ジェームズ・テイラーの歌曲集
しばらくセルの交響曲が続いたので、今晩は趣向を変えて、テノールによる歌曲集。

このアルバムは廃盤の模様ですが、ORFEOレーベルはハイドンの歌曲集を何枚か出しています。ハイドンの歌曲をリリースするのは非常にめずらしいことなので、レーベルにはハイドンもしくは、ハイドンの歌曲に造詣の深い方がいるのではないでしょうか。
演奏はテノールがジェームズ・テイラー、伴奏がミュンヘンピアノトリオです。録音は2002年6月と比較的新しいもの。収録曲目はスコットランド/ウェールズ歌曲が12曲、英語によるオリジナルカンツォネッタ集から6曲、そしてピアノトリオから2曲(XV:35、XV:36)という組み合わせ。
ジェームズ・テイラーはポピュラー界の有名な人とはもちろん別人。例によってネットで調べてみました。
バッハ・カンタータ・ウェブサイト:ジェームズ・テイラー略歴(英文)
テイラーは1966年アメリカのダラス生まれのテノール。テキサスで音楽教育の勉強をした後、92年以降バイエルン国立歌劇場やシュトゥットガルト歌劇場などで活動、ルネサンスから現代音楽まで幅広いレパートリーを持っているそうです。中でもヘルムート・リリングとの共演が多いようですね。
声質は若々しく張りのある細身ながら透明感のあるもの。男性ですが清純派といった感じでしょう。容姿のことではありませんので誤解なきよう(笑)
アルバムへの収録順で、まずはスコットランド/ウェールズ歌曲から6曲。鮮明かつ端正なピアノ、ヴァイオリン、チェロの伴奏に乗ってテイラーの柔らかい声の魅力が十分でた歌唱。高音のキリッとした感じが特徴でしょう。テンポは比較的速めで、練らず。深みや味わいは薄めですが、模範的な演奏ですね。曲の良さを素直に味わえる佳演という感じです。録音は流石ORFEOレーベル、歌曲を楽しむツボ押さえて、歌とピアノ、ヴァイオリン、チェロの実体感に溢れた素晴らしい録音。
続いてピアノトリオのXV:36。ミュンヘンピアノトリオは現代楽器の極めてオーソドックスな演奏。ただし無味乾燥というわけでなく、生気もあり、適度なメリハリに、室内楽の悦びも感じられる堅実な演奏。ピアノの堅固な安定感に支えられてヴァイオリンとチェロがきっちり詰めていくという感じでしょうか。こちらも曲の良さを楽しむツボが押さえられていますね。
6曲のオリジナルカンツォネッタ(XXVIa:31-36)はハイドンの歌曲の中では最も録音が多い曲の一つでしょう。こちらはアメリングをはじめとしてソプラノで歌われることに慣れているせいか、新鮮な印象が強いですね。特に印象深いのはトラック11のThe Wanderer(さすらい人)。ピアノのテンポが落ちて、つぶやくような伴奏に弛緩しきったテノールの美声。途中のオクターヴ上昇の力の抜け方も印象的。それからトラック13のShe Never Told Her Love(彼女は決して愛を語らない)、トラック15のTransport of Pleasure(満足)など非常にいいですね。このアルバムの白眉。
後半はピアノトリオのXV:35と最後にスコットランド/ウェールズ歌曲から6曲は、前半と同様堅実な演奏。ピアノトリオもそれだけで聴く価値のあるいい演奏です。
最初聴いた時には少々固い印象を感じたんですが、レビューを書くためにいろいろ繰り返し聴いているうちにすっかりテイラーの張りのある声と堅実な伴奏の魅力にハマりました。
このアルバムはおそらく商業的に売上げに貢献するアルバムではないかもしれませんが(現に廃盤ですので、、、)手に入れた人の心に届く音楽がありますね。いいアルバムだと思います。流石ORFEOというべき玄人好みの1枚です。

このアルバムは廃盤の模様ですが、ORFEOレーベルはハイドンの歌曲集を何枚か出しています。ハイドンの歌曲をリリースするのは非常にめずらしいことなので、レーベルにはハイドンもしくは、ハイドンの歌曲に造詣の深い方がいるのではないでしょうか。
演奏はテノールがジェームズ・テイラー、伴奏がミュンヘンピアノトリオです。録音は2002年6月と比較的新しいもの。収録曲目はスコットランド/ウェールズ歌曲が12曲、英語によるオリジナルカンツォネッタ集から6曲、そしてピアノトリオから2曲(XV:35、XV:36)という組み合わせ。
ジェームズ・テイラーはポピュラー界の有名な人とはもちろん別人。例によってネットで調べてみました。
バッハ・カンタータ・ウェブサイト:ジェームズ・テイラー略歴(英文)
テイラーは1966年アメリカのダラス生まれのテノール。テキサスで音楽教育の勉強をした後、92年以降バイエルン国立歌劇場やシュトゥットガルト歌劇場などで活動、ルネサンスから現代音楽まで幅広いレパートリーを持っているそうです。中でもヘルムート・リリングとの共演が多いようですね。
声質は若々しく張りのある細身ながら透明感のあるもの。男性ですが清純派といった感じでしょう。容姿のことではありませんので誤解なきよう(笑)
アルバムへの収録順で、まずはスコットランド/ウェールズ歌曲から6曲。鮮明かつ端正なピアノ、ヴァイオリン、チェロの伴奏に乗ってテイラーの柔らかい声の魅力が十分でた歌唱。高音のキリッとした感じが特徴でしょう。テンポは比較的速めで、練らず。深みや味わいは薄めですが、模範的な演奏ですね。曲の良さを素直に味わえる佳演という感じです。録音は流石ORFEOレーベル、歌曲を楽しむツボ押さえて、歌とピアノ、ヴァイオリン、チェロの実体感に溢れた素晴らしい録音。
続いてピアノトリオのXV:36。ミュンヘンピアノトリオは現代楽器の極めてオーソドックスな演奏。ただし無味乾燥というわけでなく、生気もあり、適度なメリハリに、室内楽の悦びも感じられる堅実な演奏。ピアノの堅固な安定感に支えられてヴァイオリンとチェロがきっちり詰めていくという感じでしょうか。こちらも曲の良さを楽しむツボが押さえられていますね。
6曲のオリジナルカンツォネッタ(XXVIa:31-36)はハイドンの歌曲の中では最も録音が多い曲の一つでしょう。こちらはアメリングをはじめとしてソプラノで歌われることに慣れているせいか、新鮮な印象が強いですね。特に印象深いのはトラック11のThe Wanderer(さすらい人)。ピアノのテンポが落ちて、つぶやくような伴奏に弛緩しきったテノールの美声。途中のオクターヴ上昇の力の抜け方も印象的。それからトラック13のShe Never Told Her Love(彼女は決して愛を語らない)、トラック15のTransport of Pleasure(満足)など非常にいいですね。このアルバムの白眉。
後半はピアノトリオのXV:35と最後にスコットランド/ウェールズ歌曲から6曲は、前半と同様堅実な演奏。ピアノトリオもそれだけで聴く価値のあるいい演奏です。
最初聴いた時には少々固い印象を感じたんですが、レビューを書くためにいろいろ繰り返し聴いているうちにすっかりテイラーの張りのある声と堅実な伴奏の魅力にハマりました。
このアルバムはおそらく商業的に売上げに貢献するアルバムではないかもしれませんが(現に廃盤ですので、、、)手に入れた人の心に届く音楽がありますね。いいアルバムだと思います。流石ORFEOというべき玄人好みの1枚です。
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