それでいてどこかに余裕を感じる冴えたコントロール。最後は流石にオケが快活に吹き上がって終了。

ルドルフ・アルベルトによるハイドンの交響曲2曲でしたが、現代音楽を得意とする人だけに冷静な視点でオケをコントロールしながら、オケを存分に鳴らし、引き締まった音楽を繰り出してきました。それでいてハイドン特有のコミカルな表情や美しいメロディーをしなやかに表現するなど、かなりのコントロール力、表現力のある人でした。50年代と古い録音ですが、LPに刻まれた音は今聴いても素晴らしく鮮やか。これは名盤ですね。評価は両曲とも[+++++]とします。見かけたら買いです!



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