セル1954年の93番ライヴ録音2種
先日来気になっているセルのハイドンの交響曲録音。手元にあるCDをいろいろひっくり返してみました。その中でクリーヴランド管とのスタジオ録音以外のアルバムを紹介しましょう。

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まずはARCHIPELレーベルの1954年5月29日ローマでの演奏。放送用録音でしょうか、会場ノイズなどはありません。曲目はハイドンの交響曲93番。オケはRAIローマ交響楽団。アルバムは1958年のケルンでのブラームスの交響曲第2番との組み合わせ。

もう1枚はORFEOレーベルからリリースされていた先の演奏の直後の1954年6月17日、コンツェルトハウスの大ホールでのライヴ録音。収録曲目はハイドンの交響曲93番とプロコフィエフの交響曲5番の2曲。オケはウィーン交響楽団。こちらは一日のコンサートをまとめたもののよう。こちらのアルバムは既に廃盤のようですね。
先日取り上げたunited archivesのV字とロンドンが1954年4月9日にクリーヴランド管とのスタジオ録音で、素晴らしいキレ具合だったのを踏まえて、今回のアルバムを選択したわけです。同じく1954年の5月と6月という非常に近接した期間に録音された交響曲録音。これらのアルバムにどのような違いがあるのか興味深いですね。
まずは最初のローマでの93番。音源はLPのようですね。スクラッチノイズが混入してますが、音の実体感は悪くなく、図太い音で鑑賞には支障ありません。オケの精度はクリーヴランド管の演奏には敵いません。セルのタイトに締め上げるオーケストラコントロールの魅力は感じられるものの強烈な印象を残すほどではありません。ザルツブルク音楽祭ライヴでのオックスフォード同様客演のオケですが、こちらのRAIローマ交響楽団での演奏は、セルの美点はうっすらという程度にとどまってます。こちらの評価は[+++]としました。
ウィーン交響楽団の93番は、オケの音色がまろやか。セルが締め上げてもウィーン響の柔らかな音色は特色を保っています。音の出始めの角が丸いというか、奏者がエッジを効かせるというより響きのブレンドを狙っているような印象。音色はともかくセルのコントロールはキレのいい強音のアクセントを鮮明にしていき、オケは徐々にセルに飼いならされた状態となります。第2楽章のアダージョはオケの音色の魅力も加わってなかなかのもの。フィナーレの盛り上がりもびしっと決まり、セル風でありながらウィーン風でもある93番としてフィニッシュ。盛大な拍手をさそいます。こちらは録音もなかなかよく、聴きやすい音響。こちらの評価は[++++]としました。
両盤ともに、残念ながらunited archives盤のはち切れんばかりセルの魅力を感じるレベルには至っていませんでした。やはり手塩にかけたオケとの周到な準備があってあのレベルに到達した訳ですね。
残るはクリーヴランド管とのスタジオ録音。近日中にレビューに取り上げるべき伏線が張られてしまいましたね(笑)

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まずはARCHIPELレーベルの1954年5月29日ローマでの演奏。放送用録音でしょうか、会場ノイズなどはありません。曲目はハイドンの交響曲93番。オケはRAIローマ交響楽団。アルバムは1958年のケルンでのブラームスの交響曲第2番との組み合わせ。

もう1枚はORFEOレーベルからリリースされていた先の演奏の直後の1954年6月17日、コンツェルトハウスの大ホールでのライヴ録音。収録曲目はハイドンの交響曲93番とプロコフィエフの交響曲5番の2曲。オケはウィーン交響楽団。こちらは一日のコンサートをまとめたもののよう。こちらのアルバムは既に廃盤のようですね。
先日取り上げたunited archivesのV字とロンドンが1954年4月9日にクリーヴランド管とのスタジオ録音で、素晴らしいキレ具合だったのを踏まえて、今回のアルバムを選択したわけです。同じく1954年の5月と6月という非常に近接した期間に録音された交響曲録音。これらのアルバムにどのような違いがあるのか興味深いですね。
まずは最初のローマでの93番。音源はLPのようですね。スクラッチノイズが混入してますが、音の実体感は悪くなく、図太い音で鑑賞には支障ありません。オケの精度はクリーヴランド管の演奏には敵いません。セルのタイトに締め上げるオーケストラコントロールの魅力は感じられるものの強烈な印象を残すほどではありません。ザルツブルク音楽祭ライヴでのオックスフォード同様客演のオケですが、こちらのRAIローマ交響楽団での演奏は、セルの美点はうっすらという程度にとどまってます。こちらの評価は[+++]としました。
ウィーン交響楽団の93番は、オケの音色がまろやか。セルが締め上げてもウィーン響の柔らかな音色は特色を保っています。音の出始めの角が丸いというか、奏者がエッジを効かせるというより響きのブレンドを狙っているような印象。音色はともかくセルのコントロールはキレのいい強音のアクセントを鮮明にしていき、オケは徐々にセルに飼いならされた状態となります。第2楽章のアダージョはオケの音色の魅力も加わってなかなかのもの。フィナーレの盛り上がりもびしっと決まり、セル風でありながらウィーン風でもある93番としてフィニッシュ。盛大な拍手をさそいます。こちらは録音もなかなかよく、聴きやすい音響。こちらの評価は[++++]としました。
両盤ともに、残念ながらunited archives盤のはち切れんばかりセルの魅力を感じるレベルには至っていませんでした。やはり手塩にかけたオケとの周到な準備があってあのレベルに到達した訳ですね。
残るはクリーヴランド管とのスタジオ録音。近日中にレビューに取り上げるべき伏線が張られてしまいましたね(笑)
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