【ブログ開設10周年記念】リステンパルトのオルガン協奏曲・協奏交響曲等(ハイドン)
途中で何度か振り返りましたが、飽きっぽい私にしては超例外的に長続きしております。この間投稿した記事数は本記事を含めて1751本となりました。最近はレビュー記事数もあまり多くはありませんが、無理せず気に入った演奏のみを取り上げておりますので、楽しく記事を書くことができております。これもハイドンの音楽の素晴らしさに加えて、読者の皆様の存在があってのこととあらためて感謝申し上げます。
先のことはわかりませんが、もう少し続けていくことが出来そうな気がしておりますので、今後とも普段通り激励、叱咤、ツッコミのほどよろしくお願いいたします。
さて、10周年ということで、何かいいアルバムがないかと思案の結果、大好きなリステンパルトのアルバムを取り上げることといたしました。

カール・リステンパルト(Karl Ristenpart)指揮のザール室内管弦楽団(Saar Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンのオルガン協奏曲(Hob.XVIII:1)、ノットルノ(II:
ヴァイオリン:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Hendel)
チェロ:ベティ・ヒンドリクス(Betty Hindrichs)
オーボエ:ヘルムート・ヴィンシャーマン(Helmut Winschrmann)
バスーン:ジャック・オルティエ(Jacques Haultier)
収録は1962年、レーベルは米the Music Guild。
このアルバム、存在は知っていたものの、最近ようやく見つけて手に入れたもの。リステンパルトのハイドンの演奏は、Les Discophiles Françaisや米Nonesuch等からリリースされており、巷では仏盤の人気が高いようですが、手元のアルバムをいろいろ聴き比べると、米Nonesuch盤が頭抜けて音がいい。そのため、この演奏もNonesuchのステレオ盤を探していたのですが、こちらは米盤でもモノラルです。
これまで取り上げたリステンパルトの演奏は以下のとおり。
2018/02/26 : ハイドン–交響曲 : リステンパルト/ザール室内管の朝、昼、晩(ハイドン)
2017/11/19 : ハイドン–交響曲 : リステンパルト/ザール室内管の交響曲21番、マリア・テレジア(ハイドン)
2015/12/31 : ハイドン–交響曲 : カール・リステンパルト/ザール室内管の81番、王妃(ハイドン)
2013/01/07 : ハイドン–交響曲 : カール・リステンパルトの驚愕、軍隊、時計(ハイドン)
2010/02/04 : ハイドン–交響曲 : 絶品! リステンパルトのホルン信号(ハイドン)
それぞれ、古き良き時代のおおらかなハイドンの演奏の最上級の逸品ばかり。時代を超えて立ち昇る穏やかな色彩感。力みなく、テクニックの誇示なく、ハイドンの音楽に仕込まれた癒しや機知が絶妙のバランスで奏でられる至福の演奏ばかりです。結果から言うと、今日取り上げる演奏も全く同様の素晴らしさ。
Hob.XVIII:1 Concerto per il clavicembalo(l'organo) [C] (1756)
ソロを弾くエヴァ・ヘルダーリンですが、検索しても情報がほとんど出てきません。名前からするとドイツ系の人だと思いますが、Discogsを見るとVOXレーベルなどにバッハからモーツァルトあたりの録音を何枚か残している程度で詳細不明。ただ、リステンパルトのお眼鏡にかなう奏者ということからも、かなりの腕前とみました。
序奏からゆったりとしたリステンパルト独特の癒しに満ちた膨よかなオーケストラの響きに包まれます。落ち着き払ったテンポで進む音楽の心地よさ。ヘルダーリンのオルガンもリステンパルトに合わせて競り合うどころか完全に一体となって弾き進めていきます。オーソドックスながら華やかさと癒しに満ちた素晴らしい演奏。至福です。
ラルゴに入るともう夢見心地。なんと美しい時の流れ。素晴らしいのがヘルダーリンのオルガン。やはりリステンパルトが選ぶだけあって、シンプルな音階にも癒しに満ちた情感を纏う見事な演奏。終楽章は言わずもがな。絶品の演奏です。LPも素晴らしいコンディションで、愛聴盤になりそうです。
Hob.II:32 Notturno No.3 [C] (1790)
ナポリ王フェルナンドIV世から依頼されて作曲された8曲のノットルノの

Hob.I:105 Sinfonia Concertante 協奏交響曲 [B] (No.105) (1792)
この曲は4人のソロの語り口のバランスが極めて重要。奏者はザール室内管の首席奏者なんでしょうか、この演奏そう言った意味で極めて高次元の演奏です。完全にリステンパルトの好みというかセンスが行き渡っています。しかもオケに埋もれることなく、なかなかの存在感を感じさせながらのこのバランス、見事です。特にバスーンのリズムのキレがいいので、曲が締まります。
続くアンダンテは、今度はオーボエが非常に冴えていてハッとさせられる場面多数。4人のソロが絡み合って紡ぎ出すメロディーがくっきりと浮かび上がり、この楽章はオケは控え目に徹します。
終楽章はそのオケが気持ちよく吹き上がり、ソロがオケの伴奏に乗って楽しむよう。ヴァイオリンが実に安定して美音を重ねていき、チェロは非常に表情豊か。リステンパルトは完璧なバランスでソロとオケをコントロールして最後のクライマックスへ導きます。最後までゆったりとした余裕を保ってのフィニッシュ。
Hob.II.30 Notturno No.6 (fragment) [G] (1790)
最後は前掲8曲のノットルノの6番。元々3楽章構成だったようですが、第3楽章が失われ、2楽章の曲として残っています。これはもう前掲のノットルノと同様、絶品。物憂げな2楽章のアンダンテが特に素晴らしい演奏です。幸せな気分になります。
ようやく手に入れたリステンパルトの未聴盤。期待に違わず素晴らしい演奏が詰まった宝物でした。オルガン協奏曲も素晴らしい出来なんですが、協奏交響曲は完璧なバランス。この曲は4人のソロのテイストが揃わないといい感じになりません。そう言った意味でこの曲の理想的な演奏と言えるでしょう。そしてノットルノもリステンパルトにしか出せない深い味わいをたたえた演奏。モノラル盤でしたが、モノラルならではの安定した響きを楽しむことが出来ました。これは宝物ですね。評価はもちろん全曲[+++++]といたします。
(2019年12月17日追記)
Twitterでcherubi_no2010さんからご指摘いただき、2曲目は2番(Hob.II:26)ではなく3番(Hob.II:32)でアルバム自体の誤記であることが判明。修正させていただきました。cherubi_no2010さんありがとうございました!
さて、ブログの10周年とは関係なかったんですが、昨夜は先日旅を共にした叔母と友人を招いて自宅で忘年会。そのため1日ずれての10周年記事となりました(笑)

そもそも忘年会の発起は叔母の「おいしいお肉が食べたいわ(ハート)」との一言から。

普段はリーズナブルな米豪アンガス牛が定番の当家に叔母から某高級店の黒毛和牛のヒレ肉が差し入れられました。一切れずつ丁寧に包まれ、個体識別番号付。肉は完璧なので美味しくいただけるかどうかは焼きの腕にかかっています。ということで普段、廉価なお肉で鍛え上げた強火焼、余熱むらし、休息の三段殺法の技を駆使して、高級肉を完璧な火加減で焼き上げ、絶妙なレアに仕上げました(笑)

このお肉を迎え撃つにはワインもそれなりのものをということで、ワインセラーに10年以上眠っていたシャトー・ラフィットのセカンド、カリュアド・ド・ラフィット2002年を開栓。手に入れたときはセットものでリーズナブルだったのですが、寝かせているうちに市場価格がどんどん上がり飲む機会を失っていたもの。開けてしばらくで香りが華やかになり、最初は少しタンニンが勝っていたものから、複雑さが増し、実に深い味に変化。高級肉を迎撃するのに十分な役割りを果たしました。
先日の旅行の話やたわいもない話と美味しいワインと食事で盛り上がった楽しい忘年会でしたが、私1人、ブログを10年続けられた自分へのご褒美とニンマリしながら過ごしたことはこの記事でカミングアウトするまで秘密でした(笑)
みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。
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