アウグスト・ランゲンべック/シュツットガルトカンタータ合唱団のネルソンミサ(ハイドン)
ちょっとバタバタしており間があきました。今日は渋目の1枚。

アウグスト・ランゲンべック(August Langenbeck)指揮のシュツットガルトカンタータ合唱団(Stuttgarter Kantatenchor)、シュツットガルト器楽アンサンブル(Stuttgarter Instrumentalensemble)の演奏でハイドンのネルソンミサを収めたLP。収録は1971年5月20日、シュツットガルトの北のルートヴィッヒスブルクのSchloßkircheでのセッション録音。レーベルはBASF harmonia mundi。
歌手は以下の通り。
ソプラノ:ベニータ・ヴァレンテ(Benita Valente)
アルト:インゲボルク・ルス(Ingeborg Russ)
テノール:カール・マルクス(Karl Markus)
バス:ミヒャエル・ショッパー(Michael Schopper)
最近手に入れたLP。いつものようにクリーニングして針を落としてみると、誠実な演奏で、分厚いコーラスの響きにいきなり惹きつけられます。歌手も知っている人は入っていませんが、絶唱! ということでちょっと調べてみると指揮者のアウグスト・ランゲンべックは合唱指揮者。合唱指揮者のミサ曲やオラトリオは素晴らしいものが多いんですね。ということで記事にすることにした次第。
アウグスト・ランゲンべックは1912年ヴッパータール生まれで、1934年、シュツットガルトのルカ教会(Lukaskirche)のカントールに就任、その1年後にこのアルバムの合唱を担当するシュツットガルトカンタータ合唱団を設立します。主に教会で活躍した人ですが、南ドイツ放送(SDR)の宗教音楽や合唱に関する監修も担当したとのこと。亡くなったのは1981年。
Hob.XXII:11 "Missa in angustiis" "Nelson Mass" 「不安な時代のミサ(ネルソンミサ)」 [d] (1798)
冒頭のキリエから分厚いオケの響きが素晴らしい迫力。そしてそれに輪をかけて素晴らしいのがコーラス。収録会場のSchloßkircheはバロック調の壮麗な教会堂ですが、残響は多めにも関わらず、鮮明さも保つミサ曲には絶好の録音。キビキビとしたテンポで進めますがフレージングは自然そのもの。古楽器の演奏も素晴らしいものがありますが、ミサ曲に関してはこの分厚い響きと誠実な音楽の作りが醸し出す伝統的な祈りの境地が心に染み込みます。ランゲンべックの指揮はキリエやグローリアの冒頭などの迫力で聴かせる部分もいいんですが、クイ・トリスのようなしっとりと聴かせる部分の情感が素晴らしいんですね。自然に脈打つ音楽の鼓動を保ちながらスロットルを見事にコントロールして音楽を作っていく手腕は流石なところ。そしてクレドの中間部のなんという癒し! 歌手のメロディーがコーラスの大河に浮かぶような浮遊感。

LPを裏返してサンクトゥス、ベネディクトゥスと続きますが、音楽は淀むことなく流れます。これまで触れませんでしたが、歌手も皆素晴らしいんですね。合唱指揮者らしく、ソロの歌手の歌唱まで完全にコントロールが行き届いている感じ。終曲では天上からコーラスが降り注ぐような爽快な透明感に包まれます。オケ、コーラス、歌手が完全に一体化した見事な演奏でした。
全く未知の奏者による演奏でしたが、このネルソンミサの理想的な演奏として多くの人に聴いていただきたい心が洗われるような名演奏です。おそらくCD化はされていないでしょうから、LPを見かけたら迷わず手に入れられることをお勧めします。評価は[+++++]とします。

アウグスト・ランゲンべック(August Langenbeck)指揮のシュツットガルトカンタータ合唱団(Stuttgarter Kantatenchor)、シュツットガルト器楽アンサンブル(Stuttgarter Instrumentalensemble)の演奏でハイドンのネルソンミサを収めたLP。収録は1971年5月20日、シュツットガルトの北のルートヴィッヒスブルクのSchloßkircheでのセッション録音。レーベルはBASF harmonia mundi。
歌手は以下の通り。
ソプラノ:ベニータ・ヴァレンテ(Benita Valente)
アルト:インゲボルク・ルス(Ingeborg Russ)
テノール:カール・マルクス(Karl Markus)
バス:ミヒャエル・ショッパー(Michael Schopper)
最近手に入れたLP。いつものようにクリーニングして針を落としてみると、誠実な演奏で、分厚いコーラスの響きにいきなり惹きつけられます。歌手も知っている人は入っていませんが、絶唱! ということでちょっと調べてみると指揮者のアウグスト・ランゲンべックは合唱指揮者。合唱指揮者のミサ曲やオラトリオは素晴らしいものが多いんですね。ということで記事にすることにした次第。
アウグスト・ランゲンべックは1912年ヴッパータール生まれで、1934年、シュツットガルトのルカ教会(Lukaskirche)のカントールに就任、その1年後にこのアルバムの合唱を担当するシュツットガルトカンタータ合唱団を設立します。主に教会で活躍した人ですが、南ドイツ放送(SDR)の宗教音楽や合唱に関する監修も担当したとのこと。亡くなったのは1981年。
Hob.XXII:11 "Missa in angustiis" "Nelson Mass" 「不安な時代のミサ(ネルソンミサ)」 [d] (1798)
冒頭のキリエから分厚いオケの響きが素晴らしい迫力。そしてそれに輪をかけて素晴らしいのがコーラス。収録会場のSchloßkircheはバロック調の壮麗な教会堂ですが、残響は多めにも関わらず、鮮明さも保つミサ曲には絶好の録音。キビキビとしたテンポで進めますがフレージングは自然そのもの。古楽器の演奏も素晴らしいものがありますが、ミサ曲に関してはこの分厚い響きと誠実な音楽の作りが醸し出す伝統的な祈りの境地が心に染み込みます。ランゲンべックの指揮はキリエやグローリアの冒頭などの迫力で聴かせる部分もいいんですが、クイ・トリスのようなしっとりと聴かせる部分の情感が素晴らしいんですね。自然に脈打つ音楽の鼓動を保ちながらスロットルを見事にコントロールして音楽を作っていく手腕は流石なところ。そしてクレドの中間部のなんという癒し! 歌手のメロディーがコーラスの大河に浮かぶような浮遊感。

LPを裏返してサンクトゥス、ベネディクトゥスと続きますが、音楽は淀むことなく流れます。これまで触れませんでしたが、歌手も皆素晴らしいんですね。合唱指揮者らしく、ソロの歌手の歌唱まで完全にコントロールが行き届いている感じ。終曲では天上からコーラスが降り注ぐような爽快な透明感に包まれます。オケ、コーラス、歌手が完全に一体化した見事な演奏でした。
全く未知の奏者による演奏でしたが、このネルソンミサの理想的な演奏として多くの人に聴いていただきたい心が洗われるような名演奏です。おそらくCD化はされていないでしょうから、LPを見かけたら迷わず手に入れられることをお勧めします。評価は[+++++]とします。
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