【新着】佐渡裕/トーンキュンストラー管の天地創造ライヴ(ハイドン)
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佐渡裕(Yutaka Sado)指揮のウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団(Tonkünstler-Orchester)、RIAS室内合唱団(RIAS Kammerchor)による、ハイドンのオラトリオ「天地創造」。収録は2018年9月27日から10月1日かけて、ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ。レーベルはトーンキュンストラー管の自主制作です。
佐渡裕は2015年からウィーン・トーンキュンストラー管の音楽監督で、今年3月にその契約を2025年まで延長することが発表されています。就任以来トーンキュンストラー管の自主制作レーベルからライヴ収録した演奏を多数リリースし続けており、良好な関係が続いているようですね。
2016/10/02 : ハイドン–交響曲 : 【新着】佐渡裕/トーンキュンストラー管の朝、昼、晩(ハイドン)
当ブログでも、その2枚目のハイドンの朝、昼、晩を入れたアルバムを取り上げており、指揮者のイメージから派手めな演奏かなという事前の勝手な予想に反して、円熟味を感じさせるスタイリッシュな快演に驚いたことは記事にした通り。現代楽器による朝、昼、晩ではオススメ盤としております。
その佐渡裕が今度は大曲「天地創造」を取り上げたということで、気になっていたもの。先日到着して、このところ何度か聴いて取り上げるのにふさわしい素晴らしい演奏ということで久々に記事を書き始めた次第。
歌手などは以下の通り。
ガブリエル/エヴァ:クリスティーナ・ランドシャーマー(Christina Landshamer)
ウリエル:マキシミリアン・シュミット(Maximilian Schmitt)
ラファエル/アダム:ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Jochen Schmeckenbecher)
合唱指揮:ファビアン・エンデルス(Fabian Enders)
ソプラノのランドシャーマーとウリエルのシュミットはヘレヴェッヘ盤でも歌っている人。バリトンのシュメッケンベッヒャーは今回初めて聴く人です。天地創造はやはりラファエル/アダム役のバリトンが演奏のカギを握りますね。
肝心の演奏ですが、今度は予想通り、緻密かつスケール感を感じさせる雄大な演奏と言っていいでしょう。
冒頭の混沌の描写は非常に丁寧にじっくりと緻密な描写。ムジークフェラインでの録音だけに音の広がりも自然。ライヴ収録ですが会場ノイズは気にならず秀逸な録音。ラファエルの第一声は声量や太さよりも発音がクッキリとしたオペラティックなレチタティーヴォ。コーラスは弱音のコントロールが見事。そして最初のオケの全奏は力感みなぎるもの。ウリエルもラファエルとはクッキリとした声質が似ていていいコンビネーションですね。佐渡裕の指揮は大局をみながら自然に音楽が流れるように気を配って、迫力一辺倒ではなくメロディーラインの美しさも存分に感じさせます。オケは力感としなやかさの均整がとれ、抜群の安定感。特に弦のざっくりと自然に盛り上がるセンスは流石ウィーンというところ。第1部の聴きどころ、ガブリエルのアリアは細めながら艶やかで高音の伸びやかさが印象的な声。アリアでありながら、伴奏のオケの見事さにも耳がいきます。この後の第1部のクライマックスにかけてじっくりと盛り上げる流れは佐渡裕ならでは。力みなく徐々にクライマックスに至るあゆみの確実さで聴かせる至芸。オケのバランスの良い響きの快感。
第二部はアリアの宝庫だけに、歌手がカギを握ります。ソプラノの声の細さ、バリトンがちょっと道化風で図太さが足りないところが少々気になるものの、コーラスの透明感、オケの自然な盛り上がりの素晴らしさと音楽の起伏の豊かさで楽しめます。それだけオケの完成度が高いということです。多くの合唱指揮者出身の指揮者がソロの歌唱のレベルまできちんと揃えてくるのと比較すると、やはり佐渡裕はオケの人だという印象ですね。
そして第3部もやはり魅力はオーケストラの雄大な響きとマスとしての音楽の流れ。最後まで緊張を途切らせず、力まずこの大曲をじっくり仕上げるコントロール能力は素晴らしいものがあります。終曲を厳かにゆったりと終えるあたりにその真髄が窺えるというもの。最後は拍手とブラヴォーが収録されています。
このアルバム、評価が難しいですね。天地創造はやはり、ラファエルが肝。宗教音楽としてはもう少し神々しさがほしいところで、歌手を重視する点ではヨッヘン・シュメッケンベッヒャーはちょっと役不足というかキャラクター違いだった感じを残してしまいます。佐渡裕率いるトーンキュンストラー管、そしてRIAS室内合唱団は書いた通り素晴らしい演奏でこのアルバムの聴きどころ。ということで、これでラファエルが適役だったら素晴らしい演奏として大絶賛のアルバムだったでしょう。ということで佐渡さんとオケに敬意を評しながらも、総合的な視点で評価は[++++]としたいと思います。
なお、このトーンキュンストラー管の自主制作アルバム、元々ドイツ語、英語に加えて日本語の解説も含まれていることに加えて、その内容もハイドンの作曲の経緯など含めた詳しい曲目解説、歌詞対訳、全演奏者の紹介、そして統一感のあるデザインの中に多数の写真が散りばめられた大変充実した美しいプロダクションに仕上がっており、手に入れる価値のあるものです。この辺りは日本のレーベルとはレベルが異なるもの。是非日本のレーベルも見習ってほしいものです。

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佐渡裕(Yutaka Sado)指揮のウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団(Tonkünstler-Orchester)、RIAS室内合唱団(RIAS Kammerchor)による、ハイドンのオラトリオ「天地創造」。収録は2018年9月27日から10月1日かけて、ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ。レーベルはトーンキュンストラー管の自主制作です。
佐渡裕は2015年からウィーン・トーンキュンストラー管の音楽監督で、今年3月にその契約を2025年まで延長することが発表されています。就任以来トーンキュンストラー管の自主制作レーベルからライヴ収録した演奏を多数リリースし続けており、良好な関係が続いているようですね。
2016/10/02 : ハイドン–交響曲 : 【新着】佐渡裕/トーンキュンストラー管の朝、昼、晩(ハイドン)
当ブログでも、その2枚目のハイドンの朝、昼、晩を入れたアルバムを取り上げており、指揮者のイメージから派手めな演奏かなという事前の勝手な予想に反して、円熟味を感じさせるスタイリッシュな快演に驚いたことは記事にした通り。現代楽器による朝、昼、晩ではオススメ盤としております。
その佐渡裕が今度は大曲「天地創造」を取り上げたということで、気になっていたもの。先日到着して、このところ何度か聴いて取り上げるのにふさわしい素晴らしい演奏ということで久々に記事を書き始めた次第。
歌手などは以下の通り。
ガブリエル/エヴァ:クリスティーナ・ランドシャーマー(Christina Landshamer)
ウリエル:マキシミリアン・シュミット(Maximilian Schmitt)
ラファエル/アダム:ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(Jochen Schmeckenbecher)
合唱指揮:ファビアン・エンデルス(Fabian Enders)
ソプラノのランドシャーマーとウリエルのシュミットはヘレヴェッヘ盤でも歌っている人。バリトンのシュメッケンベッヒャーは今回初めて聴く人です。天地創造はやはりラファエル/アダム役のバリトンが演奏のカギを握りますね。
肝心の演奏ですが、今度は予想通り、緻密かつスケール感を感じさせる雄大な演奏と言っていいでしょう。
冒頭の混沌の描写は非常に丁寧にじっくりと緻密な描写。ムジークフェラインでの録音だけに音の広がりも自然。ライヴ収録ですが会場ノイズは気にならず秀逸な録音。ラファエルの第一声は声量や太さよりも発音がクッキリとしたオペラティックなレチタティーヴォ。コーラスは弱音のコントロールが見事。そして最初のオケの全奏は力感みなぎるもの。ウリエルもラファエルとはクッキリとした声質が似ていていいコンビネーションですね。佐渡裕の指揮は大局をみながら自然に音楽が流れるように気を配って、迫力一辺倒ではなくメロディーラインの美しさも存分に感じさせます。オケは力感としなやかさの均整がとれ、抜群の安定感。特に弦のざっくりと自然に盛り上がるセンスは流石ウィーンというところ。第1部の聴きどころ、ガブリエルのアリアは細めながら艶やかで高音の伸びやかさが印象的な声。アリアでありながら、伴奏のオケの見事さにも耳がいきます。この後の第1部のクライマックスにかけてじっくりと盛り上げる流れは佐渡裕ならでは。力みなく徐々にクライマックスに至るあゆみの確実さで聴かせる至芸。オケのバランスの良い響きの快感。
第二部はアリアの宝庫だけに、歌手がカギを握ります。ソプラノの声の細さ、バリトンがちょっと道化風で図太さが足りないところが少々気になるものの、コーラスの透明感、オケの自然な盛り上がりの素晴らしさと音楽の起伏の豊かさで楽しめます。それだけオケの完成度が高いということです。多くの合唱指揮者出身の指揮者がソロの歌唱のレベルまできちんと揃えてくるのと比較すると、やはり佐渡裕はオケの人だという印象ですね。
そして第3部もやはり魅力はオーケストラの雄大な響きとマスとしての音楽の流れ。最後まで緊張を途切らせず、力まずこの大曲をじっくり仕上げるコントロール能力は素晴らしいものがあります。終曲を厳かにゆったりと終えるあたりにその真髄が窺えるというもの。最後は拍手とブラヴォーが収録されています。
このアルバム、評価が難しいですね。天地創造はやはり、ラファエルが肝。宗教音楽としてはもう少し神々しさがほしいところで、歌手を重視する点ではヨッヘン・シュメッケンベッヒャーはちょっと役不足というかキャラクター違いだった感じを残してしまいます。佐渡裕率いるトーンキュンストラー管、そしてRIAS室内合唱団は書いた通り素晴らしい演奏でこのアルバムの聴きどころ。ということで、これでラファエルが適役だったら素晴らしい演奏として大絶賛のアルバムだったでしょう。ということで佐渡さんとオケに敬意を評しながらも、総合的な視点で評価は[++++]としたいと思います。
なお、このトーンキュンストラー管の自主制作アルバム、元々ドイツ語、英語に加えて日本語の解説も含まれていることに加えて、その内容もハイドンの作曲の経緯など含めた詳しい曲目解説、歌詞対訳、全演奏者の紹介、そして統一感のあるデザインの中に多数の写真が散りばめられた大変充実した美しいプロダクションに仕上がっており、手に入れる価値のあるものです。この辺りは日本のレーベルとはレベルが異なるもの。是非日本のレーベルも見習ってほしいものです。
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