作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

絶品! アニカ・ヴァヴィッチのソナタ(Hob.XVI:19)(ハイドン)

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冴えわたる見事な演奏、見つけました!

AnikaVavic.jpeg
TOWER RECORDS / amazon

アニカ・ヴァヴィッチ(Anika Vavić)のピアノによる、ハイドンのピアノソナタ(Hob.XVI:19)、スクリャービンの4つの小品(Op.51)、ワルツ(Op.38)、ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」、プロコフィエフのソナタNo.6(Op.82)の5曲を収めたアルバム。収録は2003年8月1日から6日にかけて、オーストリア放送協会(ORF)の放送文化会館の放送大ホール(Großen Sendsaal des RadioKulturhauses)でのセッション録音。レーベルはORF。

このアルバム、いつもどおりハイドンの曲が入っているということで最近手に入れたもの。ジャケットには若さが印象的なチャーミングな奏者がアップであしらわれ、右下には”RISING STARS”と赤い帯が付いていることから、新人のデビューアルバムのよう。さして期待をするわけでもなく、いつものように所有盤リストに登録すべくCDプレイヤーにかけてみると、何やら張り詰めた緊張感の中、冴えわたるタッチにいきなり魅了されました。

Anika Vavic::Home

奏者のアニカ・ヴァヴィッチは1975年、旧ユーゴスラビア、現セルビアのベオグラード生まれのピアニスト。ベオグラードでピアノを学び、数々の国際コンクールで優秀な成績をおさめ16歳でウィーンに渡り、ウィーン音楽演劇大学で学びました。エリザベート・レオンスカヤ、ラザール・ベルマン、ロストロポーヴィチらに大きな影響を受けたとのこと。また、第2回スタインウェイコンクールで優勝するとともに特別賞としてベストハイドン演奏賞を受賞し、ヘルベルト・フォン・カラヤン・センターとゴットフリード・フォン・アイネム財団から奨学金を受けます。デビューアルバムはブラジルのクァルテット・アマゾニア(Quarteto Amazonia)との共演盤、そしてこのアルバムが2枚目ということになります。冒頭でRISING STARSを新人という意味で捉えていましたが、これはORFの新人を掘り起こすツアー名だったようです。ちなみに最近ではゲルギエフやパーヴォ・ヤルヴィと共演するなど、実力は確かなようです。

Hob.XVI:19 Piano Sonata No.30 [D] (1767)
なんでしょう、冒頭から冴え渡るタッチ。非常に冷静に一音一音を制御していて、精緻なリズム感と速いパッセージの際立った滑らかさ印象的。この精緻さはアムランレベル。しかも全般に軽やかで非常に流れが爽やか。それでいて女性奏者らしく音楽に華やかさと潤いが満ちています。1楽章の冒頭から冴え渡る青空のような音楽に惹きつけられます。
続くアンダンテは可憐な響きが印象的な入り。ハイドンが書いた朴訥とさえ思えるリズムに乗って美しい旋律が重なってくる推移を精緻なタッチとしなやかな表現で実に見事にこなします。地味ながら音楽の深さを垣間見せてくれる素晴らしい表現力に驚きます。
フィナーレはもはや圧巻。力みから完全に解放された軽やかなタッチから生み出されるハイドンのアイデアの数々。恐ろしいほどのテクニックの持ち主です。録音もスタインウェイの美しい響きを完璧に録った完璧なもの。演奏、録音ともに完璧です。

このアルバム、アニカ・ヴァヴィッチが20代での録音。デビュー2枚目のアルバムにしてハイドンのソナタの真髄に迫る見事な演奏に驚きました。15分弱の短い曲ながら、この曲だけでこの人の素晴らしい才能を存分に味わえます。録音も少なく、日本ではあまり知られた人ではないようですが、腕は見事。できれば一度実演を聴いてみたいですね。評価はもちろん[+++++]とします。

ハイドン以外の曲ももちろん冴えまくってます!



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