作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

【新着】エキルベイの天地創造Blu-ray(ハイドン)

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あっと驚くような素晴らしいプロダクションがリリースされました。

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TOWER RECORDS / amazon / HMV&BOOKS onlineicon

ロランス・エキルベイ(Laurence Equilbey)指揮のインスラ・オーケストラ(Insula orchestra)、アクサンチュス(acccentus)の合唱による、ハイドンのオラトリオ「天地創造」の公演の模様を収めたBlu-ray。収録は2017年5月12日、パリからセーヌ川を少し下ったところにあるセガン島のラ・セーヌ・ムジカーレ(La Seine Musicale)のオーディトリウムでのライヴ。レーベルはNAXOS。

天地創造のブルーレイがリリースされたということで他の新譜と一緒に手に入れたものですが、まずはちょっと見ということで、レコーダーで見始めたところ、いきなり素晴らしいプロダクションに圧倒されました!

天地創造はコンサート形式での演奏が普通でしょうが、この映像はオペラのように凝った舞台装置とかなり動きのある演出付き。しかもその演出は超アーティスティック。冒頭からプロジェクションマッピングを多用した舞台に、コーラスはタブレットを譜面としてに加えて光の表現にも使い、舞台では歌手の宙吊り有り、本水ありと要素は外連味たっぷり。特に主役のラファエルとガブリエルが水槽に沈むなど、クラシックではオペラでもあり得ないような過激な演出ですが、これが作品の本質的な魅力を踏まえた実によく考えられたもの。何より素晴らしいのがカメラワークが抜群に良く、映像として非常にクォリティの高いものに仕上がっていることです。

ちょっと見のつもりがグイグイ引き込まれ、最後まで見てしまいました。しかも、おまけにかなり質の高いメイキング映像がついているではありませんか。このメイキング映像で思い出したのが、同じくNAXOSのプロダクションだったトム・ベギンのクラヴィーアソナタ全集。演奏の映像だけではなく、それが生まれる創造の現場を伝える実に興味深いもの。こうしたプロダクションが、かつての廉価盤の雄、NAXOSからリリースされていることが時代の移り変わりを示しているようで、こちらも実に興味深いですね。調べたところ、このメイキング映像はインスラ・オーケストラのウェブサイトで公開されていましたので、リンクを貼っておきましょう。

LA CRÉATION DE LA CRÉATION

指揮者のロランス・エキルベイはもともとこのアルバムの合唱を担当するアクサンチェスを創設した合唱指揮者。1962年生まれ(私と同じ歳!)でパリ、ウィーン、ロンドン、スカンジナビアで音楽を学び、1991年アクサンチェスを創設後音楽監督として率いてきました。2012にはオー=ド=セーヌ県のカウンシルのサポートによりこのアルバムの演奏を担当するインスラ・オーケストラを設立しています。インスラ・オーケストラはヨーロッパの若手演奏家を集めた古楽器オケでレパートリーは古典期からロマン派まで。そしてこのオケの本拠地が2017年に完成したセガン島のラ・セーヌ・ムジカーレで、設計は日本の坂茂。元ルノーの工場のあったセガン島を大規模な芸術センターに造り替え、ラ・セーヌ・ムジカーレのオーディトリウムもガラスの球体に包まれた前衛的なもの。ホールも響きの良さそうないいホールです。この天地創造はそのオープニング直後に催された公演ということになります。

歌手は以下のとおり。

ガブリエル/エヴァ:マリ・エリクスモーエン(Mari Eriksmoen)
ラファエル/アダム:ダニエル・シュムッツハルト(Daniel Schmutzhard)
ウリエル/マルティン・ミッタールッツナー(Martin Mitterrutzner)

Hob.XXI:2 "Die Schöpfung" 「天地創造」 (1796–1798)
このディスクの演奏の始まりもプロジェクションマッピング。映像は鮮明、録音も鮮明、そしてロランス・エキルベイ率いるインスラオーケストラも溌剌とした演奏で第1部のカオスの始まりから第3部の終結部まで緊張が途絶えることなく見事な演奏。こればかりは言葉ではなく見ていただく必要がありますね。演奏の詳しい解説は省略(笑) 評価はもちろん[+++++]とします!

※このBlu-ray、字幕も日本語対応なので安心して楽しめるのもポイントです。



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2 Comments

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小鳥遊

Blu-rayに対応してないので、この天地創造は未だに聴けていないのですが、最近発売された、ベートーヴェンのトリプル・コンチェルトの演奏が破格の名盤で、いまこちらを見返してます。

そして、エキルベイの経歴をみて、成程、と。

トリプルはきめ細かいアンサンブル重視の演奏でないと受け付けないのですが、細やかなニュアンスの工夫が室内楽というか、まるで声楽の様で、しかも全体を俯瞰する見通しがちゃんとたっている!

近年のトリプルの録音は、概ね親密な対話系の方向性ではあるものの、エキルベイほどコンチェルト色を排したものはなかっただけに、驚きました。

天地創造も何とかして聴いてみなくては。

Daisy

Daisy

Re: タイトルなし

小鳥遊さん、コメントありがとうございます。

ご存知かどうかわかりませんが、エキルベイ、天地創造意外にも十字架上のキリストの七つの言葉のオラトリオ版の録音があります。こちらはCDです。こちらは十字架にしてはかなりさっぱりとした演奏ですが、コーラスのコントロールやハーモニーの室内楽的な精妙さはかなりのものです。歌手も一流どころが並んでいますので、こちらを聴いてみたらいかがでしょう。

  • 2019/12/02 (Mon) 17:37
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