ミハイル・ワイマンによるヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲(ハイドン)
ちょっと間が空きました。最近手に入れたLPのうち、ググッと来たのでレビューです。

ミハイル・ワイマン(Michail Waiman)のヴァイオリン、アラ・ショチョワ(Alla Schochowa)のハープシコード、リュウ・シンダー(Lew Schinder)指揮のレニングラード室内フィルハーモニー(Kammerorchester der Leningrader Philharmonie)の演奏で、ハイドンのヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲(Hob.XVIII:6)、テレマンのヴァイオリン協奏曲ロ長調、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲Op.3のNo.6の3曲を収めたLP。収録年、場所は記載されておりませんが、1973年にリリースされたLPで、Мелодия原盤のETERNA盤です。
このアルバム、いつものように必殺美顔ブラシとVPIのクリーナーでクリーニングして針を落としてみると、素晴らしく切れ込みの良いタイトなヴァイオリンとオケの響きに圧倒されます。
ヴァイオリンのミハイル・ワイマンはもちろん初めて聴く人。LPのジャケットがいい具合に古びているのでかなり年配の人かと思いきや、そうではありませんでした。1953年、現ウクライナのオデッサに生まれ、地元の音楽学校からモスクワのチャイコフスキー音楽院に進み、オイストラフなどに指導を受けました。若い頃から才能が開花し、完璧なテクニックからヴァイオリンの詩人と呼ばれ、多くのコンクールで頭角を表し、以来世界的に活躍している人。レパートリーは古典から現代音楽まで幅広く、現在もヨーロッパを中心に活動しており、アルバムも色々リリースされています。
ハープシコードのアラ・ショチョワ、指揮者のリュウ・シンダーについてははほとんど情報がありませんので、あまり有名な人ではなさそうです。
ということで、早速曲のレビューに入りましょう。

Hob.XVIII:6 Concerto per violino, cembalo e orchestra [F] (1766)
LP独特の澄み渡るように引き締まりながらもキレキレの響きに魅了されます。序奏を聴く限りオケは小気味良く非常に俊敏。そしてワイマンのヴァイオリンも鋭利なカミソリのように素晴らしい切れ込み具合。この落ち着いた曲の入りなのに抜群の切れ味に鳥肌がたたんばかり。リズムは動かさずにグイグイ前にせり出してくるような迫力に満ちた演奏。ハープシコードは完全に脇役に徹してこの鋭利な演奏に典雅な雰囲気を加える感じ。こちらも安定して繊細な演奏。オケの方は各パートがヴァイオリンの迫力に負けんばかりに交互にせり出してきます。音量を上げて聴くとまさに響きが刺さってくるよう。ETERNAのこれほどシャープな録音は聴いたことがありません。
2楽章のラルゴはいきなりデュナーミクの幅いっぱいに使って、高コントラストなのに陰影豊かなモノクロプリントのような立体感。この楽章はオケのピチカートに乗った美しいメロディーが聴きどころなんですが、甘美な感じの演奏が多い中、キリリと引き締まりまくった超辛口の演奏。辛口のキレの良さに舌鼓。この楽章はハープシコードが雄弁に美しい音階を奏でて1楽章からギアチェンジしてきています。ヴァイオリンソロとのメロディーの交換はヴァイオリンの迫力に負けていません。そして伴奏のオケの弦楽セックションの迫力も只者ではなく、奏者全員の集中力の結晶のような演奏にうっとり。カデンツァのヴァイオリンとハープシコードの掛け合いも見事。
そしてフィナーレは鮮烈さを極めた辛口の響きの饗宴。リズムのキレが良いのに冷静さも保ちながらここでもグイグイと曲を進め、ボウイングの一つ一つが赤熱した鉄の塊を思わせるアチチな感じ。このオケのホットさは本当に只者ではありません。レニングラード室内フィル、全奏者の気合いが乗りまくった素晴らしい充実度。いやいや見事でした!
出会い頭の超名盤。演奏、録音とも抜群に冴えているLPでした。全く未知の奏者ながら、このヴァイオリンの存在感はシゲティやクレーメルと比べても勝るとも劣らぬものだと断じます。特にLPだからこそのこの刺さってくるようなど迫力が味わえるわけです。この曲も名演奏が多い曲ですが、辛口タイプの演奏では筆頭格の名盤と言っていいでしょう。もちろん評価は[+++++]といたします。
ディスクユニオンやオークションでは見たことがないアルバムがあると、所有盤リストでダブってないかを確認して、少しずつコレクションを増やし続けているのですが、このアルバムのようなインパクト抜群のアルバムに出会う喜びを味わってしまうと、未知なる名演奏を追い続けるモチベーションがますます湧いてくるわけですね。やめられません(笑)

ミハイル・ワイマン(Michail Waiman)のヴァイオリン、アラ・ショチョワ(Alla Schochowa)のハープシコード、リュウ・シンダー(Lew Schinder)指揮のレニングラード室内フィルハーモニー(Kammerorchester der Leningrader Philharmonie)の演奏で、ハイドンのヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲(Hob.XVIII:6)、テレマンのヴァイオリン協奏曲ロ長調、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲Op.3のNo.6の3曲を収めたLP。収録年、場所は記載されておりませんが、1973年にリリースされたLPで、Мелодия原盤のETERNA盤です。
このアルバム、いつものように必殺美顔ブラシとVPIのクリーナーでクリーニングして針を落としてみると、素晴らしく切れ込みの良いタイトなヴァイオリンとオケの響きに圧倒されます。
ヴァイオリンのミハイル・ワイマンはもちろん初めて聴く人。LPのジャケットがいい具合に古びているのでかなり年配の人かと思いきや、そうではありませんでした。1953年、現ウクライナのオデッサに生まれ、地元の音楽学校からモスクワのチャイコフスキー音楽院に進み、オイストラフなどに指導を受けました。若い頃から才能が開花し、完璧なテクニックからヴァイオリンの詩人と呼ばれ、多くのコンクールで頭角を表し、以来世界的に活躍している人。レパートリーは古典から現代音楽まで幅広く、現在もヨーロッパを中心に活動しており、アルバムも色々リリースされています。
ハープシコードのアラ・ショチョワ、指揮者のリュウ・シンダーについてははほとんど情報がありませんので、あまり有名な人ではなさそうです。
ということで、早速曲のレビューに入りましょう。

Hob.XVIII:6 Concerto per violino, cembalo e orchestra [F] (1766)
LP独特の澄み渡るように引き締まりながらもキレキレの響きに魅了されます。序奏を聴く限りオケは小気味良く非常に俊敏。そしてワイマンのヴァイオリンも鋭利なカミソリのように素晴らしい切れ込み具合。この落ち着いた曲の入りなのに抜群の切れ味に鳥肌がたたんばかり。リズムは動かさずにグイグイ前にせり出してくるような迫力に満ちた演奏。ハープシコードは完全に脇役に徹してこの鋭利な演奏に典雅な雰囲気を加える感じ。こちらも安定して繊細な演奏。オケの方は各パートがヴァイオリンの迫力に負けんばかりに交互にせり出してきます。音量を上げて聴くとまさに響きが刺さってくるよう。ETERNAのこれほどシャープな録音は聴いたことがありません。
2楽章のラルゴはいきなりデュナーミクの幅いっぱいに使って、高コントラストなのに陰影豊かなモノクロプリントのような立体感。この楽章はオケのピチカートに乗った美しいメロディーが聴きどころなんですが、甘美な感じの演奏が多い中、キリリと引き締まりまくった超辛口の演奏。辛口のキレの良さに舌鼓。この楽章はハープシコードが雄弁に美しい音階を奏でて1楽章からギアチェンジしてきています。ヴァイオリンソロとのメロディーの交換はヴァイオリンの迫力に負けていません。そして伴奏のオケの弦楽セックションの迫力も只者ではなく、奏者全員の集中力の結晶のような演奏にうっとり。カデンツァのヴァイオリンとハープシコードの掛け合いも見事。
そしてフィナーレは鮮烈さを極めた辛口の響きの饗宴。リズムのキレが良いのに冷静さも保ちながらここでもグイグイと曲を進め、ボウイングの一つ一つが赤熱した鉄の塊を思わせるアチチな感じ。このオケのホットさは本当に只者ではありません。レニングラード室内フィル、全奏者の気合いが乗りまくった素晴らしい充実度。いやいや見事でした!
出会い頭の超名盤。演奏、録音とも抜群に冴えているLPでした。全く未知の奏者ながら、このヴァイオリンの存在感はシゲティやクレーメルと比べても勝るとも劣らぬものだと断じます。特にLPだからこそのこの刺さってくるようなど迫力が味わえるわけです。この曲も名演奏が多い曲ですが、辛口タイプの演奏では筆頭格の名盤と言っていいでしょう。もちろん評価は[+++++]といたします。
ディスクユニオンやオークションでは見たことがないアルバムがあると、所有盤リストでダブってないかを確認して、少しずつコレクションを増やし続けているのですが、このアルバムのようなインパクト抜群のアルバムに出会う喜びを味わってしまうと、未知なる名演奏を追い続けるモチベーションがますます湧いてくるわけですね。やめられません(笑)
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